『マシュー・ボーンIN CINEMA/眠れる森の美女』
オーロラ姫が王子ではなく森番の青年(名前はレオ)とひそかに恋人だったり(つまり身分違い)、悪い妖精のカラボスの息子カラドックが母の復讐のためオーロラと結婚しようとしたりと、クラシックバレエの『眠れる森の美女』とはストーリーが少し(だいぶ?)違う。舞台設定も、オーロラが目覚める頃(眠りに就いてから100年後)は現代のようだ(オーロラの伝説が知られていて、城に観光客が写真を撮りに訪れる場面がある)。
レオはオーロラと一緒に眠りに就くのではなく、善い妖精が吸血鬼のようにレオの首にかみついて、レオの背中には小さな羽が生え、どうやら妖精(もどき?)になって年を取らずに長生きしたらしい。しかし、オーロラが目覚めた後はレオは年を取るのか?それとも永遠に若いまま死なない?!レオとオーロラがやっと再会したとき、レオが、でも今は人間じゃないんだ、みたいな感じでオーロラに羽を見せたところ、オーロラが、それでもいいの、あなたが好き、みたいな感じで、羽に胸を寄せるところがロマンチックで好き。
おなじみのチャイコフスキーの音楽にこういう設定でこういう振付をするのか、というのが面白い。せりふこそないものの演技の要素も多いので、バレエとミュージカルの中間みたいな感じ。
冒頭に赤ん坊のオーロラが操り人形で登場し、最後はその人形がオーロラとレオの子どもとして使われて、子どもの背中には羽が生えているというユーモア(?)。その直前には2人のベッドインのシーンもあった。