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『フラッシュカード』で生きづらさを無くす ②『いつも疑ってしまう』という癖~不信/虐待スキーマ~


「生きづらさ」を招く《10の性格の癖》


①あなたなしにはいられない
『見捨てられ/不安定スキーマ』

②いつも疑ってしまう
『不信/虐待スキーマ』

③心配性が抜けない
『損失や疫病に対する脆弱性スキーマ』

④何も一人ではできないと感じる
『依存/無能スキーマ』

⑤私は愛が足りない
『情緒的剥奪スキーマ』

⑥独りになりたがる
『社会的孤立/疎外スキーマ』

⑦人に対して仮面を被ってしまう
『欠陥/恥スキーマ』

⑧俺なんかなにをやっても無理だ
『失敗スキーマ』

⑨あなた達についていけば安心
『服従スキーマ』

⑩何事も完璧が一番
『厳格な基準/過度の批判スキーマ』

上記のような生きづらさの原因となる10の性格の癖があります

それは私たちが子どもの頃に家庭環境や社会環境から身を守るために身に着けてしまったもの(性格)です


根本的には愛着の問題で、愛情不足が原因です

例えば、親に虐待を受けて育ったとします

あなたならこの世界をどう感じてしまうでしょうか?


人は信用ならない
私が悪いから怒られる
もっと褒めて欲しい
またいつ殴られるのかが怖い
恐怖から逃れて独りになりたい
怒られないように完璧にしよう

怒鳴られないように自分の気持ちを出さないでおこう

わたしがもっと結果を出せば褒めてくれるし怒られないですむ


少し考えただけでも、これだけ思いつきます
こうした気持ちが10の性格の癖をつくりあげてしまいます

この10の性格の癖は以下の3つの防御方法から来ています


『服従する』(相手の機嫌を損なわないように、また愛情を繋ぎ止めるために従う)

『逃げる』(とにかくストレス源から離れる)

『逆らう』(自己否定感、劣等感から抜け出すための虚勢)


です


脳の扁桃体という場所が不安と恐怖を感じる器官です

少しの恐れでも反応するようにできている警報装置です

アレルギー物質がマスト細胞に付着すると発生するヒスタミンのような花粉症に似ています


世界を知らない子どもが怖い存在に対した時、『服従する』か『逃げる』か『逆らう』かしかできません

それを大人になっても続けていることによって「生きづらさ」が生まれます

ですが世界は怖い人、怖い状況ばかりではありません

服従、回避、反抗という方法で乗り切ろうとして、自分に良くしてくれる人から離れていってしまっています。



10の癖を持たされた人々はいつも不安、恐怖、怒りを感じながら生きているのです

怯える状況でないところでも...


世界は怖いという感覚が脳から離れないのです

そうした感覚を、認知、考え、行動によって自分に「大丈夫だよ」と根気よく言い聞かせることで、徐々に安心感を得るようになります

ですが「変わる」ことは並大抵のことではありません


まずは自分の現状を知る
そして原因を探る
認知、考え、行動で性格を変えていく


このステップが基本となります

その人、生来の気質ももちろんあるでしょう
引きこもりが悪いと言っているのではありません

「生きづらさ」を取り除くだけです

一人になり、創作をする機会もまた大事な才能です


でもそれは「生きづらさ」が無くてもできるはずです


10の性格の癖を無くせば、「自律」を獲得でき、「自主性」を重んじ、「自尊感情」が芽生え、人生を楽しむという「自己感覚」を取り戻すことができます

つまりは「自由」を得ることができます
選択できます

勇気をもって、人は変われるということを信じて欲しいです


いつもの不安が襲ってきた時、

この『フラッシュカード』を唱えてください。

自分でアレンジしてもいいです。

生きづらさから抜け出そう!


