「LayerX」という船に乗ることを決めた理由【入社エントリ】
※これは【LayerX Advent Calender 2021】の32日目の記事です。
こんにちは。プロダクトとカスタマーが大好きな池田(@sayurii_cs)です。
タイトルの通り、この度overflow社を退職し2021年11月15日付でLayerXに入社しました。請求書受取の「LayerX インボイス」等を扱うSaaS事業のカスタマーサクセスチームに所属しています。
実は有休消化期間を利用して2週間前から稼動を始めているのですが、「社外/社内のLayerXのイメージにはまだまだギャップがある」と日々感じています。
中から見ると「もうブロックチェーンの会社じゃないよ、SaaSとFintech、Privacy Techの会社だよ」と口酸っぱく発信し続けていて「流石にそろそろしつこいのでは?」という雰囲気がありますが、今回転職にあたってご報告をしたスタートアップ界隈の方々からは、「ブロックチェーンの会社だよね」「ブロックチェーンのCSって何やるの?」という声を多くいただいてしまいました。
入社エントリの一つとして、私がLayerXに決めた経緯や、実際に中に入って見えたLayerXについてご紹介することで、その差を少しでも縮める一助になれば幸いです。
私の紹介
【キャリアサマリ】
新卒で金融(リース会社)法人営業 → ToB SaaS CS → overflowでダイレクトリクルーティング「Offers」のCS
【特徴】
- ずっとB2B事業でクライアントワークに従事している
- カスタマーサクセス(契約中顧客の支援)的ロールに7年ほど携わっている
- 直近のキャリアでは2社連続でCS組織の立ち上げ期にjoinしている
- 誰もが知っている有名企業での経験や、特筆すべき学歴はなし
前職では、絶対的な正解がない「採用」という領域の中で、求人倍率がとても高いITエンジニア職をメインターゲットとして「複業転職」という新しい概念をご提案しながら、Howの部分を主にサポートしていました。
CS正社員1人目として道なき道を切り開きながら、経営メンバー直下でたくさんの打席に立たせていただくことができ、成功も失敗もたくさん経験しました。overflowの皆様には感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。
半年間の大きめのプロジェクトが夏に終わり、その頃からだんだんと「またSaaSの世界に戻りたい」と思い次のキャリアを考え始めていました。
(この辺りの詳細はまたいつか別の機会に)
LayerXとの出会い
そういった中で第一想起に上がったのがLayerXでした。
この時点では「SaaS"も"やってるらしい」程度の認識で、特に興味関心を持つきっかけになったのは以下2つの記事です。
【つくば市とのインターネット投票を見据えた実証実験】
有権者になったときから投票制度の不便さ・不平等さに課題を感じており、ネット投票が進めば、有権者の投票率分布の偏りが減り、より多様な民意が政治に反映されるはずと考えていました。
この取り組みをNHKニュースで見たあと、LayerXが手掛けていたことを時差で知り衝撃を受けました。
【LayerXのD&Iポリシー】
生きるか死ぬかのスタートアップではどうしても「短期的に企業価値に直結しない=やらない」という意思決定になることに歯がゆさを覚えていたところに、このnoteから希望をもらいました。
同質性の高い偏った組織では適切な意思決定をし続けることが難しくなるので、このフェーズからトップダウンでD&Iを実践できるLayerXはきっと強い組織でい続けられるのではと感じました。
※『多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』より
これらをきっかけにSaaS事業についても調べ始めました。
特にこのfukkyyさん(CEO)のポッドキャストが決め手で「この事業に次の自分の5年間を賭けたい」と思うようになりました。
選考を通した印象
自分で調査した時点で既に「選考受けたい」ラインは超えていたので、カジュアル面談不要と判断。「受けるのはタダだし、何のリスクもないしな」という気持ちで求人ページから直接応募しました。(他の企業ではカジュアル面談で詳しくお話を聞くこともありました)
【選考フロー】
1. 一次面接(人事 石黒さん)
2. 二次面接(CSメンバー kajiさん、kassyyさん)
3. 最終面接(CEO fukkyyさん)
その後、トライアル入社へ(後述)
一次面接から最終面接まで一週間程度という爆速ペースで進んだことにかなり驚きました。
前職では採用成功のコツとして「スピード」の重要性をよくお客様に説いていてたのですが、なかなか現場メンバーとの連携ができず面接担当からの速やかなFB回収や予定確保の難しさに苦戦する人事の方が多くいました。
私自身も採用がビハインドして組織づくりが停滞した失敗経験があったので、LayerXは「全員採用」を実践していることが伝わってきたのはとてもポジティブでした。
面接前はかなり構えてしまってたのですが、お会いしたメンバーの皆さんはとてもジェントルで、リラックスしながら楽しく自分の経験ややりたいことについて話すことができました。
(LayerXの行動指針のひとつに「徳」があるのですが、それが自然と表に出ていた印象)
毎回の面接後に心地よい高揚感があったのを記憶しています。
※補足
そもそもの選考期間はポジションや候補者の希望によって異なります。(技術課題があるエンジニアは選考に通常2-4週間かかります)
「結果の連絡まで毎度1週間以上待たされてしまう」「次の日程が2週間先になってしまい温度感が下がる」といったマイナス体験が無かった、という例としてお読みいただければ幸いです!
