Great Vowel Shift Generator (仮称) の制作メモ #002
妄想の原点 (複雑系に魅せられて)
言語変化をライフゲーム、遺伝的アルゴリズム、パーコレーション理論などシンプルなルールといくつかのパラメタとによって再現できないものか、できるとしてら、そのパラメタをうまく与えてよりよく再現させるというゲームにできるのではないかという着想が始まりである。
以前から創発 (emergence) に興味があり、複雑系関連の書籍を読み漁っていた時期もあった(四半世紀も前のことである)。その後、だいぶ遠ざかっていたが Voicy の「英語の語源が身につくラジオ」 (通称 heldio) で英語史沼にハマるにつれ、語彙拡散をシミュレーションできないものかと妄想するようになった。拙い知識でいろいろ考えていたのだが、そこに英語史ゲームをつくるという妄想が重なり、気がついたら大母音推移をシミュレーションするゲームをつくるという妄想に発展した。
基本構想 (モデル)
多数のエージェントがインタラクションしながら、いくつかの要素 (パラメタ) の影響を受けて発音が少しずつ変化していくモデル (Agent-based model) を作成する
パラメタ候補:
母音四角形(六面体):
開口度合い (close: 0.0 - open: 1.0)
舌の位置 (back: 0.0 - front: 1.0)
円唇性 (unrounded: 0.0 - rounded: 1.0)
遺伝的・環境的要因:
父母の母音発音 (上述のパラメタで表現) を受け継ぐ割合
接触のある周囲の人間の影響を受ける割合 (距離の二乗に逆比例を想定)
英語話者の影響
非英語話者の影響
影響力の強いひと/弱いひとが存在 (引力の大きさが質量に比例するイメージ)
弁別性要因:
ある2つの母音の発音が近づきすぎた場合に弁別性を確保するための調整が入る (磁石が反発するイメージ)
影響に対する抵抗:
周囲の影響による母音変化に抗う力 (静止摩擦係数のイメージ)
母音変化が始まった後も残る継続的な母音変化に抗う力 (動摩擦係数のイメージ)
地図上にエージェントを複数配置してスタート
地図は最終的には英国地図を模したいが、最初は単純な正方形などから着手
地形や交通路などの要素も加味したいが、これも拡張要素として当初は保留
時間のステップは日・月・年といった単位を設定可能とする (が、これも当初は決め打ちで進める)
基本構想 (ゲーム開発環境)
ゲームエンジンは Godot を想定
プログラム言語は Godot 独自の GDScript にするか、今後の使い回しを考えて C# にするか思案中
どんなゲームか
PC上でひとりで遊ぶのが前提
エージェントの初期配置や各エージェントの属性(パラメタ)初期値設定を工夫することで史実の大母音推移に近づけることに挑戦したり、逆に史実にない設定を持ちこむことで歴史の IF を楽しんだりできるようにする
史実に近いほど高いスコアが得られる史実再現挑戦モードもほしいが、適切なデータを収集・構成することにかなりの困難が見込まれるため、今後の課題とする (ので、当面はプレイヤが自身で判断して楽しむ形とする)
野望
基本構造がうまく動くようになれば、大母音推移に限らず、他の言語変化事象にも応用できるのではないか、さらに言語に限らず社会のモデリングにも応用できるのではないか、それをゲームとして楽しみながら理解できるようなエデュテイメントコンテンツ群を構成できるのではないかなどと野望 (というより誇大妄想) が拡がる。
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