気になって調べますわな

僕は2年間程、鬱を経験している。あんまり治らないので、うつ病や双極性障害に関する本を色々読んだ。色々読んだわけだが、結局色々読まなくても良かったなと思った。

薬を飲んで休養していたら鬱が治ったという人もいると思う。その人はラッキーだったのだと思う。いや、ラッキーというか、鬱になった原因が薬と休養で対処できたのだろう。まあこういった人は鬱に関して調べることはないだろう。ただ、鬱が中々治らないと往々にして色々調べるようになる。もちろんこれは僕のことだ。

例えば、うつ病や双極性障害の教科書的な本を一冊読むくらいなら、まあ良いと思う。というか、うつ病なり双極性障害と言われたら気になるだろう。だから調べたくなるだろう。ただ、ネットで検索すると余計な情報が入ってくるので、どこかの偉い精神科の先生が書かれた分かりやすい教科書的な本が良いと思う。もうこの1冊で充分だ。図書館に行けば大体置いてある。うつ病にしろ双極性障害にしろ統合失調症にしろ不安障害にしろパーソナリティ障害にしろ大体置いてある。

ただ図書館も中々油断できない。その分かりやすい教科書的な本の横に、これは仮の題だが、「薬をやめると鬱が治る」みたいな本が置いてあったりするのだ。また、アンチ精神医療みたいな本も置いてあったりするのだ。図書館も中々侮れない。鬱になって初めての一冊がこの手の本だったら、どうするんだ?これは本全般に言えることだが、ある分野の本を読むなら三冊は読んだ方が良いと思う。肯定派、中立派、否定派。そうしないと考えが偏ってしまう。このうち一冊しか読まないなら、いっそのこと、初めから読まない方がマシなレベルだと思う。その点、教科書的な本は偏っていないので良い。

僕はアホなので色々調べてしまったわけだが、冒頭にも書いた通り、色々調べなくても良かったな、と思った。もちろんこれは色々調べた結果にすぎない。それに、気になったわけだから仕方ない。

それで色々調べた結果だが、鬱を治していくには、「休養」が大事で、医者を「信頼」することが大事で、治していくための「努力」が大事で、後は「時間」が解決するの待つ、という結論に至った。これは当たり前のことなのかもしれない。ただ、僕はこの当たり前の結論に至るまで随分遠回りしてしまった。

おそらく、鬱が治った人はこれらのことが出来ている。ただ、「休養」、「信頼」、「努力」と書けば簡単だが、これが中々奥が深い問題なのだ。

「休養」といってもそれは真の意味で休養できているのか。横にはなっているが、色々考え事をして頭が疲れているのではないか。

「信頼」するのは結構むずかしい。病気を受け入れてなかったり、薬や医者に対して不信感を抱いている面があるのではないか。

「努力」も難しい。こういった疾患は治していくためのある種の努力が求められると思う。つまり、治療を薬や医者に丸投げしているところがあるのではないか。

鬱が結構早めに治った人は、医者の言うことを素直に聞いて、自分が今すべきことを分かって、それができた人なのだと思う。つまり、色々ああだこうだ調べて、ああだこうだ考えなかった人なのだと思う。

僕はもう色々調べすぎて、深みにハマってしまい、拗らせている。わかりやすい教科書的な本一冊でいいのだ。一冊で。ちなみに、知人に色々調べていると言ったが、病気の本は読まない方がいいと言われた。なぜなら症状を当てはめてしまうからだそうだ。まあこれはその知人の意見なのだが、うつ病や双極性障害なんて言われたら気になって調べますわな。


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