この中に一人。裏切り者がいる『六人の赤ずきんは今夜食べられる』感想
童話。
たくさんありますよね。
「ももたろう」や「シンデレラ」といった、メジャーな物語から。
ちょっと、マイナーな作品まで。
様々な物語があって、楽しいと思います。
そして。
それをモチーフにした小説や漫画も、たくさんありますよね。
そうやって、様々な物語が生まれている、この現代。
大変、良いと思います。
というわけで。
本日、ご紹介するライトノベルは、氷桃甘雪先生の『六人の赤ずきんは今夜食べられる』(2018年5月刊行)です。
今回は、「赤ずきん」をモチーフとした作品となっています。
あらすじをどうぞ
今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。
というわけで。
今回のテーマは、「赤ずきんを題材にした、ホラーミステリー」となっています。
秘薬について
まず初めに。
この作品に出てくる、「六人の赤ずきん」についてですが。
「秘薬」と呼ばれる薬を作ることが出来ます。
その「秘薬」とは。
一時間、別の生物に変身できるといったものや。
匂いを消すといったものまで。
様々な効果を持っています。
ですが。
その「秘薬」を持ってしても、オオカミにはかないません。
それほど、オオカミは巧妙で、かつ知恵を持っているためです。
さらに驚異の身体能力で、相手を追いつめていきます。
普通では、かないません。こんな化け物相手では。
猟師が取った作戦
そんな中、主人公であり、猟師の「私」が取った作戦は。
森の外れの塔の中で、赤ずきんと共に、朝まで籠城することでした。
しかし、それすらも。
オオカミの襲撃によって、打ち砕かれてしまいます。
必死で逃げる、赤ずきん達と「私」。
しかし、「私」は思うのです。
この中に、「裏切り者」がいるということを。
「裏切り者」がいたからこそ、「私」と赤ずきん達を追いつめたのだと。
逃げ場のない塔の中。
追ってくる、オオカミ。
そんな状況下で浮上する、裏切り者という存在。
果たして、どうなってしまうのか――。
といった、作品となっております。
この作品の面白い所
絶望的な状況下で起こる、ミステリー展開であると考えます。
六人の赤ずきんの、誰が裏切り者なのか。
「私」は策を練っていきます。
しかし、それをオオカミが乗り越えてきます。
その駆け引きが、たまらなく面白いです。
また、赤ずきん達の「秘薬」による効能と。
「私」達が、知恵と工夫で、様々な障害を乗り越えていく姿は。
手に汗を握るものだと思います。
この作品の欠点
若干、誰がどういったキャラクターなのかが、分からないことがありました。
説明しますと。
六人の赤ずきんのキャラクター名が。
みんな、「○○ずきん」とか「××ずきん」といった表現になっており。
それによって。
誰がどういった赤ずきんだったのかが、分からなくなってしまうのです。
しかし。
そういった形になっていても。
パニックミステリーという物語の設定から。
そういったものなんだと、思って。
私は、読み進めることが出来ました。
最後に
ホラーに、「ミステリー」と「童謡」を混ぜ合わせた、本作品ですが。
裏切り者の赤ずきんの正体でも驚きましたが。
猟師である「私」の正体で、さらに驚かされました。
なるほど。
こういった所でも、楽しませてくれるのかと。
そう思いながら、書いている所存であります。
最後まで、ご覧いただきありがとうございます。
この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。
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