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【音楽コラム】憂鬱に効くアルバム5選【特効薬】

音楽って、素晴らしいものですよね。
(金曜ロードショー風)

ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンは言っています。
「人の声、ハーモニーっていうものが、孤独な人の心にとってどれだけ救いになるか、僕にはよくわかっているんだよ」
名作『ペット・サウンズ』も、そのような思いなくしては生まれなかったでしょう。

音楽は、人の心を潤し、救う。
それは間違いありません。
だけど、時にはうるさく感じられてしまうこともあります。
リズムが強すぎたり、メロディーがくどすぎたり。
疲れた心には、かえってささくれだって聞こえることさえある。
私も、時にはそう感じたりします。
でも、音楽にさえ苛立ってしまう自分の気持ちというのは、持て余してやりきれないものです。

そんな時におすすめしたいアルバムを5枚、ピックアップしてみました。
どれも本当につらい時、体がしんどい時に耳にしても、そのつど癒やされ、静かな力をくれるような作品です。
共通点は、美しくも穏やかで、押しつけがましくなく、傷ついた心に染み込み、音楽の中で浮かぶような心地にさせてくれること。
みなさまにとっても、これらのアルバムが、日常の中の小さな支えになれば幸いです。
それではどうぞ!👇


①『天使のため息(If You’re Feeling Sinister)』 Belle&Sebastian

1996年の作品。
スコットランドのバンド、ベル・アンド・セバスチャンの2枚目のアルバムです。
2枚目とは言いつつ、ファーストの『Tigermilk』は、アナログLP限定1000枚のみ制作されたものなので、こちらが実質的なファーストアルバムと見なされてもいました。
(タイガーミルクも名作です!)

中心人物のスチュアート・マードックは、ミュージシャンの仕事が軌道に乗るまで、教会で清掃の仕事をしていたといいます。
それもうなずけてしまう、まるで押しつけがましさのない柔らかな声とギターで、アルバムは幕を開けます。
それこそつぶやきのような、ため息のようなメロディによって紡がれるのは、憧れとあきらめ、悲しげな皮肉、そして日曜の朝に降り注いできた日差しみたいな、ささやかな希望です。

バンドはこのアルバムによって成功をおさめ、ちょっとしたカルトヒーローのようになり、NHKの音楽番組にも出演したりしていました。
『ベルセバ出てるやん!』と驚いたのを思い出します)

以降の作品で商業的にもブレイクしていきましたが、『Tigermilk』『天使のため息』にあった、まだ何者でもないがゆえの清潔感とポエジーは、二度と戻ってくることはない種類のものです。

②『Come From Heaven』 Alpha.

1997年の作品。
イングランドのブリストル・シーンから現れたユニットで、音楽的には「トリップ・ホップ」というムーブメントに分類されます。
実際、トリップ・ホップの雄・MASSIVE ATTACKのレーベルから、このアルバムはリリースされています。
そのMASSIVE ATTACKやポーティスヘッド、また後述のTrickyのように、あくまでダウナーかつダークな音像が、トリップ・ホップのメインイメージかと思われます。
しかしAlpha.は、このファーストアルバムにおいて、そういう先輩たちとは一線を画す世界を描き出しました。
どこまでもメランコリックではありながら、セピア色の海岸に寄せ返す波音を思わせる、永遠に終わらない夏の思い出のような、幻の輝きにあふれています。

ちなみに、筒井康隆先生原作、石原さとみさん・故菅原文太さん主演の映画『わたしのグランパ』では、👆の曲「Somewhere Not Here」がメインテーマとして使われていました。
『なんでAlpha.がTVCMで流れてんねん!』と驚いたのを思い出します)

➂『UP』 R.E.M.

R.E.M.は有名なバンドです。
メガセールス・インディー・バンドと呼んでもいいかもしれません。
ニルヴァーナのカート・コバーンは言いました。
「俺の人生で、一曲だけでもR.E.Mのような曲を作れたらなあ!」

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