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アニメ化が決定しているラノベ『死亡遊戯で飯を食う。』を読んでみた

中々にクセのある文章で。

かつそれでいて、面白く読めるという。

とても不思議な感覚でしたね。


というわけで。

本日、ご紹介するライトノベルは、鵜飼有志先生の『死亡遊戯で飯を食う。』(2022年11月刊行)です。

では本日も、行ってみましょう!



あらすじです

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

 第18回MF文庫Jライトノベル新人賞《優秀賞》受賞作

 目を覚ますと、私は見知らぬ洋館にいた。
 メイド服を着せられて、豪華なベッドに寝かされていた。

 寝室を出て、廊下を歩いた。
 食堂の扉を開けると、そこには五人の人間がいた。
 みな一様に、私と同じくメイド服を着せられていて、少女だった。

 〈ゲーム〉の始まりだった。
 吹き矢、丸鋸、密室に手錠、そして凶器の数々。人間をあの世にいざなうもので満ち満ちている、そこは〈ゴーストハウス〉。
 館に仕掛けられたトラップのすべてをくぐり抜けて脱出するしか、私たちの生き残る道はなかった。絶望的な現実に、少女たちは顔色を悪くする――

 ――ただ一人、私だけを除いて。

 なぜかって? そりゃあ――私はこれが初めてじゃないから。

 プレイヤーネーム、幽鬼【ユウキ】。十七歳。
 自分で言うのもなんだけど、殺人ゲームのプロフェッショナル。メイド服を着て死の館から脱出を図ったり、バニーガール姿でほかのプレイヤーと殺し合ったり、そんなことをして得た賞金で生活している人間。

 どうかしてるとお思いですか?
 私もそう思います。
 だけど、そういう人間がこの世にはいるんですよ。
 おととい励まし合った仲間が、今日は敵になる。
 油断すれば後ろから刺され、万全を尽くしたとしても命を落とすことがある――
 そんな、死亡遊戯で飯を食う、少女が。

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というわけで。

本日のテーマは、「殺人ゲーム」となっております。



いわゆる「デスゲーム」もの

さて、この作品の解説を行っていく訳ですが。

いわゆる「デスゲーム」(※)を扱ったものとなっております。

※デスゲームとは
 デスゲームとは、マンガや映画の作品区別(ジャンル)のうち、主人公をはじめとする登場人物たちが命をかけた理不尽なゲームに巻き込まれる形で参加し、生き残りを賭けてゲームに挑む、という枠組みを中心とする作品ジャンルのこと。

(略)

 デスゲーム系の作品の多くは、事情を知らない登場人物が強制的にゲームに参加させられ、身心ともに苦しみながら戦いを繰り広げる、という点で共通している。作中の世界設定やゲーム(デスゲーム)のルールは作品によって異なり、そのゲームの趣向が作品の個性となっている。多くのデスゲーム系の作品ではゲームからの脱落が死を意味する場合が多い。「一歩間違えれば死」という極限の状態が続く、スリルや興奮に富んだ場面が描かれやすい。暴力的・猟奇的な描写も登場しやすい。

「デスゲーム」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

ただ、この作品。

上記で書いたような「デスゲーム」のジャンルとは。

少し離れており。

「デスゲーム」に対して、自ら参加し。

お金を稼ぐことを生業としている。

少女のお話となっております。


そのゲームの内容は。

映画「バトルロワイヤル」のような。

サバイバルを連想するものであったり。

罠が張り巡らせた館からの脱出だったりと。

様々です。

果たして彼女は生きて帰ってこれるのか――。

というのが、話のあらましですね。



この話の面白い所について

ハラハラとした内容が楽しめる所かと思います。

「デスゲーム」の系列とは少し離れているにはいるのですが。

それでも「デスゲーム」は「デスゲーム」。

スリルがあり、それでいて緊張感のあるライトノベルであったと私は思いました。

また、スプラッタなシーンも登場するのですが。

そこはマイルドになるような設定がされているので。

そういった意味では、「デスゲーム」系列の作品としては。

読みやすいのかもしれません。


ちなみに、この本の解説で書いておりましたが。

「新人賞の選考会で意見が大きく分かれた」という言葉。

わたしは、その言葉に対して。

「同意」せざるを得ませんでした。

主人公が、ただ「デスゲーム」に向いているからと。

特に目的もなく、「デスゲーム」に赴く、その姿は。

全然、共感出来なかったのですが。

書かれている、特徴的な文章と相まって。

クセになりそうな作品だと感じましたね。

つまるところ、これは。

好きな人は、とことんまでに好きだけど。

嫌いな人は、どこまでも嫌い。

そんな二極化する作品だなと思いました。



この話の欠点について

まずは上記で書いた、主人公の目的ですね。

「デスゲーム」に向いているからと。

生活をするためだからといって。

「デスゲーム」に参加する。

そんな無気力な主人公ですので。

人によっては、全く共感出来ないかと思います。


あとは、物語の「感情」といえばいいでしょうか。

私の感覚としては。

物語を読めば。

自分の中に、教訓にも似た「感情」が芽生えたりするものなのですが。

この作品からは、「虚無」しか感じられませんでした。

つまるところ、この作品から。

何かを感じ取ろうと読むのだけは、オススメは出来ない。

と、私は思います。



最後に

とはいうものの。

本来のデスゲーム路線とは若干離れており。

それでいて、フィクションとしてのハラハラやドキドキが楽しめる。

そのような作品となっておりますので。

ここで、こそっと薦めてみる所存であったりします。


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

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