救急医療に情熱を注ぐ薬剤師

救急医療の最前線で10年以上、患者さんと向き合ってきた薬剤師です。多忙な日々の中でも、最適な薬物治療を提供するために、日々研鑽を積んできました。この経験を活かし、薬学生や若手薬剤師の皆さんに、救急医療の面白さ、やりがいを伝えていきたいと考えています。

救急医療に情熱を注ぐ薬剤師

救急医療の最前線で10年以上、患者さんと向き合ってきた薬剤師です。多忙な日々の中でも、最適な薬物治療を提供するために、日々研鑽を積んできました。この経験を活かし、薬学生や若手薬剤師の皆さんに、救急医療の面白さ、やりがいを伝えていきたいと考えています。

最近の記事

抗凝固薬を飲んでいる?薬剤師×救急医療×薬剤師

外傷、脳出血、消化管出血などの患者さんが搬送されてきた場合、緊急の止血処置が求められます。これらの患者さんの中には、心房細動や深部静脈血栓症などの予防のために、抗凝固薬を服用している方が多くいます。 抗凝固薬は出血のリスクを高めるため、緊急手術や処置の際には、その作用を中和する拮抗薬の投与が検討されます。しかし、抗凝固薬の種類によって、有効な拮抗薬が異なるため、患者さんが服用している薬剤の正確な情報が不可欠です。 特に、生命の危機に瀕している患者さんの場合は、一刻を争う状

    • 救急医療と薬学生!大学では何を一生懸命勉強すれば良いですか?

      救急医療の現場を見学した薬学生の皆さんから、「患者さんの病態を把握するために、どのような勉強を重点的に行えば良いですか?」という質問を多く受けます。 救急外来で医師、薬剤師、看護師が連携し、患者さんのために最善の治療を目指している姿は、若き薬学生の心を惹きつけるのかもしれません。 この質問には、「正直、全部だよ」と答えています。基礎的なサイエンスに関する知識は、多ければ多いほど臨床能力の厚みと深みが増すと考えています。私は中学、高校ではあまり勉強しない学生でしたが、大学の授

      • アンサングシンデレラ!医療現場を裏で支える存在

        2020年9月、木曜ドラマ『アンサング・シンデレラ』が放送されていました。石原さとみさんや田中圭さんなど、豪華なキャストが出演していたこともあり、私も毎回楽しみに見ていました。救急外来はコロナ禍で大変な日々が続いていましたが、このドラマが毎週の楽しみでした。 第一話では、心肺停止の患者に対して医師たちが懸命に蘇生を試みます。その緊迫した状況の中、主人公である薬剤師の葵みどり(石原さとみさん)が、患者のポケットからβブロッカーの薬剤を発見します。そして、救命医に「患者さんはβ

        • 緊張と学びの救急外来デビュー

          薬剤師になって2年、かねてより憧れていた救急医療の現場に立つ機会が訪れました。いざ、その場に立つと、想像していた以上に緊迫した空気に包まれていました。 心肺蘇生が行われる中、医師や看護師が迅速かつ的確に動いている姿に圧倒されているなか、私はアドレナリンの準備を任されました。アンプルを割り、シリンジのキャップを外し、薬液を吸い上げようと試みたものの、手が震えて思うようにいきません。普段から慣れていたはずの注射薬の調製も、その場では途方もなく難しく感じられました。なんとかアドレ

          救急医療の薬剤師

           救急医療は、生死を分ける瞬間に立ち会う、まさに医の原点と言える現場です。しかし、「救急医療で薬剤師がどんな役割を担っているの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。一般的に薬剤師は調剤薬局のイメージが強いですが、病院や大学、製薬会社など、実は様々な場所で活躍しています。  病院薬剤師の中には、感染症やがんの専門家もいれば、私のように救急医療の現場に魅せられ、その魅力に取り憑かれた薬剤師もいます。かつては救急医療で活躍する薬剤師は珍しかったのですが、近年は、薬剤師の専門