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国会での最初の重国籍議論

国籍法の「重国籍」を「防止」すると言う発想はいつごろから出てきたもののか?

「二重国籍を認めていない」とか「重国籍防止」、というような話が日本の国の方針として確立したものなのだとしたら、国会の場でそういう議論が行われているはず、と思い、調べてみました。

国会会議録検索システム

で「重国籍」の語を検索すると 525件1392か所ありました。

帝国議会会議録検索システム

で、で「重国籍(重國籍)」の語を検索すると
1件、1か所だけでした。それも、戦後になって、日本国憲法の条文の検討にからめての段階です。

上の、国会会議録で最初に出てくる「重国籍」の語は、第7回国会 衆議院附録 https://kokkai.ndl.go.jp/#/detailPDF?minId=100700000F00000000000&page=55&spkNum=54&current=525

の「国籍法案(内閣提出)に関する報告書」部分です。


一、議案の目的
 現行国籍法の中には、憲法及び民法の趣旨にそわない規定があるので、これを改めるため、あらたに国籍法を制定しようとするものである。
二、議案の要旨
 本法律案は、十三箇条および附則よりなっているが、現行法と異る点は左の通りである。
1~5(略)
6 二重国籍の発生を防止するため、外国で生まれたことによってその国の国籍を取得した日本国民は、戸籍法の定めるところによって日本の国籍を留保する意思を表示しなければ出生の時にさかのぼって日本の国籍を失うこととしたこと。
7~8(略)
以上の諸点を除いては、この法律案は現行法の規定の趣旨を踏襲したものである。

と、されています。
 そして、この時初めて「二重国籍の発生を防止」という言葉がでてきて、それ以降、さも当然のように「二重国籍の発生」は「防止」しなければならないものだと言う先入観が出来上がってしまった。

このときの議案の目的はあくまでも
「憲法及び民法の趣旨にそわない規定があるので、これを改めるため」
だったはずなのに、『二重国籍の発生を防止するため』というのは、旧国籍法にもなかった話をどさくさに紛れて押し込んだように見えます。
 掲げていた議案の目的を逸脱するものだったと思います。

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