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リアルないじめ描写と、美少女と教師らによる再生の物語『人生逆転』感想
最初はかなりハードな展開でしたが。
そこからの復活劇は。
なかなか読み応えのある作品でしたね!
というわけで。
本日、ご紹介するライトノベルは、D先生の『人生逆転 浮気され、えん罪を着せられた俺が、学園一の美少女に懐かれる』(2024年11月刊行)です。
では本日も、行ってみましょう!
あらすじをどうぞ
今回は、「紀伊國屋書店ウェブストア」さんより、あらすじを引用させていただきます。
第9回カクヨムWeb小説コンテスト
カクヨムプロ作家部門&ComicWalker漫画賞 ダブル受賞!
夏の終わり、青野英治は幼馴染で恋人の天田美雪がサッカー部のエース・近藤と浮気しているところを目撃してしまう。
彼女に裏切られ、憔悴しきった英治が休み明けの学校に登校すると聞こえよがしに心無い悪口が飛んできた。
「サイテー」
「暴力男」
近藤によって英治の方が美雪に暴力を振るっていたDV男だという噂を学校中に流されていたのだ。
それを皮切りに始まった英治へのいじめは日に日に酷くなっていき、ある日ふらふら上った屋上で英治は学園一の美少女・一条愛と出会う。
同じく人生に絶望していた彼女の手を取って、2人は共に学校を抜け出して――
どん底人生からやり直す、大逆転純愛ラブコメ!
というわけで。
本日のテーマは、「どん底からの、逆転劇」となっております。
序盤は、非常にハードな展開
さて、この作品の解説を行っていく訳ですが。
タイトルやあらすじにも書かれている通り。
序盤が非常にハードな展開となっております。
夏休みの終盤。
付き合っていた幼馴染みの女の子を、別の男に奪われ。
憔悴している主人公、青野英治という高校生がいました。
二学期のため、しぶしぶ高校へ行くと。
男の策略によって。
主人公が幼馴染みに対して。
DVを行ったという噂が。
SNSで学校中に拡散されていました。
そして、悪口がDMを通して、主人公の元へひっきりなしに伝わり。
下駄箱には、ゴミが散乱し。
机には、「死ね」と書かれ。
その上、実家である、お店の情報も、黒板にでかでかと貼られる。
その事で。
主人公は生きる気力を無くしていきます。
そんな中。
ふと屋上で出会った学園一の美少女との出会いをキッカケに。
主人公の人生が逆転していき――。
というのが、話のあらましなのですが。
序盤の主人公の状況が。
私が前に感想文を書いた作品。
「ただ、それだけでよかったんです」(※)を思い起こすほどの。
酷い状況となっております。
※この作品の感想文は、こちらから。
この作品の良いところについて
絶望した主人公が、復活していく様子と。
いじめを仕掛けた男が、堕ちていく様子とが。
多角的な視点で語られている所でしょうね。
酷い目に遭っている主人公でしたが。
学園一の美少女との出会いをキッカケに。
いじめの問題が明るみになっていき。
結果として。
理解のある友人や。
大人達によって。
再生していく姿はよかったと思います。
その中で、特に私が共感を覚えたキャラクターは。
担任の先生である、高柳という人物でした。
わたしが考えるに。
物語としての、教師というポジションのキャラクターは。
いじめに対して。
大体が、何もしないか。
いじめをもみ消すイメージが強いのですが。
この先生は、いじめをちゃんと問題として認識し。
それに対して、ちゃんと責任と行動を示していきます。
そして、主人公へのケアを忘れず。
その上で、いじめの真相をも追究しようとする。
私としては。
フィクションでありながらも。
非常に魅力ある大人として読めました。
それくらい、良いキャラクターだと思います。
また、この物語は。
いじめを触発した男と。
浮気した幼馴染みとが。
互いに堕ちていく様子を読むことが出来ます。
男の方は、「いじめは楽しい」と豪語するクズなのですが。
幼馴染みの女の子の方は。
浮気をキッカケに。
段々と「清楚」であったキャラクター性が。
ドロドロになっていき。
やがて、「悪」へと染まっていくのですが。
その過程が、中々にリアルで。
読み応えがあると思いました。
この作品の欠点について
ここまで良いところを書いていて、何なのですが。
この作品。
非常に中途半端な所で終わります。
主人公は再生できたのか。
男はどこまで堕ちるのか。
幼馴染みはどうなったのか。
それが、そこまで語られること無く、終わってしまっています。
続きがあるのなら。
早く出して欲しいと。
心の底から、そう思える作品だと思いました。
最後に
ここまで現代の学校のいじめを書いていて。
かつ、それを正面から解決しようとし。
それを再生しようとする物語は。
私が読む限り、無かったですね。
理想郷や都合の良い物語だと思われるかもしれませんが。
これが現実であってほしい。
そんな事を、作者様のあとがきを読んで、感じました。
何はともあれ。
現代に起こっている問題に対して。
一つの解決策を提示している作品として読むことが出来ましたね。
さて。
最後まで、ご覧いただきありがとうございます。
この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。