「病気を受け入れること」「医者を信頼すること」「自分を変えること」「行動すること」

今日は少し遠い図書館へ行って、分かりやすい教科書的なTHE双極性障害の本を読んできた。今は文字だらけの本が読めない。だから分かりやすい本を読んできた。読んだといってもパラパラとめくった程度だ。

こういった本には、大体こういう病気で、こういう症状が出て、こういう薬を使って、ストレスを溜めない生活をおくりましょう、と書かれている。

ただ、「こうしたら治る」とは書かれていない。あくまで、「こういう病気で、こういう症状が出て、こういう薬を使って、ストレスを溜めない生活をおくりましょう」ということが書かれている。

というか本来、鬱なり、双極性障害というのは薬を飲んで、休養していたら治る病気なのかもしれない。まあ正確には寛解というらしい。

以前何かの本で読んだが、典型的なうつ病は薬を飲んで、休養していたら、本来治る病気だった、と書かれているのをみたことがある。

ただ、この「治る」というのも奥が深い問題で、どの状態を指して、「治った」のか、結構奥が深い問題である。例えば、周りや、医者からすると、「以前より良くなっている」という印象をもたれるかもしれないが、当人からするとまだ「治っていない」という感覚があるかもしれない。ここが難しいところである。

また、薬を飲んで休養しているだけで鬱が治るなら、僕はこの世にこれほど鬱に関する本は出版されていないと思う。正直、鬱に関する本は生涯で読み切れないほど出版されている。そして、さまざまな解釈がされている。基本的には病気として扱われているのだが、環境であったり、親子関係であったり、心理学的であったり、認知行動療法的であったり、運動療法的であったり、食事療法的であったり、東洋医学的であったり、はたまた、そもそも精神医学を否定している本まである。ここまでさまざまな解釈がされているということは、ただ「薬を飲んで休養していたら治る」ものではない、ということが証明されていると思う。

精神科医である樺沢紫苑さんは、ある本で、「メンタル疾患は100%まで治らない」と書かれている。だから、ある程度回復してきたら、何かしらの行動が求められるのだと思う。また、こうも言われている。

闘わなければ病気は治る。
病気、医者、家族とは闘わない。
自分を肯定し、医者を信じてみる。
こうした些細なことで、「否認」が「受容」に変わり、「感謝」が生まれてくる。
知らず知らずのうちに、病気は治っていく――。

樺沢紫苑『精神科医が教える 病気を治す感情コントロール術』

要は病気を受け入れることと、医者を信じることの重要性を説かれている。

また、病気になる以前の自分に戻るのではなくて、「新しい自分にアップグレード」する必要があるとも言われている。これは「レジリアンス」のことだと思う。「レジリアンス」とは、

なにかあったとき、落ち込みにどっぷりつからず、そこから立ち直る力、回復できる力がレジリアンス(レジリエンスともいう)。レジリアンスがある人には、下記のような特徴がある
・楽観主義
・利他主義
・ユーモアがあること
・自分の役割がわかっていること
・サポートがあること
・恐怖を直視できること

田島治『なかなか治らない 難治性のうつ病を治す本』

らしい。

そして、こうも言われている。

現代の精神医療では、同じ診断基準を用いて診断し、同じ治療ガイドラインで治療しています。病院が変わったからといって、特効薬のような薬が処方されることはありません。

あなたがすべきことは、病院を変えることではなく、「生活療法」に真剣に取り組むことです。

樺沢紫苑『精神科医が教える ストレスフリー超大全』

要は、「病院を変えたところで大して変わらないよ。患者に求められるのは『生活療法』」と書かれている。

僕は以上のことは正しいというか、「そりゃそうだよな」と思う。そりゃ薬を飲んで休養して治ったら、それに越したことはないと思うが、多分それで鬱が治ったら、これほどまでに鬱で悩む人はいないと思う。

上に書いたように、うつ病というのは、薬を飲んで休養していたら、本来治る病気だったのかもしれない。というか、分かりやすいTHEうつ病や双極性障害の本には割とこう書かれている。いや、直接的には書かれていないが、あまり突っ込んで書かれていないため、あくまで僕だけかもしれないが、そのように受け取ってしまう。

ただ、中々治らない鬱には、「病気を受け入れること」「医者を信頼すること」「自分を変えること」「行動すること」が求められるのだと思う。


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