見出し画像

ライトではないミステリーラノベ『嫉妬探偵の蛇谷さん』感想

ライトミステリーでありながら。

キャラクター達の掛け合いが中々に面白い作品でしたね!


というわけで。

本日、ご紹介するライトノベルは、野中春樹先生の『嫉妬探偵の蛇谷さん』(2024年9月刊行)です。

では本日も、行ってみましょう!



あらすじです

今回は、「紀伊國屋ウェブストア」さんより、あらすじを引用させていただきます。

 嫉妬が嘘をあぶりだす、学園青春探偵物語

 蛇谷さんは、おかしい。
「ああ、本当に――妬ましい」
 蛇谷カンナ。園芸部所属。美しい花を憎み、雑草の惨めさを愛する女。
 黙っていれば怖ろしいほどの美人なのに、口を開けば怒涛の毒舌。
 好きなものより嫌いなもので自分を語りたい。
 その行動原理は全て――「嫉妬」。
 こんな残念すぎる先輩と、どうして一緒に行動する羽目になっちゃったんだろう?
 答えはひとつ。
 嫉妬深くて攻撃的すぎるがために、他人の嘘や悪意を見抜いてしまう蛇谷さんのそばにいられるのが、どうしても「嘘」がつけなくて、本音がなんでも顔に出てしまう僕だけだから。
 蛇谷さんが好きなのは、惨めな人、馬鹿な人、自分より下な人、嫌われ者、そして。

 犯人――悪者のいる謎。

 学校で起こる様々な「謎解き」に立ち向かう蛇谷さんの動機はもちろん嫉妬で、その目的は悪者を追い詰め、知的に拷問すること……なのだけれど。
 ぜんぜん尊敬もできないけれど。
 それでも僕は、このおかしな先輩のことを――カッコいいと思ってしまうのだ。
 青春は、綺麗ごとでは終われない。
 嫉妬で嘘をあぶりだす、学園青春""探偵""物語。

嫉妬探偵の蛇谷さん / 野中春樹/pon - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)


というわけで。

本日のテーマは、「嫉妬と謎」になっております



中身は、ライトミステリーな作品なんだけど…

まず、この作品の全体像を説明しておきます。


この作品は、学園内で起きる事件を。

嫉妬深い女子高校生、蛇谷カンナと。

助手的なポジションで。

何でも顔に出てしまう、正直者な男子高校生、野水慧とが。

推理していく、ライトミステリーとなっております。


その事件の内容は。

道路の道端で、血を流しながら倒れている、女子高校生。

園芸部の花壇に落ちていた、ボロボロのポーチ。

花壇の前に倒れ、謎の匂いがする女子に。

生徒会長の鞄から、原因不明の出火というものと。

現実でなさそうで、ありそうな。

そんな事件の類となっております。

果たして二人は、これらの事件を解決することが出来るのか――。

といった形となっておりますね。



この作品の面白い所について

キャラクターの掛け合いは元より。

やはり、ミステリーの部分でしょうね。

正直な所。

本格ミステリーと比べると。

この作品の事件は。

稚拙な印象を受けたのですが。

それでも、事件の先にあった、犯人達の「嫉妬」

それがテーマなのかなと思いましたし。

それを、嫉妬深い探偵が謎を解いていくというのも。

中々に面白いものがあったなと。

そう感じました。


また、この作品。

探偵役の蛇谷と。

助手役である野水とには。

それぞれ重い過去があり。

それと事件とが絡み合って行きつつも。

解決していく姿が。

たまらなく面白かったですね。



この作品の残念な所について

事件性についてでしょうね。

ライトミステリーな所が本書の説明としては正しいのでしょうが。

正直な話、真相をぼかして書くと。

人殺しの一歩手前な事件が多く。

「ライト」な部分を超えているものばかりでした。

それが、人によっては。

「全然ライトじゃないじゃん!」

といった印象を受けるだろうと思い。

ここでは書かせていただきました。


あと、この事件性と。

二人の掛け合いとラブコメ部分とが。

けっこうチグハグな印象になってしまっていて。

「人が死にかけてるのに、軽いな!」

といった印象が、人によってはあるのではないかと思い。

再び書かせていただきました。



最後に

とはいうものの。

事件の背景にある、「嫉妬」。

そしてそれを解決していく、「嫉妬」探偵。

テーマ性としては。

これ以上にないくらい、見事に表現していると思いますので。

ここで、薦めてみる所存であったりもします。


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

いいなと思ったら応援しよう!