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レジリエンス恋愛塾4.ーストレス・不安耐性を高める〈自分軸〉思考という武器

こんにちは、メンタルケア心理士・恋愛カウンセラーの櫻麻 莉子さくま りこです。
恋愛力を高め、折れない心をつくる『レジリエンス恋愛塾』。
4回目の今回は、〈自分軸〉という武器で恋愛における判断力を高め、感じる必要のないストレスや不安から身を守る方法をお伝えしようと思います。

あなたは他人の意見が気になる? 気にならない?

何かを決めなくてはいけない、判断しなくてはならないときに、あなたは何を基準にその答えを出していますか?

シンプルに考えれば、さまざまな状況や情報を目の前に並べ、自分の頭で整理したうえで、自分で考え、判断するのがベストな気がします。
いわゆる、〈自分軸〉思考ですね。

でも、なかなかこの〈自分軸〉で考えて答えを出す、ということができない、という方が多いようです。

それはどうしてか?

先ほど、状況や情報をもとに頭を整理する、とお伝えしましたが、この「情報」というのがクセモノなんです。

「状況」に関しては、自分自身のことならば、ある程度客観的に把握できると思いますが、「情報」となると、そうもいきません。

*テレビで言っていたから…
*雑誌にそう書いてあったから…
*SNSでもみんなが思っているっぽかったし…
*親友や友達がこんなふうに言ってた…

情報化社会と言われるだけあって、古今東西、あらゆる情報が雪崩のように降ってくるご時世です。
自分でよく考えてみる前に、まずは調べちゃう、という方も多いのではないでしょうか。

「考える」というのは、一種の習慣・クセのようなものです。

疑問や違和感を感じたときに、「考える」クセのある人は、自分自身で考え、なんらかの答えを出しながら、自分の価値基準(ものさし)を確立していきます。
逆に、考えることを放棄してしまうと、他人の意見に依存せざるを得ない状況に陥るため、人生の大事な局面でも「他人の意見」に流されやすくなってしまうのです。

これが、〈他人軸〉の生き方です。

もちろん、協調性の面などで考えれば、他人軸が絶対に悪いというわけではありません。ですが、心のレジリエンス機能に直結する自己肯定感や自尊心の高さ、生きやすさの面でいえば、〈自分軸〉で生きる方が圧倒的に生きやすいといえるかもしれません。

Google先生があなたに教えてくれないこと

例えば……。
恋愛の些細なことにおいても、Google先生に聞けばなんでも答えてくれることでしょう。

最近彼からの連絡が最近減った気がする。

前は、おはよう〜おやすみの挨拶から、ちょっとしたことまで、なんでもLINEでやり取りしていたのに。

最近は私から連絡しないと返してくれないし、なんならなぜか何時間も既読がつかないことがある。

そんなとき、不安になったあなたは、すぐに検索窓にキーワードを打ち込みます。

彼氏 既読スルー 返事こない 原因

するとどうでしょう。
出るわ出るわ、”彼から返信が来ない理由と原因”について細かくレクチャーしたと思われるサイトやブログの情報が山のように出てきます。

なんて親切なんでしょう。
不安にさいなまれていたあなたは、それを時間をかけて読み漁ります。

さまざまな情報からかえって不安と妄想が爆発し、「他に好きな人ができたんじゃないか?」などといらぬ疑いで心が占領されることもあるかもしれません。

もしくは「確かに一般論でいえば◯◯な理由で連絡頻度が減ることもあるんだな」とか、「男性脳の仕組みからすれば、そこまで不安になることでもないのかも?」
そんなふうに安心できる部分もあるのかもしれません。

けれど、こうした汎用性の高い情報や意見を目一杯頭に叩き込んだとて、あくまでそれは一般論、可能性論です。

それによって、あなたはすっかり安心できましたか?
相変わらず携帯を握りしめて、彼からの返事や優しいメールがいつ来るのかと、不安の中に佇んでいるのではないでしょうか。

でも、本当は、Google先生は知らないけれど、あなただけは知っている、ということもあるはずです。

よーく、時を遡って、情報を分析してみてください。
あなたと彼の間に起きた、変わったことはなかったか?