~参考文献『Reinventing Your Life 自分を変えれば人生が変わる』
著ジェフリー・ヤング~




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《フラッシュカード》

②『いつも疑ってしまう』という癖



わたしはいつもビクビクしている。
人が背後にいる時、手を上に挙げた時でもカラダが反応してしまう。
人が怒っているのを見るのも聴くのも怖い。
人と二人だけになると怖い。
いつも顔色を見て過ごしている。
だからいつか怒り出すのではないかと思うと、自分のすることに集中できない。
従っているのが一番安全な気もするし、近づかないのがいいと思ってしまう。
でも、それは違うと知っている。
これは「過度に誰でも疑ってしまうという癖」だ。
子どもの頃に受けた虐待がそう思わせている。
カラダや気持ちは怯えてどうしようもない時があるけれど、
大丈夫、周りの人は暴言も暴力もしない。
世界は悪い人たちばかりじゃない。
いつも優しい言葉をかけてくれているし、わたしだって強く成長した。
もしひどい扱いをされても、言い返せるし、逃げることだってできる。
いつも緊張して、何もできずに怯えながらヘトヘトになって暮らすのなんて、もうまっぴら。
相手を信じてみよう!
相手をしっかりと見よう!
うまくやって行ける自分を信じる。
もうこんなばかげた癖にはいいかげんうんざりだ。
わたしは変わらないといけない。
わたしならできる。絶対に。

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《虐待者への決別の手紙》

性的虐待を受けた女性の参考例


お義父さんへ
子供の頃、あなたはわたしが欲しかった親からの愛情を利用していましたよね。
私の本当のお父さんは亡くなり、お母さんは薬漬けだったのでとても淋しく感じていました。
誰もわたしを助けてくれる人はいませんでした。
一番悔しかったのは、わたしがあなたを本当のお父さんのように思っていたことです。
あなたは最初は素晴らしい人でした。
わたしは愛情に飢えていて、あなたはそれを与えてくれました。
でもそれはすべて偽物でした。
あなたはわたしを利用した。
そうでなかったならあんなことをするはずはありません。
今はあなたを心の底から憎んでいます。
あなたはわたしの愛する力を傷つけ、そして性的な喜びを奪いました。
わたしにもそうした権利があったのに、あなたが奪ったのです。
あなたを嫌いにさせたのはあなた自身です。
あなたとは二度と会いたくありません。

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②『いつも疑ってしまう』という癖とは?


《心の叫び》
「わたしを傷つけないで!」

《現象》
・とても気分が不安定で、突然動揺して泣いてしまったり、見境をなくしてしまう

・ぼうっとしてしまう(解離状態になる)。自分がどこかに行ってしまい、物事が現実でないように感じる

・人と関わることが苦痛になる

・人を危険で予測不可能だと感じ、自分を傷つけたり、裏切ったりする存在だと信じている

・特に自分に一番近い存在の人を信じられない
・他人は密かに自分に害を与えるつもりでいると憶測を立てる

・優しくされても相手の腹の中を探り、自分をだましたり利用するのではないかと考える

・いつも過覚醒状態にいる(常に自分を守ろうと気を張っている)
・子どもの頃の記憶を断片的にしか思い出せず、曖昧模糊としている感じ
・虐待の記憶に触れると突然怒り出す
・不安や落ち込みに悩み、絶望を感じる

・フラッシュバックがある(虐待を今まさに再体験しているかのように思えるほど強く思い出す)

・現在の関係を通して虐待を思い出すことがある
・親とつながっていたい気持ちから、虐待を我慢する

・自分への脅威に注意がいき、他のことに集中できない。また人よりすぐに疲れる

・虐待者が子どもを無価値にさせ、子どもはそれを受け入れてしまっている
・「自分は最悪の人間だから、虐待されてもしょうがない」と思っている

・解離状態になることで出来事が普通とは違う感覚を生み出すので、虐待者と比較的普通に関わるとができてしまう

・被虐待者は虐待者のすることなすことを無意識に真似てしまう。つまり誰かを虐待してしまい連鎖が起こる

・攻撃的な人や信頼の置けない人たち(キレる、酒飲み、人前で恥をかかせる、要求や非難ばかりする、詐欺師的行為、冷酷さとサディスト、殴ったり脅迫する、カラダの関係を強いる、浮気をする、弱みにつけこむ、優しさを逆手にとる、薬物依存者)に惹かれる~『反復強迫』

・根拠がないのに利用されていると感じる
・恐れや無価値感から虐待されたままにする
・人をやられる前にすぐに攻撃する(逆らう「反動形成」)
・無理矢理感を感じて、健康的なカラダの関係を楽しめない
・個人情報は教えない
・人前では弱みを見せない
・恥をかくのを恐れ、いつも緊張している
・人が怖いので、他人の意見に折れる
・サド的な残酷な一面を持っている
・「一人でいるよりマシ」なので利用され続けている
・異性は信用できない
・子ども時代をあまり覚えていない
・自分の一部がなくなったかのような「スイッチ」が入る
・人に傷つけられたり、傷つけたりする空想をよくする
・人間関係でどうしていいのか分からないような状態になる