2日間のトライアルへ
選考を通してLayerXへの温度感はかなり高まっていたのですが、自分がLayerXのカルチャーにフィットするか、事業成長に貢献できるかという観点ではかなり不安が残っていました。
選考の中でその点について相談し、2日間のトライアル入社期間を用意してもらうことにしました。(NDA含む業務委託契約を結びました)
【トライアルの流れ】
- 1日目
CSチームのロードマップ策定ロングMTGに参加し議論に参加。夕方の事業部定例ではリリース直前の新機能を実際にstg環境で触ってみる機会も。
- 2日目
全社会議や各チームの定例が多い日。全社定例やSales&Marketing定例、Product定例などにも参加。最後に1日目のCSロードマップMTGをもとに、自分なりに改善点やチャレンジしたい点をまとめてCSメンバーに共有、FBをもらいました。
(事業部全体にも共有され、イイネ!感が嬉しかった)
※ 私が受けた当時のものなので、あくまで参考までに
※ 出社は任意でしたが、オフィスの様子とチーム外のメンバーの方の雰囲気も感じたかったので、物理出社してみました。
トライアルで感じた熱狂的な一体感
事業部のメンバーはすでに30名以上いて、客観的に見るとセクションごとの個別最適の罠にそろそろはまりやすい規模でした。
自分自身も過去に「各自の向上心やコミットは高いのに、いつの間にか”作る人” ”売る人” というロールに閉じ、視野が狭まってしまう」事態を何度も経験しており、「プロダクトを通した価値提供・課題解決に全員で取り組む」ことへの思いが強くあり、ここを一番見極めたいと考えていました。
実際に中を覗いてみると、エンジニアもセールスメンバーもみんな同じ方向性を向いており、ある種熱狂的な、ものすごい一体感を味わいました。
その源は、以下の2点によるものかと思っています。
1. 事業のビジョンが言語化されている+これまでの過程を誰でも理解できるような体制になっている
チームが大きくなると今の過程に至るまでのプロセスを知らない人の割合が多くなり「なぜやるのか」の理解に差が開きやすいのですが、それを防ぐための取り組みが意識的に行われていました。
例)
- 日が浅いメンバーのために、背景前提の説明を丁寧に行う
- 向かう方向の言語化(事業ビジョンなど)
- ドキュメントだけでなく、過去のMTG録画を見ることができ、文脈にブレが起きづらく、温度感も追体験しやすくなっている
(やさしさ = 受け手・使い手への最大限の配慮 というLayerX用語)
(この事業ビジョン策定会議は入社直前でタイミング合わずだったのですが、参加してみたかった〜!)
