yorisou
千差万別の動物たちが
それぞれ見えている世界は違う
見えているものの
外側が、
いかに広いことか
そこには謙虚があり
それでも感じようとすることに、
寄り添いがある
[渡り鳥 岩谷香穂より]
生きるということ
私は何者かということ
何故私は命を与えられたのかということ
心を、
削られていくのを
感じながら
繰り返しの日々の中で巡らせる
全てのものには意味があるはずで
全てのものには命があるはずで
だから私は私を生きたい
と思っていた
はず
自分をみえないなにかで
縛りすぎたのか
価値を見い出せなければ
意味がないと
思い込んだのか
いつの間にか
縁取って創り上げた
私の世界の境界線は
薄くなって
細くなって
跡形もなく消えていた
例えば普段感じる世界の外側には
牛は歩き、
夕日は沈む、
山は噴火し、
空にはオーロラ
そう思えた日には
人の感じられるちっぽさと
それでもふとしたタイミングに
それらもめぐりあうことのできる可能性で
少し希望がある、と
思えるかもしれません
[渡り鳥 岩谷香穂より]
私は
みえないものの力を信じてる
私は
みえないものがどんなに素晴らしいかを
知っている
別世界ではなく
私達が息をするこの世界の中で
見えずとも
いつも
そこに存在し続けていると
私は
一人では生きられない
みえないものに願いを込めて
いつも
救われてきた
がんじがらめになっていた結び目が
ゆっくりとほどけて
心臓へ
血液がトクトクと流れだす
霧のような半透明な縁
みえるものとみえないものの縁を
丁寧に
救い上げれるだろうか
時にはみえるものを
時にはみえないものを
欠片に合うものを
私が選びとって
馴染ませられるだろうか
私にも
大切なあの人にも
私達の世界は限られていないと
伝えていたい
みえないものの鼓動に
いつまでも耳を傾けられますように