・無意識に子どもの頃の虐待体験を求める関係になってしまう(相手の虐待的性格×自分の被虐待的性格がハマってしまう)

・自分が不潔、欠陥商品だと感じている


《原因》
・子どもの頃、親に虐待(身体的、性的、言葉の暴力)された
・家族から繰り返し恥ずかしい思い、からかわれ、落ち込ませられた
・秘密を暴露され、弱みにつけこまれ、言いなりにしようとされた
・酷い罰や報復を受けた
・親に、家族以外は信用してはならないと教えられた
・家族が味方でなかった
・親が不適切で不快な形でカラダに興味を持っていた
・傷つくようなあだ名で呼ばれていた

・父親が母親から得られなくなった愛情を娘に求めるようになった(親のパートナーの代わり)

・性的虐待を隠し事にされ、罪と恥の感情が生み出された

・片方の親が虐待し、もう片方の親はいいなりになっていて、放置にされた
・親がいつ怒り狂うかいつも恐怖していた


《メリット》
・どの癖にも言えることだが、どんなひどい境遇でも当たり前だった状況が心地よく感じる


《デメリット》
・健康的な相手でも虐待者に感じてしまう
・相手の言動を被害的に歪んで捉えてしまう

・相手の愛情ある言動でもそれに慣れていないので、居心地が良くないと感じたり軽視したりする

・相手の意見や要求に簡単に折れ、気持ちや考えを押し殺す(立場が常に相手が上にあるようになってしまい、上下関係ができてしまう)

・自分は価値がないというメッセージを相手に出してしまう
・虐待された者は虐待をする側になることが多い


《対策・癖が弱まる時》
・できるだけカウンセリングを受ける(一人で問題に取り組まない)

・現在も虐待が進行中であるならば、即刻避難する。癖を呼び起こすストレス源から離れる。でないと「お前は救いようがない」「虐待を受けて当然だ」「お前は欠陥品だ」というようなネガティブなメッセージが勝手に心に流れ続ける

・安全な場所で虐待体験を思い出し、再対峙する(トラウマ・フラッシュバックに注意)

・虐待者に怒りをぶつける(直接ではなく、送らない手紙や独り言などで怒りを表出させる)

・イメージの中では自分が無力のままでいることを止める

・自分を責めない(「自分には価値がある。子どもの頃はそうするしかなかった。子どもに罪はない。」と自分に言い聞かせる)

・虐待に耐えることはしない

・信頼できる人たち(自分の権利を認めてくれる、害を与える意図のない人)との友好を深める

・イメージワークをする(子供の頃より強くて成長していて、武装している自分をイメージして、過去と対峙する)

・「そんなことをするのは間違っている!」とイメージの中で虐待者に言い放つ

・「虐待を受けるに値する子どもはこの世に一人としていない!」と自分に言い聞かす

・無力な子どもとしてではなく、大人として虐待者と立ち向かう

・強く惹かれる人でなく、自分を尊重し、危害を加える意図のない人と関わる

・自分の心の中に癒えていない小さな子どもがいることを意識する



《心の変容を遂げようとするあなたへ》

進歩できたことにはしっかりと目を向けて自分を褒めてあげましょう。

時々、自分が歩んできた道を振り返り、どのくらい進歩したか確かめましょう。

この癖たちは子ども時代の自分を守るための鎧です。

ですが、大人になった今のあなたはその鎧は不必要で、重く身動きが取れなくなっています。

世界は自己のイメージの中にしかなく、それを通してしか世界は見えません。

だから、この癖たちのせいでとても苦労しているにも関わらず、懐かしみや心地よさすら感じてしまう...

子どもの頃は生き延びることが第一だったのです。

生き延びるために役立ってきたその癖たちですが、今はあなたを傷つけています。

今こそそれに気づき、なくす時ではないでしょうか?

自分を一番大切にしよう!

自分に嘘をついたり、自分を弱らせることから抜け出し、自分自身の変容を宣言するための長い旅を始める時なのです。


次回、

③『心配性が抜けない』という癖 に続きます。

お読みいただきありがとうございました。





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