2. 非同期だけでなく、同期コミュニケーションをとても大事にしている
毎日事業部全員が集める夕会を始め、ぱっと見「定例MTGが多すぎないか?」と思ったのですが、各MTGの目的や効果は明確で、一定のコストを払ってでもやる意義を感じました。
(もちろん同期/非同期の切り分けはされていて、SlackやNotion上のコミュニケーションも大量に行われていました)
同期コミュニケーションはコストがとても高いですが、録画する習慣があるので、個人の事情で参加できなかったメンバーでも即時でキャッチアップ可能な体制になっているのもポジティブでした。
※とはいえ実際に中に入るとそろそろ今のペースでやる難しさも実感するので、これも変化の時期ですね。でも、「変化があっても軸がブレない、悪いようにならない」という希望がもてることが私にとっては重要なので大丈夫です。
自分ができること
CSチームとしては当時は「専任1名+他兼任で2名程度」の工数を確保している体制でした。(kajiさんが当時はQA兼任だったの、今考えてもちょっと信じられない)
LayerXのカスタマーサクセスという概念の捉え方や、その広がり、やりたいことには非常に共感することができました。
とにかく成果だけ見て実行だけに振り切りすぎた過去の反省もあったので、チームとしての青写真をしっかり描けているのはすごく理想的でした。
(9月頭のトライアルで聞いたことと、方向は全く変わっていません)
とはいえ何にせよ人が足りない状況で、メンバーそれぞれのスキル・経験から「能力的にできること」はたくさんありながらも、「工数がほぼない」現実があり、チームとしては次々に増える顧客の体験を最低限落とさない取り組みに絞らざるを得ない状況でした。
それを踏まえてトライアル最終日に、「次の四半期以降を見据えて優先的に取り組むと良さそうなアイデア」をリスト化してシェアしたのですが、「良いですね!ぜひ一緒に実践してほしい!」と言ってもらえたのが最後のひと押しでした。
※ちなみに、なにも突飛なアイデアは書いてません……。「やらなきゃいけないと気づいているけど実際やれてない」ものばかりだったはずです。
一部抜粋)
- これからの契約満了ラッシュに向けたオペレーション構築
- 無料トライアル期間でのSales/CS間連携の強化
- 複数プロダクトへの展開を見据えたクロスセル施策
- 採用広報観点でのCSチームの発信・露出強化
フラットで率直なフィードバック文化
ここまで良い面ばかり書きすぎてしまって「もう安泰では?」と思われていないか非常に不安ですが、本当に事業・チームとしてもまだまだ発展途上です。
(でなければ、私自身が入ろうと思いません)
特に、全社の最重要課題である採用については、候補者視点で体験してみると、「全員採用」を実践しながらもまだまだ改善点が多いように感じました。
スタートアップ企業同士の採用競争がますます熾烈になっている昨今、悪気なくアクションが欠けてしまったり、相対的に待ちの姿勢に見えてしまうことだけでも命取りになる可能性があります。
そういった考えから、僭越ながら採用についての所感と改善点を採用チャンネルでシェアしたことがありました。
(一部抜粋。選考プロセスで「なぜあなたに入社してほしいか」を一人一人に言語化して伝える機会をオペレーションに組み込んではどうかという提案について、その背景を実体験を交え解説しています)
「皆が限られたリソースで採用に時間を割いていることは理解しているし、すぐ実践できる状況ではないかもしれない。そういった中で皆が見られる場所に今書くべきことなのか」と非常に迷ったのですが、人事 石黒さんの「配慮は必要だけど遠慮はいらない」という言葉を信じ投稿しました。
投稿後すぐに次々にスタンプが押され、スレッドにはまだ直接話したりお会いしたことない方々から感想やフィードバックに対する感謝の言葉が続々書き込まれていきました。どのメンバーのフィードバックも等しく重要視されるという事実を目の当たりにし、高い心理的安全性を感じました。
この提案はその後すぐ採用フローに組み込まれ、今では普通に実践されており効果も出始めています。提案から実践までの間は、1営業日程度だったと記憶しています。
D&Iの部分でも触れましたが、1人が想像し、考えられる広さや深さには限界があります。50人が50通りの思考を行い、自立駆動しながら互いに提案・フィードバックし合うことで適切な意思決定を行うことができます。
今はまだ至らない点があっても、この文化を失わなければ必ず良い方向に向かっていけると確信しています。この気持ちを持ちながら日々の業務に向き合うことができるのは、モチベーションの観点でも非常に重要です。
最後に(とても重要)
自分もオンボーディング最中で、まだ打席に立てていないのですが…
どう考えても人も多様性も足りないことは明らかです。
CSチームについてはカスタマーサクセス領域の経験は不要です!セールス、マーケ、経理、事業開発、エンジニア、PMなど様々なご経験をお持ちの方を多角的に募集しています。
募集ポジションは大量にありますので、ご経験やご志向に合わせたご提案も可能です。
少しでもご関心を持っていただけたら、ぜひそこのあなた、LayerXを次のステップの選択肢に入れてくださいませんか?
心よりお待ちしています!
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