モダニズム建築の巨匠 ル・コルビュジエ パナソニック汐留美術館 あおひと君の週間アート情報 1/13~1/19

*本展は、ル・コルビュジエ財団の協力のもと開催されます
* This exhibition is produced in collaboration with the Le Corbusier Foundation. 

大雪とインフルエンザが心配です!でも地球は青い!あおひと君の週間アート情報!

アートを愛するみなさま!お元気ですか?

そろそろネタ切れと、サイトの更新、動画の作成、展覧会めぐり、地球で生活するのためのアルバイトなど、忙しすぎる毎日にぶっ倒れそうですが、頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします!

戦争はなくならず、格差社会は広がり、税金だけはあがっていくこんな時代だからこそ、心を豊かにするアートが必要不可欠、エッシェンシャルなのです!アートは希望です!

今週は、パナソニック汐留美術館で始まった「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」をお届けします。パナソニック汐留美術館は、新橋の汐留ジオサイトB地区に丸ごとショールームというコンセプトで建てられた東京本社ビルの4階にあります。

今回は、モダニズム建築の巨匠、ル・コルビュジエ。展覧会は、タイトルにあるように1930年から77歳で亡くなる1965年までの絵画、彫刻、素描、タペストリーと建築では、ロンシャンの礼拝堂、無限成長博物館構想、インドのチャンディガール都市計画、1958年ブリュッセル万国博覧会フィリップス館で構成しています。展覧会のテーマは、伝統的な枠組みを超え、モダニズムを超えた彼の円熟期の芸術観を明らかにする、ことです。同時代、活躍したフェルナン・レジェ(1881-1955)、ジャン(ハンス)・アルプ(1886-1966)、カンディンスキー(1866-1944)たちの作品を並べ、ル・コルビュジエと当時の芸術潮流での関わり具合も検証します。

ル・コルビュジエ、日本人には難しい発音です。この名前は、母方のひいひいおじいさんから拝借したそうです。本名は、シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ。1887年スイス北西部に生まれ、父は時計職人、母はピアノ教師で、芸術的な環境の中に育ちました。ただ目があまりよくなかったので時計職人の道を諦め、美術学校へ進学。そこで教師に才能を見出され、20歳の時にはすでに個人宅を共同ですが、デザインしています。その後、当時の著名な設計事務所や鉄筋コンクリート会社などで建築家として研鑽を重ねます。

建築家のル・コルビュジエは、当時の最新技術を取り入れた鉄筋コンクリート工法の無駄のない合理的なデザインで、モダニズム建築の提唱者として歴史に名を刻まれることになります。1929年のサヴォア邸はその代表作になります。また、その思想は、著作『建築をめざして』に掲載された「住宅は住むための機械である」という言葉からも伺えます。日本では、上野の国立西洋美術館を手がけ、2016年には、「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」で、世界遺産に登録されています。

ル・コルビュジエは、一方、画家でもありました。1918年、ル・コルビュジエは、キュビズムの画家アメデエ・オザンファン(Amedee Ozenfant)と雑誌『レスプリ・ヌーヴォー』を創刊、ピュリズム(純粋主義)を主張します。これは画面を線で区切り、静物をカラフルに並べて描く表現方法でした。この頃からル・コルビュジエというペンネームを使うようになったそうです。また、ハンス・アルプやカンデンスキーなど多くの画家とも交流しています。

さて、タイトルの1930年と区切った意味についてですが、その前年、1929年、アメリカで世界恐慌が起こります。ヨーロッパにも伝わり、ル・コルビュジエをはじめ多くのアーティストたちもその大きな影響を受けます。それまでの機械や技術万能主義から、自然の様相へ創作や表現の源泉を求めるようになるのです。

ル・コルビュジエも同様、海岸で拾った貝殻や流木、骨のかけらなどに目を向けるようになります。それらを「詩的反応を喚起するオブジェ」といいました。1930年以前は、機械や工業製品、都市などを描いていたアーティストたちは、いっせいに自然回帰へと向かうのです。

そんなル・コルビュジエの哲学は重要です。実際の建築作品より、思想家として果たした役割の方が大きいのかもしれません。50年代になると建築、家具、日用雑記、タペストリー、彩色彫刻、壁画などを統合するという諸芸術の総合を提唱します。彼は人間の全感覚を満たす詩的環境を作り出すことを理想としたのです。また「私の義務と研究の目的は、現代人を不幸や悲劇から救い、人間と環境との調和を再構築すること」とも言っています。それらの思想を素直に読めば、さすが理想的で崇高な考えだと称賛してしまいますが、穿った見方をするとエリート主義、全体主義的な側面も感じてしまいます。

今回の展覧会のキャッチフレーズにもなっている「やがてすべては海へと至る」ですが、これはル・コルビュジエがインド政府に要請されたチャンディガール新州都建設計画のためインドとフランスを行き来する飛行機のなかで執筆した論考の最後のフレーズです。この論考には、マザーと呼ぶAIが、人間を管理・支配するような世界を想起させる内容もあって驚かされます。そんなル・コルビュジエの最期は、海水浴中の心臓発作だったというので予言めいたものに感じられますね。合掌。

最後になりますが、同展のカタログの中にとても興味深い解説を見つけました。ゲスト・キュレイターの美術史家ロバート・ヴォイチュツケ氏の書いた解説に、ル・コルビュジエは、芸術は音響的な振動のように「見えないベクトル」を「放射する」と強調していた、とあるのです。

あおひと君は、今までたくさんのアート作品に触れてきて、いつも感じることがあります。それはいい作品は、それが生きているような感覚に見舞われることです。作品は、生き生きとして、何か自分に訴えかけているいるのです。数百年とたった古い作品でも、下手くそに見える作品でも、ジャンルや形態や有名無名にかかわらず、ポジティブな新鮮な印象に驚かされてしまうのです。

あおひと君は、見えないベクトルを波動と例えているのですが、いい作品、感動する作品は、何かエネルギーを放っているとしか思えないのです。そんな作品に出会うと心がポカポカして、とてもワクワクするのです。大袈裟に言えば、生きててよかった!と思わされてしまうのです。

それが何なのか、探し出すのがスーパーブルー探査ミッションなのかもしれません!

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