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異世界からの「砂」が、文明を埋める『砂の海のレイメイ』感想

SFチックな冒険譚な上に。

バトルもあるという。

中々に面白い作品でしたね!


というわけで。

本日、ご紹介するライトノベルは、中島リュウ先生の『砂の海のレイメイ』(2024年7月刊行)です。

今回は、砂の海が冒険の舞台らしいですよ……?



あらすじをどうぞ

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

 その瞳は暁の如く、未知の世界をその手に。

 空に七つの異世界が浮かび、文明は砂海に沈んだ。
 異世界直下、武装勢力ストランド・フリートの力の法が支配する世界で、その支配に抗い、ドリル潜航艇で刃向かう少女がいた――その名は、砂漠海賊レイメイ。
 ある日、レイメイは敵艦隊から強奪した旧文明の遺物の中で、冷凍睡眠していた少年と出会う。百年の眠りから覚めた彼の名は『月兎』――旧文明の忍者だった。
 別の時代、相反する道を生き、交わるはずのなかった二つの道。この出会いが、旧文明と異世界をも巻き込む壮絶な戦いの火種になるとは、まだ知る由もない。
「こんなところで死ぬのは許さん。ゲット。おまえをあたしの夫にしてやる」
 自由を求める海賊と、忠義の忍が手を結ぶとき、絶望の海に新たな日が昇る――天穿ち、大海を掘り進む世紀末航海譚、ここに抜錨!

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というわけで。

今回のテーマは、「砂漠での冒険活劇」となっております。



非常に荒削りな作品

さて、この作品の解説を行っていくのですが。

先に書いておきましょう。

非常に読み応えのある、作品でしたね!

まず、冒険の舞台は砂漠です。

とはいっても、中々に変わった舞台設定になっておりまして。

空に七つの異世界があります。

しかし、その存在は半透明で。

光を通すものだという説明がなされています。

ただ、そこからあふれ出す「砂」によって。

文明すべてが埋もれてしまったという、世界設定なのです。

このあたりの設定が。

中々にSFチックであり。

非常に心くすぶられるものとなっております。


で、物語の続きになってきますが。

砂海になった世界では。

とある武力組織が支配していました。

武力勢力の名は、「ストランド・フリード」

圧倒的な戦力と。

超人的な男、ダンテの存在によって。

ストランド・フリートは、巨大な勢力となっていきます。

人々が、その勢力に怯える中で。

それに抵抗する一人の少女がいました。

それが、先端にドリルが付いた潜航艇に乗っている。

女海賊のレイメイだったのです。

彼女はとある理由から、ストランド・フリートを憎んでいました。

そんな中、彼女は敵から荷物を奪います。

強奪が成功し、喜ぶレイメイでしたが。

荷を確認すると。

コールドスリープのような装置を発見します。

偶発的に開けてしまうレイメイでしたが。

そこには、一人の男の子が眠っていました。

彼の名は、月兎(げっと)

冷凍睡眠によって、眠っていた忍者でした。

そんな彼が目を覚まし、レイメイと対面すると――。

というのが、話のあらましとなっております。



この作品の面白い所

なんといっても冒険譚であることでしょうね。

砂漠の海が舞台であって。

そこへ個性豊かなキャラクター達が冒険をし。

巨大な敵と戦い、そして勝つ。

いや~。

非常にワクワクしながら楽しめる作品でしたね。



またレイメイを始め、月兎やその他のキャラクター達も、個性が非常に強く。

それでいて、この二人。

最初は敵対しています。

ですが、そのわだかまりが溶けていくシーンや。

最後に至るまでの活躍ぶりたるや。

手に汗を握る展開となっております。

非常に、ドキドキしましたね。



その上、どのキャラクターにもドラマがあり。(敵を含む)

そこが見所となっております。

つまるところ。

良作やで、これは!



この作品の欠点について

非常に熱量があり、ボリュームがある本作となっていますが。

そこが欠点であると言えます。

つまるところ。

全部のシーンが力を込めて書かれている形になっており。

力を抜くシーンというか。

小休憩のシーンがほとんどないのが気になりました。

言ってしまえば。

「常にエンジン全開で書かれた、ライトノベル」と書けばいいでしょうか。

構成や場面転換、固有名詞の出し方など。

非常に荒く、それでいて繊細さに欠けます。

私は楽しく読ませていただきましたが。

人によっては、読み疲れてしまうのではないかと。

そんな気がしました。



最後に

とはいうものの。

圧倒的なオリジナリティあふれる設定と。

個性あふれるキャラクター達と繰り広げられる、冒険譚は。

読んでいて、非常に胸が躍りました。

一巻で、すべてまとまっているのも。

個人的には、良ポイントかと思います。

というわけで。

この良作を是非とも読んでもらいたく。

こうして書いている所存であったりもします。



さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

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