手紙の返事をもらった
電話しようと連絡があった。
先日渡した復縁希望のお返事が返ってくる。
出先だったので、連絡があってから30分ほど後になって家に着いてからすぐ電話した。
二、三ほどどうでもいい話をした。
もう内容も覚えていない。
助走みたいな会話。
「何を言うかは決めてないんだけど、今戻っても変わらないんじゃないかなと思ったなあ」
と。どうでもいい話の延長みたいな声色で言った。
その明るさが助かった。
「情で付き合うことの何が悪いんだろうと思ったりもしたけどなぁ」とも彼は言った。
明るく、お互い涙はなくて、
ただ目の前の課題を淡々と話し合う。
ライトなミーティングみたいな。
何気ない会話みたいな。
旅行の日程決めるくらいのそんな会話。
お互いに決断を委ね合う、大事なことを決め切れないそんな会話を1時間ほどした。
ただ話していることを楽しんでいる節があった。
話せば話すほど、こんなに楽しいのに
どんな題材だろうと話しているだけでこんなに楽しいのに、なぜ一緒にはいられないのか不思議で仕方なかった。
決め切れない会話を終わらせたのは、彼だった。
言い切らない俺が悪いと思ったから言う
やっぱりやめておこう
優しさだったと思う。
あまりに残酷な優しさ。
やり直せないのだという結論を2人とも出せずにいる間に、話せば話すほど、わたしはやり直したいと思い始めてしまっていた。
この時間がずっと続けばいいのに。と。
自分で蒔いた種だけど、私は何度この人にさよならを言うんだろうと思った。
わかりきっていた答えをもらって涙せず電話を切る。
分かりきった答えをもらって余計に
今でも好きという気持ちが浮き彫りになった気がした。
このまま忘れた方が幸せなのか
情でもいいから一緒にいたいと願う方が幸せなのか
何が正しいのかもう分からなかった。
ただ、今が辛いことだけが事実だった。
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