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すべての情報は事実と意見からなる
テレビ番組から論文まで、すべての情報には事実と意見が含まれている。ここで述べる事実とは科学的根拠に基づいた客観的なもの(科学)であり、意見とは情報の発信者の主観的な考えを意味する。
すなわち、世間に流布している情報には価値判断の結果が含まれているということである。
情報をどのように読み解くかは、基本的に読者や視聴者である情報の受け手の自由である。しかしながら、その情報の受け手がよく陥るのは、客観的な部分(事実)と発信者の主観的な部分(意見)の混同による勘違いである。
多くの人はより健康になるための食事法や身体に悪い影響をもたらす可能性のある食べ物について知ろうとする。テレビの健康番組でも、ある食品を積極的に摂取することを促したり、勧めたりする。しかし、本来研究結果そのものがその食品について食べるべきかどうかを語っているわけではない。個人がその結果を見て、食べるべきかどうかを判断するのである。
例えば、「一日野菜の摂取量を350gとする」(厚生労働省「健康日本21 栄養・食生活」)(http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/b1.html#A15)という情報がある。この情報も正しくは科学的根拠に基づいているとは言えないのである。その根拠については後日述べたい。
当ページでは、栄養情報を正しいかどうかを教えるのではなく、正しく判断できるような基礎知識(考え方を含む)を与え、他者への伝え方を研究したりするための「栄養情報学」の実践の場としていきたいと考えている。