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「お腹が空いてから食べましょう」は、いいのかな?〜前編〜

お腹が空いてから食べましょう」や「時間で食べるのではなく、自分の体の感覚を大切に」というのをよく目にします。

昔の私はこういうのを見て、
「いいこと言うな。ほんとにそうだよな。それが自然だよな」
と思っていました。

でも、栄養やひとの体のしくみを学び、いろんなかたのケースを見てきた今の私は、

うーん、これで体を壊すひともいるぞ

と思います。


なぜなら、

食べないと食べられなくなっちゃうこともある

から。

今回は、「お腹が空いてから」に潜む問題について、体のしくみから見ていこうと思います。


1. お腹が空いていないと感じるとき

お腹が空いていないと感じるときは、いくつかの理由や状態が考えられます。

お腹空いてないもーん

 a. 十分に食べて栄養が足りているから。

 b.食べ物が入ってきても消化できないから。

 c.お腹が空いていることに気づけないから。

aの「十分に食べて栄養が足りているから」の場合は、とりあえず、いまは食べなくて良さそうです。
 

bの「食べ物が入ってきても消化できないから」のケースは、どうだと思いますか?

2. 食べ物が入ってきても消化できないケース

いわゆる、もたれている状態ですよね。

「お腹が空いていない」と感じる時、もしかしたらもたれているのかもしれません。


ここでは、この「もたれ」と、冒頭の「食べられなくなっちゃう」の関係について見ていきたいと思います。
 

①もたれていると感じるとき

そもそも、まず、私たちは、食べたものを分解(「消化」)して、小さくなったものを体の中に取り込んで(「吸収」)、それを体の中で使っていきます。

この消化には、いろんな段階があります。

 ・口で噛む

 ・唾液と混ぜ合わせる

 ・消化酵素を使って分解する


このどれか一つがうまくいかなくても、消化が不完全になって、体の中に取り込めないまま。


こういうときに「もたれてるなぁ」と感じます。


これは、栄養が足りているからお腹が空いてないという状態とは全然違いますよね。

でも、ここがごっちゃになっていることが結構多いように思います。


日常的にもたれていて、快適な「幸せにお腹が満たされている」感覚をわかっていないと、区別できないから仕方がないのですけど、似て非なるものです。


では、もたれてお腹が空いていなかったら、食べなくていいのでしょうか??

②もたれていたら食べなくていい?

もたれている → お腹が空いたと感じない → 食べない、の流れで一日の食事の回数や量が減った場合、体にはどんなことが起こるでしょう??
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  ▼

  ▼
答え:一日のうちに体に入ってくる栄養が減る

そうです、減るんです!


私たちの体は、食べたものから摂る栄養で、エネルギーや細胞などの、生きていくために必要なたくさんのものを常に作っています

栄養が足りないと、必要なものが必要なだけ作れません。


消化に関して必要なものが消化酵素


上で書いた消化の段階の一つ、

消化酵素を使って分解する

消化酵素です。

消化酵素の仕事は、ごはんなどの炭水化物をブドウ糖へ、お肉などのたんぱく質をアミノ酸へと、体に取り込めるように小さく分解すること

この消化酵素は、私たちの体の中で作られます。
その主原料は、たんぱく質です。

食べたものを分解するのが消化酵素。
消化酵素は、たんぱく質でできてる!

で、食事の回数や量が減って、たんぱく質といった栄養の入ってくる量が減るとどうなるでしょう??
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  ▼

  ▼
答え:消化酵素をちゃんと作れなくなる

これじゃ使い物にならないわけです。

体は、消化できない状態のときに次の食べ物が入ってくると困ります。

そういうときに「お腹が空いた」サインを出すのは、自分の首を締めるようなものだから、出しませんよね。

順を追ってみると、

もたれている
→食べない
→消化酵素が十分に作られない
→食べられないから食べたくない

という図式です。


冒頭に書いた

食べないと食べられなくなっちゃうこともある

というのは、こういうことなのです。


食べたもので、食べたものを消化するためのものが作られ、そのおかげで食べられるという、美しい循環が私たちの体の中では起こっています。


私たちは、食べるために、食べる必要があるのです。


「もたれてお腹が空いていないから食べない」を長く続けていると、そもそも食べられない体になる可能性があることを、わかっていただけたでしょうか。


さて、もたれているからと胃薬を使うケースもよくありますよね。

③もたれるのは胃酸のせい?

胃薬のなかには胃酸を抑える薬も多く、これを使っているという話をよく聞きます。

でも、胃酸は胃を苦しくするためにあるのではなくて、たんぱく質の分解を助けるものです。

こんなふうにね

なので、胃酸が多すぎるわけではないのに、胃酸を抑えてしまうと、たんぱく質の分解がうまくいかずに、もっともたれてしまう可能性があります。


ちなみに、限られた人数ではあるけれど、私のクライアントさんで胃酸が出過ぎている方はいらっしゃいません。

胃酸を減らすよりも、むしろ、胃酸に負けないちゃんとした胃の粘膜を作ったり、胃酸が食道を上がってこないようにキュッと閉じることのできる筋肉を作ることのほうが大事なケースが大半です。

胃の粘膜を作るのも、筋肉を作るのも、栄養。
そう、あなたが食べたものです。

特にベースとなるのが、たんぱく質です。

たんぱく質で作られるのは、消化酵素だけじゃないんですね。

だからこそ、たんぱく質をしっかり分解して、体の中に取り込まないといけないわけです。

そのために胃酸はとっても大事なもの。

もたれていても、それは胃酸が多いせいじゃなくて、栄養不足のために食べたものをうまく分解できていないためという可能性もあることをぜひ知っておいて。


長くなってきたので、続きは後編で。


***後編の内容***

3.『お腹が空いていることに気づけない』ケース

4. 一日3食はいらない説

5. 食べるとお腹が空く

6. 自分に合っているかを知る方法



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