ホントにそんなことで治るのか?

ある精神科医の方のブログを読むと、こういった患者にこういった薬と薬を組み合わせたら症状が治ったと書かれていた。薬の名前でカテゴリが分けられており、その薬を使ったら治ったという主旨が書かれている。果たして本当にそんなことが起きるのか疑問である。もしかすると、仮に100人の患者がいて、そのうちの10パーセントの治った例しか紹介していない可能性だってあるはずだ。残りの90パーセントは全然治っていないという可能性だってあるはずである。そのことは本人しか分からない。読んだ側からすると治った例しか書かれていないので、まるで名医のように思うが、実情は「神のみぞ知る」だ。

というかこういったことが本当にあるのなら、鬱が中々治らない側からすると、「どこかに名医がいて、本当に自分に合った薬を処方してくれたら鬱が治る」と思ってしまうではないか。まずそんな名医が実際に存在するのか分からない。また自分に合った薬なんてものが存在するのかも知らない。まさかそんな「名医」を探し続けるわけにもいかないだろう。一件目に行った病院はダメだった。それなら次ならどうだろう。ああ、ここもダメだった。次こそは「名医」だろう。という具合に延々と「名医」を探し続けなくてはならなくなる。こうなると労力が半端ではない。また、病院を変え続けていたら治るものも治らなくなるだろう。特に精神疾患というのは長期戦で、医者との信頼関係が重要で、自分の特性みたいなものを長い期間をかけて、知ってもらわないといけない。だから「名医」を探すより、目の前の医者を信頼したほうがコスパがいいのだ。いや、ホントに上に書いたような「名医」がいて、すっかり鬱を治してくれるなんてことが実際にあるのかもしれないが。

また他の人がこれをやって鬱が治ったというのも、中々アテにならない。僕はある記事で鍼灸をやってもらったら鬱がすっかり治って、大量に飲んでいた薬をやめられました!という記事をみて、「これだ!」と思い鍼灸に行ったが、ちっとも鬱が治らなかった。一応、鬱と吐き気を主訴として鍼灸に行ったのだが、ちっとも治らなかった。いや、ホントにその人は鍼灸で治ったのかもしれない。また、人によってはホントに鍼灸で鬱が治ってしまうのかもしれない。もし本当にそういうことがあるのなら、まあその人にとっての鬱が鍼灸で対処できた、という話なんでしょうね。そもそも鍼灸は保険がきかない。それで結構なお金を支払ったのだ。収入がない僕が藁にも縋る思いで鍼灸に通ったが、何にも変わらなかったのだ。

それで精神科で処方される薬が効いている気がしないので、漢方内科みたいなところに行って漢方薬を試したこともある。ここは一応病院なので保険がきいたが、いわゆる普通の漢方薬局では保険がきかないので、かなりの値段になる。まあそんなことより、鬱と吐き気で漢方薬を試したわけだが、なぜだか知らないが、余計に気持ち悪くなった。漢方薬というのは胃に良い成分が入っているらしく、気持ち悪くなることは無いと聞いたのだが、気持ち悪くなった。また漢方というのは往々にして毎食後に飲まなければいけないので、したがって飲む薬が増えることになる。精神科で貰っている薬と漢方薬で結構な量になるので、嫌になってやめてしまった。

他にも鬱が治らないというので、色々本を読んで「~したら鬱が治る!」みたいな本を読むわけだ。だいたいこういう本はどこかのクリニックの院長が書かれていて、大体何かに偏っている。親子関係、心理学、運動、食事療法、東洋医学など、何かに偏っている。それで上に書いたように治った例が書かれているわけだ。ただ、上にも書いたが、本当にそれで治ったのか分からない。100人中の10人が治ったという例だけ書いている可能性もあるわけだ。後の90人は治っていない可能性もあるわけだ。あと、大体都会のクリニックの院長が書かれているので、そんなとこ通えるはずがない。また、その彼らの特殊な療法に着いていけない人はどうするというのか。「これができないから治らないんだ」なんて言われるのかしら。

というわけで僕が最終的に至った結論は、まあ通いやすい心療内科だか精神科に通って、薬を飲んで、後は自分に出来ることをコツコツとやっていくしかない、という結論に至ったのであった。

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