見出し画像

悲しみと共に生きる

少し前まで、夢に娘が出てくると、目が覚めてから軽い喪失感を感じていた。

現実じゃなかったと…。

しかし、最近は夢に出できた時、現実にはもう居ないという事を認識しつつ、夢の世界で楽しく過ごしている。

一緒に買い物して、普通なら買わない様な可愛い洋服や帽子を買ってあげる。
家族でご飯を食べて、家に帰る流れで目が覚める。なんて他愛のないもの。

そして、目が覚めても、喪失感は感じなかった。

多分、また何かの壁を私は越えているようで。

心の中に娘が吸収されて、現実の世界でも、もし魂的な物があるとするれば、娘はかなり落ち着いた状態にあるのだと思う。

勝手に私がそう感じているだけの話。

忘れないし、忘れられないし、悲しいと思う時もある。
でも温かい部分だけ心に染み込んでいる。

安心感に包まれて一日が始まる。

最近は積極的に旦那にも娘の話をしている。
こういう時こんな事言いそうだよね。とか、このお菓子好きだったよね。なんていう事。

だけど、旦那も普通に受け取る様になっている。
夜中に飛び起きたりする事も無くなった。

息子に至っては、じいちゃんの事も、妹の事も、ごくごく普通に話をしてくる。(二十歳にして生死感を受け入れた漢…)


想像の出来ない悲しみの渦。
最初の2ヶ月は、その中で藻掻いていた。

抜け出したくて、情報を集めた。

私の場合の最初に藻掻いたからか、結論が出ていた。
けれど、沸き起こる感情がこびり付いて離れなかった。

【自分の感情を認めてあげる】事から始まる。
グルグルしてしまう思いは【いったん置いておく】事にする。
【最後は”仕方がない″と思う事】という脳の中の作業。

メンタルに良いとされる事。

規則正しい生活。目的を持った行動。日光浴。散歩。瞑想。誰かと話す。土をいじる。

片っ端からやっていった。

すると、それは自分と向き合う事との始まりだった。

脳に負ったダメージ。
それを回復させていくというのは、私の生い立ちや、不安とも生きていく事だという事に気付く。

悲しみも不安も、負の感情はどこから始まっているのか。
自分の中の記憶の海を彷徨う事になる。

私は常に焦っていた。

何事も最短でゴール出来る様にしようとしていた。

ズルをして迷路をゴールしても、途中のスタンプは手に入らなくて、でも、1番にゴールしたかった。
だから、自分のズルは見て見ないふりをしてきた。

【喪失感】も認めたくなかった。最短で【仕方ない】で片づけたかった。

自分が不安と戦う事も、生い立ちのせいと決めつけてきた。

でも、それじゃダメなのだと分かった事から、気力が湧いてきた気がする。

不安定な時に出来なかった事が、少しづつ出来るようになっていって、むしろ前よりも心軽やかに物事を捉える様になっている。

私の一番の弱点は【焦り】だった。

脳のダメージが回復してる感覚と共に、絶対には消えない悲しみも持ち合わせている。

前までなら、完璧な自分を求めて焦って、忘れなきゃいけない!ときっと藻掻いていたに違いない。

けれど、私から【焦り】を取り除くと、そのままで良い。と気楽に考えられるようになる。

悲しいもあっていい。不安もあっていい。寂しいも全部。

一緒に生きていこうよ。と。

ただパニックになるのは恐怖だった。
それを助けてくれているのは瞑想だと感じている。

1日20分。色々な感情が湧いてくる中で、吐く息の秒数を数える。
もう、3カ月は続けていると思う。

※効果を感じるには2~3週間かかります。※こんな注意書きがあった。

確かに最初は5分からとかで始めたと思う。
何が変わっているのか最初は分からなかった。けれど、1カ月位で呼吸法が自分を落ち着かせている事に気が付いた瞬間があった。

今は20分、これが自分にベストな時間だと思っている。

要は呼吸法と、頭に浮かぶイメージを引き離す訓練だと感じた。

確かにパニックになると、どんなに【息を吸うのではなく、吐く!】と分かっていても、それをコントロールする事が難しい。

夜寝ていて、酷い寝汗で起きてしまったとする。
前までならば、そこから呼吸が苦しくなって、いざという時の安定剤を飲んで効くまで耐えるという事をしていた。

今では、寝ぼけた状態でも、瞑想呼吸を出来るようになった。
すると心拍数が下がって、いつの間にかまた寝ている。という状況。

この年にして、ようやく自分を知り始めた。

何度も書いているとおもうけれど、【喪失感のぶり返しが怖い】という感情もまた、それはそれで良いと思えるようになってきた。

だって、それだけ悲しい経験をしたのだから。

悲しいと思う事も当たり前で、ずっと持っていればいいじゃない?と。

きっとこれから先も、自分の感情と生きていく事になる。
それも自分だと思って、また少し先の自分が何を思い、何を書くか楽しみにしておくとする。



いいなと思ったら応援しよう!