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エックハルト・トールさんのPower of Now(さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる)

前回の記事でも書きましたが、当時は、経済的なトラブル、離婚、鬱、などでとにかく一日一日を過ごすのが苦痛な毎日。藁をもすがる気持ちで、楽になるものなら何でも探していました。

そこで出会ったのがこの本「The Power of Now」(さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる)です。正確には、この本の第2章です。

第2章は、「「いまに在る」と、人生の苦しみは消える」と言うタイトルなのですが、私はこの2章しか読んだことがなく、他の章を読んだことがありません。
 
その中から、以下、いくつか引用します(ChatGPTで翻訳しました)。
「ペインボディ」という用語が出てきますが、ここでは、とりあえず、上で書いたような、いわゆるネガティブな感情、体感と捉えればいいと思います。 

「ペインボディは、エゴが投げかける暗い影であり、実際にはあなたの意識の光を恐れています。それは、あなたに見つかることを恐れているのです。ペインボディの生存は、あなたが無意識にそれと同一視し、また無意識のうちにその中にある痛みと向き合うことを恐れていることに依存しています。しかし、もし、あなたがそれと向き合わなければ、もしその痛みにあなたの意識の光を当てなければ、あなたはそれを何度も何度も再体験することを強いられます。ペインボディは、あなたにとって耐え難い恐ろしい怪物のように見えるかもしれませんが、私は断言します、それはあなたの存在の力に対して決して勝つことができない無実の幻影に過ぎません。」

The Power of Now: A Guide to Spiritual Enlightenment

まずは、その恐怖、恐れ、不安、絶望、など、あらゆる「ネガティブな」思考や感情を見ることから始めましょう、ということを言っています。

これ、逆説的なんですが、いわゆる「ネガティブな思考」を見ないようにすると、どんどん、不安、恐怖が増幅していきます。ポジティブ思考に逃げても、不安、恐怖などのいわゆるネガティブな思考は、依然としてそこにあります、と言うかどんどん増幅していきます。しかし、観察していくと、なんと、収まってきます。なんと、楽になっていきます。

「つまり、ペインボディはあなたがそれを直接観察し、それが何であるかを認識することを望んでいません。あなたがそれを観察し、そのエネルギーを感じ、その内面に意識を向けた瞬間、同一視は壊れます。より高次の意識の次元が入ってきます。私はそれを「存在」と呼びます。あなたは今、ペインボディの観察者、または見守る者となっています。これにより、ペインボディはもはやあなたを利用して自分を維持することはできず、あなたを通じて自らを補充することもできません。あなたは自分の最も深い力を見つけました。あなたはPower of Now「今」の力にアクセスしたのです。」

The Power of Now: A Guide to Spiritual Enlightenment

最初の引用と同じようなことが書いてあります。「観察者」というのがポイントだと思います。この本に出会ってからまもなくして瞑想に出会うのですが、瞑想と同じです。

「プロセスをまとめましょう。感覚に意識を集中させてください。あなたの内側にある感覚に意識を集中させてください。それがペインボディであることを知ってください。それがそこにあることを受け入れてください。それについて考えないでください — 感覚を思考に変えないようにしてください。 判断したり分析したりしないでください。それを自分のアイデンティティとして作り上げないでください。現在のままでい続け、その中で起きていることを観察し続けてください。感情的な痛みだけでなく、「沈黙の観察者である自分」も意識してください。これが「今」の力、あなた自身の意識的存在の力です。そして、何が起こるかを見てください。」

The Power of Now: A Guide to Spiritual Enlightenment

さて、このプロセス。私の場合、判断したり分析しないでください、とかいうのは、そういわれてもハードル高いと思いました。マインドは混乱錯乱状態になっており、「受け入れる」と言っても受け入れられません。私も最初そうでした。

しかし、観察することをしていくと、マインドがあーでもないこうでもないというのが、ゼロにはならなくても収まってきます。この観察することが、実は受け入れていることになるので、まずは観察することだけやっていれば、間違いなく、少しは楽になります。

「いくつかの精神的な教えは、すべての痛みは最終的には幻想であると述べていますが、これは真実です。しかし、問題は、あなたにとってそれが真実であるかどうかです。ただの信念はそれを真実にするものではありません。あなたは一生痛みを経験したいですか、それを幻想だと言い続けたいですか?それはあなたを苦しみから解放しますか?ここで私たちが関心を持っているのは、この真実をどのように実現するか、つまりそれを自分自身の経験の中で現実にするかということです。」

The Power of Now: A Guide to Spiritual Enlightenment

私の経験上、ここ超重要だと思います。
このあと、「苦しみは幻想」とか、いわゆる非二元的なメッセージも追々シェアしていきたいと思いますが、頭の中で、これは幻想だ、と言っても、全く楽になりません。

まずは、「ある」ことを観察していくと、「ない」になってきます(この点についてはまた書きます)。

さて、この「観察」プラクティスのおかげで、私は本当に楽になりました。
これは、私の人生の本当に大きな転期でした。アポロ何号が月に着陸した時に誰かが言った、人類にとっての大きな一歩どころのお話ではありません。
 
その数年後、「観察者である自分」というところにもメスが入るのですが、それはとりあえずどうでもいいのです。とりあえずは、ポジティブ思考→絶望、という苦しみのサイクルから抜け出すことが大事です。 

さて、そうしているうちに、問題山積だった人生の状況も、少しずつ落ち着いてきました。永遠のように感じましたが、経済状況も、かなりの右葉曲折はありましたが、徐々に良くなっていきました。離婚プロセスも完了し、またうつの症状も少しずつ良くなり、また「社会」に復帰できるようになりました。
 
しかし、そこで、また大きな課題に直面します。
パニック障害です。
また書きます。

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