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おじさん構文の秀吉が好きになる!歴史から学ぶ広報が面白い!【読書記録】

最近、WEBマーケティングの知見を広報や採用に活かしてみたいなと考えることが増え、そういったWEB記事を読み漁っていたところ、あまりにもキャッチ―なタイトルの本に出会ってしまいました!

ちなみに私、歴史がめちゃくちゃ好きってわけでもないし、なんなら学生時代は苦手科目でした。

でも、ストーリーテリングを使うのは好きで、普段のマーケティング業務では意識している手法です。

思えば、経営者は必ずと言っていいほど読んでいる『孫氏の兵法』も、歴史から学ぶビジネスにおける教訓として人気だし、歴史が好きではない私でも徳川家康がどんな人物なのかざっくり知っていて、実際このタイトルに惹かれてしまっている。

もしかしたら、今後「広報の仕事術を学ぶならコレ!」という本になるかもしれない。

見事に著者や編集者の策略にハマった私は、すぐさまポチっと購入してしまいました(笑)

実際読んでみて、めちゃくちゃ面白かったので、ぜひ紹介させてください!

ちなみに、前書きとして著者も書かれていますが、本書では「もしもこの時代に広報担当がいたとしたら」という観点で、筆者の妄想を交えて歴史上の出来事から学べる広報の思考術が語られています。

歴史好きの人からしたら「それはちょっと違うわ~」と思う部分もあるかもですが、あくまでフィクションとして楽しんでもらえたらと思います。

一方で、広報としての立ち回りや課題解決の仕方は、実務に活かせるぐらい解像度高いです。

著者の鈴木正義さんは現役で広報職をされているとあって、本当の広報の現場を覗き見している気分になれます。

鈴木正義さんは、なんとアップルでiPhoneの広報も担当されていたとのこと!
え、、めっちゃすごい人だった👀

著者について
鈴木正義(すずき・まさよし)
アドビ執行役員 広報本部長 ホンダランド(現ホンダモビリティランド)、古舘プロジェクト、メンター・グラフィックス(現シーメンスEDA)などを経て、2004年よりアップルにて本格的に広報専門職のキャリアをスタート。Final Cut ProやiPhoneの広報を担当。
2011年からはNECパーソナルコンピュータとレノボ・ジャパン広報。2022年9月からアドビ執行役員 広報本部長。社会人ラグビーチームクリーンファイターズ山梨でも広報を担当。
著書に『もし幕末に広報がいたら「大政奉還」のプレスリリース書いてみた』(日経BP)がある。

Amazon商品説明より

世の中には数えきれないほどのビジネス書があり、マーケティング界隈でも成功事例から学べる本がたくさんあって、日々勉強させてもらってますが、そういえば広報の他社事例って、あまり聞いたことないですよね。

それもそのはずで、広報とは会社の機密情報を踏まえた上で、どうやって公に発信するのかを担う部門。
どんな会社にも本音と建て前があるわけで、なかなか本音のところをオープンに事例公開できないですよね。

だからこそ、この本が秀逸なのは、誰もが知っているような歴史上の人物と出来事にフォーカスして、もしもこの時代の広報担当ならどうやって発信するのかを考えて、それを他社事例として用いている点です。

さらに、過去の出来事を現代に置き換えて、より想像しやすくしてくれているのも非常にわかりやすい。

例えば、本書の最初に出てくる、豊臣秀吉の刀狩りについて。
これを現代の「ふるさと納税」と重ね合わせることで、解像度がグッと高まります。

ここで出てくる秀吉のチャットが、おじさん構文の愛され上司キャラなんですよ(笑)

オハヨー❗就業時間前から、ごめんね🙇‍♂️。この前言ってた、刀狩りの発表って、進んでるかな?ボクは最近茶の湯にハマっちゃってるヨ。こんど広報チャンも聚楽第においでよ🤭♥️

豊臣秀吉は「人たらし」といわれるほどコミュ力の高い武将だったところから、おじさん構文で若手の部下と距離を詰めようと努力する設定にしたとのこと。

広報担当の子が冷静に受け流してるのも、リアリティあって、読んでいて普通に笑っちゃいました(笑)

秀吉自身が農民出身ということもあり、刀狩り対象者となる農民へのメリット提示にも納得感があります。
共感を呼ぶストーリーがバチっとハマった施策だったのでしょう。

パワハラ上司な織田信長とは対照的に、天下統一を果たせたのもうなずけますね。

本編の一発目となる秀吉の刀狩りの事例で、本書全体の語り口(チャット形式の図解)も示されており、この章で一気に読者をひきつけてくるあたりが、さすがストーリーテリングの力を説いているだけあります!

私も見事に引き込まれました!

また、本書のタイトルにもなっている、かの有名な「関ヶ原の戦い」がPRイベントだったとは驚きです!

現代で言うところのポップアップイベントのようなノリで、「関ヶ原でイベント開催して、徳川側の勢いを見せつけましょうか?」と広報が提案する件はなかなかスリリングです。

こういうウィットに富んだ表現、大好き😊💕

家康も「鉛筆なめつつ」とか「ガラガラポン」とか「全員野球で」とか、昭和のビジネス用語を多用しまくって、おじさん臭がプンプンするところが、またいい!(笑)

戦国時代の武将たちは、単に自分の野心や力を見せつけたいがために戦いを仕掛けていたのかと思ってましたが、広報的な影の戦略者がいたとしたら、実は相当な頭脳戦だったのかも。

このほかにも「信長のKPIがきつ過ぎる」とか、「石田三成、怒りの文春砲」とか、見出しからして面白そうな事例が盛りだくさんで、もっと紹介したいのですが、この先はぜひ実際に手に取って読んでみてください。

目次を読むだけでも勉強になります。

でもきっとその先も読みたくなりますよ😊

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もちろん、私はKindle(電子書籍)で購入し、iPad miniで読んでます😊

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