色々な出来事をあなた自身が思い出すだけではなく、彼の気持ちになって考えてみる。

*そういえば先週、ちょっとした些細なケンカから、彼を傷つけるようなことを言っちゃったな。もしかしてまだ怒ってるのかな?

*たしか先週から彼のおばあちゃんが入院しちゃうって言ってたな。
彼、おばあちゃん子だから、もしかして病院につきっきりなのかも?

不安になったら、一番信頼できる答えをくれるはずの「本人」から聞けばいいのです。
そして、その情報をもとに、自分自身で答えを出す。


◉喧嘩したことがメール頻度が減った原因ならー

「この前は、イヤな気分にさせちゃってごめんね。
生理前でちょっと感情が不安定だったから◯◯くんに八つ当たりしちゃったのかもしれない。
今も怒ってたりする?
前みたいに仲良くメールやりとりしたいんだけど、ダメかな?」

◉おばあちゃんの入院が原因ならー

「そういえば、おばあちゃん入院されるって聞いてたけど、体調だいじょぶそ? ◯◯くん、おばあちゃんと仲良かったから心配だよね?
何か私にできることあったら言ってね。
早くよくなるといいね。」

こんなふうに、ある程度”相手が受け取りやすいボール”を投げておけば、すぐでなくとも、いずれキャッチ&レスポンスがあるはずです。

ー直接聞くのが怖いから、いろいろ調べちゃうのに。
本人に聞くなんて、もうそれ自体がストレスになるんだけど……。

そんな声も聞こえてきそうですね。

でも、心のレジリエンスを高めるには、あえて「不安」に近づき、慣れることも大切なんです。

ちょっと脳の機能のお話をしましょう。

脳には神経可塑性しんけいかそせい(シナプスの可塑性)」という性質があり、人がさまざまな経験や学習をすることにより、それを記憶し、常に構造的な変化を起こしています。

例えば、不安を感じさせるもの、不安をもたらすストレス源に近づく訓練をすることも、神経可塑性を鍛える方法のひとつ。
小さなストレスにたびたび触れることで、徐々にストレス耐性と回復力が高まってくる、といわれています。

ですから、こうした脳の学びの機能を活用し、不安の源である対象者の懐に飛び込んでみるのも、心のレジリエンス機能を高める方法のひとつといえるでしょう。

オーダーメイドの情報×自分で考える癖づけを

どんなメディアの取材においても、最も信頼できる情報というのは、直接対象者に話を聞きに行って得られた「一次情報」です。

恋愛でいえば、もしあなたが「不安」をもとに仮説を立てたなら、不安のもととなっている状況の原因を、彼に直接聞いてしまえばいいのです。

もちろん、本当に浮気したり他に気になる人がいるのであれば、嘘をつかれることもあるかもしれません。
それでも、「なんか目が泳いでる」「なんか嘘ついてるな?」という副産物としての一次情報は入手できるはずです。
その情報をもとに、これまでの彼の言動や性格も照らし合わせて、あなたが自分で判断する。

どこの誰のことかもわからない、そんなあやふやな情報をいくら大量に目の前に並べても、判断はかえって難しくなります。
メールの返事が来る来ない、といった問題だけでなく、実際「これは浮気してるのかもしれない」「何か隠し事があるのかな」という不安に陥ったときも同じです。

あなただけのオーダーメイドの情報をとることで、自分で考え、判断すること。

真実が何もわからず、情報の海の中で溺れてしまうより、確実な情報を取りにいき、自分自身で考える。

そうすれば、心がラクになるのはもちろん、不用な不安やストレスに苛まれる時間は格段に減ります。

そしてこの〈自分で考えるというクセづけ〉は、レジリエンスな心の機能、精神的回復力を高める最大のトレーニングでもあります。

氾濫する情報や、直接状況を知り得ない人の意見に振り回されないこと。

不安やストレスを解消するために、ノウハウ情報やマニュアルに頼りがちだな、と感じる方は、ぜひ実践してみてください。


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櫻麻 莉子(Rico Sakuma)
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