抑うつリアリズム

田島治『なかなか治らない 難治性のうつ病を治す本』から。

うつ病からの回復を考えるとき、抑うつリアリズムという説がヒントになるでしょう。健康な人には楽観バイアスがかかり、ものごとを実際より楽観的にみる傾向があるのです。

田島治『なかなか治らない 難治性のうつ病を治す本』

抑うつリアリズムとは

少し抑うつがあるほうが、正確なコントロールの判断をして、世の中を冷静に見ているという説。

健康な人は、少し楽観的にかたよっていて(楽観バイアスがかかっていて)、実際以上にものごとを自分でコントロールできると錯覚している。

田島治『なかなか治らない 難治性のうつ病を治す本』

と、このように抑うつ状態の方が、現実を直視しているらしい。また、実際以上に悲観的になりネガティブになりやすいらしい。健康な人は楽観バイアスをもっていて、意外と現実を直視していなく、「なんとかなるさという錯覚・幻想」状態にあるという。目指すのは楽観バイアスであるらしい。

また、うつ病からの回復には「レジリアンス」が重要らしい。

なにかあったとき、落ち込みにどっぷりつからず、そこから立ち直る力、回復できる力がレジリアンス(レジリエンスともいう)。レジリアンスがある人には、下記のような特徴がある
・楽観主義
・利他主義
・ユーモアがあること
・自分の役割がわかっていること
・サポートがあること
・恐怖を直視できること

田島治『なかなか治らない 難治性のうつ病を治す本』

これらは考え方の問題だ。考え方を変えるのは非常に難しい。こう書いてあるからといって、すぐ考えが変わるわけではない。ただ、こういった考えを読むことによって、楽観バイアスやレジリアンスを意識することができる。自分が抑うつリアリズムに陥っていることを認識することが重要なのではないか。とはいっても、中々考えは変わらない。鬱なんだから、抑うつリアリズムなんだよ、と言われたらそこまでの話だ。

僕は考えは行動によって変わると思っている。考えを変えるのは難しいが、行動を変えるのは意外とできる。少しずつ行動を変えていき、こういう本を読んで自分の考えや目指す考えを意識することが重要なのかもしれない。

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