売れない本当の理由を知っていますか?
これだけ世の中に多くの商品やサービスが出回ると、商品開発担当者であるなら、商品の差別化や付加価値を考えることに疲弊している人も多いでしょう。
さらにSNSやネット社会となり、簡単に商品の比較ができます。その中であなたの会社の商品が選ばれ続けるのには限界がありますし、仮に選ばれてものすごく売れたとしても長続きしないというのが最近の傾向です。
このような過酷なビジネス環境の中で、私たちは戦っている(?)わけですが、もうそろそろ終わりにしませんかということです。
では、どうしたらこのようなゲームを止めることができるのでしょうか?
まず、良い商品が売れるわけではないということです。良い商品とは、素晴らしい材料や素材を使っていたり、製造方法にこだわりがあり手間暇かけていたり、手取り足取り指導したり、著名人が監修したりと、さまざまな視点があります。
ここで、世界的なハンバーガーチェーン店「マクドナルド」の例を紹介します。マクドナルドのハンバーガーは世界一美味しいでしょうか?YESと言う人はいないでしょう。ほとんどの人がNOと言うはずです。では、なぜこれほどまでにマクドナルドのハンバーガーが世界中の人から愛され、売れ続けているのでしょうか?この答えがわかれば、商品力が平均的でも十分な売上と利益を稼ぐことは可能です。
マクドナルドが成功した要因はマインドシェアです。
マインドシェアとはハンバーガーを食べたいと思ったときに、一番最初に頭に思い浮かべるブランドのことです。つまり、マクドナルドはハンバーガーチェーン店として、より多くの人に認知されているということです。しかし、マクドナルドはそれだけにとどまりません。
ハンバーガーが食べたいと思った時に、マクドナルドが思い浮かんだとしても、すぐにマクドナルドのハンバーガーを購入できるような状態でなければどうしようもありません。マクドナルドは日本国内に2900店舗を展開しています。これだけ店舗があれば、食べたいと思った時にすぐに買うことができるのです。
そして今は、デリバリーもやっています。
マクドナルドが食べたいと思ったら、ネットからデリバリーを申し込めば30分後には自宅にマクドナルドが届くというパターンができ上がっています。マインドシェアが1位であっても、すぐに購入することができなければどうしようもありません。ここも大きなポイントです。
売れるという現象を分析すると
1.商品力が高いとか低いということではなく平均的な商品力は必要。
2.いつでもどこでも購入できる。
この2点が売上を伸ばすための大きな要素となります。
チェーン店はこの2点を構築しています。
飲食チェーン店で世界一のおいしさを誇る、日本一の美味しさを誇る店舗はないはずです。日本一おいしいお店とは、シェフや板前が在籍しており、しっかりと仕込みをして調理した料理です。しかし、値段が高いとことと、いつでもどこでも食べることができないことから、莫大な売上を上げることはできません。
もうおわかりだと思いますが、商品力を磨いて差別化だの付加価値だのといったところで、それがあまりに微妙で小さなことだったり、あまりに高度過ぎると買い手はその違いを認識することができません。それでは、まったく意味がありません。つまり、売り手のマスターベーションということです。
そこで重要なのは、商品開発に注ぎ込んだ過剰な開発費や人件費をマインドシェアと販売チャンネルを増やすことに使うのです。これをやっただけで、随分と売上は伸びます。
実は、このことをしっかりと伝えるマーケッターやコンサルタントは数少ないのです。売り方が問題なんだという人はいますが、それではあまりにも抽象的です。そして、売り方が問題だという人の話をよく聞けば、結局、キャッチコピーを変えるとか、ライティングの話に終始します。小手先のテクニックは大事なことですが、マインドシェア1位になることと販売チャンネルを増やすことよりは小さなことです。
今日は売上を拡大するための大事なことをお伝えしました。
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