勇者達のその後のお話『魔王を斃した後の帰り道で』を読んでみた
最近の流行を踏まえつつも。
しんみりと感じさせる。
良い作品でしたね。
というわけで。
本日、ご紹介するライトノベルは、榊一郎先生の『魔王を斃した後の帰り道で』(2024年10月刊行)です。
では本日も、行ってみましょう!
まずは、あらすじです
今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。
というわけで。
本日のテーマは、「魔王を倒した後」となっております。
一つのジャンルと化した、「勇者達のその後」のストーリー
さて、この作品の解説を行っていく訳ですが。
いわゆる。
「葬送のフリーレン」や。
「誰が勇者を殺したのか」(※)といった。
今、とても人気のあるファンタジーのジャンル。
「勇者達のその後」を描いた作品となっております。
※「誰が勇者を殺したか」の感想記事は、こちらから。
勇者ユーマと五人の仲間の手によって。
魔王が打ち斃された、その翌日のこと。
仲間の一人である、弓手のジャレットは。
突然、パーティから離脱することを提案します。
理由は、「妻と娘」のため。
彼の行動理念は。
半年ほど前に、魔物達によって殺された「妻と娘」の復讐でした。
しかし、魔王を斃したことで、それは成し遂げられています。
では何故、ここで離脱するのか。
彼は、勇者達を送り出した王国に憎しみを持っていました。
王国が妻や娘のいる村まで守りを固めていたら、大丈夫だったのに、と。
自分たちの王都を守るために。
辺境の村や町から兵を引き上げさせたことを非常に恨んでいました。
故に、彼は。
王国に帰ったら、王族の顔を射貫きたい程の憎しみを持っていました。
そのため彼は、すぐにパーティから離脱します。
そんな中、勇者であるユーマは思います。
この旅の中で。
仲間達の事を何も知らなかったと。
そこでユーマは、王都までの帰り道で。
一人一人と向き合うこととなって――。
というのが、話のあらましとなっております。
この作品の面白い所について
仲間達が、どういう思いから戦ってきたのかという。
その思いが分かっていく過程でしょうね。
勇者とその仲間達という役割を終えて。
それぞれ「普通の人」になっていくという経過を楽しめる作品となっております。
彼、彼女らが何を思い。
そして、どう行動していくのか。
それを見守る勇者でしたが。
彼自身も、ある決断をします。
それがどういったものになるのかは。
是非とも読んでみて。
そして、考えて下さいませ。
この作品の欠点について
ストーリー的なことになってきますが。
このお話は。
「仲間の背景と真実が分かる→別れる」といった、構成となっており。
さらに絆が深まるという訳でもなく。
ただ、事実を知って。
仲間と離ればなれになるといった、ストーリーとなっております。
故に、深いお話かと言えば。
そうでもないかなというのが、正直な感想です。
特に、魔術師や聖騎士のお話については。
もう少し深い形でお話が作れたのではないかと、勝手に思ってしまいます。
ともあれ、そういった所が残念な所です。
最後に
とはいうものの。
流行しているジャンルに。
新しい視点で物語を描いている事には。
間違いないと思いますので。
ここで宣伝する所存であったりもします。
さて。
最後まで、ご覧いただきありがとうございます。
この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。