表と裏の承認欲求−誰かのSNSを眺めて落ち込んじゃう方へ♡
みなさま、こんばんは。
メンタルケア心理士・カウンセラーの櫻麻 莉子です。
今日は、2022年9月21日、水曜日。
シルバーウィークの中日ではありますが、台風の影響で前半はあんまりお出かけできなかった、という方も少なくないのではないでしょうか。
そんな時は、おうち時間を楽しみながら、体を休めて、心を休めて……。
できるだけリフレッシュしながら穏やかな時間を過ごせたらいいですよね。
さて、では今日も誕生花をご紹介したいと思います。
本日、9月21日の誕生花は、サンビタリア。
花言葉は、「私を見つめて」。
今日がお誕生日の方、おめでとうございます。
サンビタリアは、夏から秋にかけて咲く、小さなひまわりのような、可愛らしいお花です。小さいけれど、たくさんお花をさかせて、「みてみて!」って、主張しているような姿にちなんだ花言葉だそうです。
今日のテーマはこの「私を見つめて」「私をみて」という花言葉から連想するメンタルのお話。
日常+αの「華やかさ」が当たり前のインスタの世界
みなさんは、とっても嬉しいことがあったとき、とっても素敵な場所にいったとき、とっても可愛くなれたとき……。
どんな行動をしているでしょうか。
自分だけでこっそり楽しむという方もいれば、家族やお友達、パートナーなど、ごく身近な人にだけその嬉しさ、楽しさを伝える、という方もいるかもしれません。
でも、もっともっとたくさんの人にそれを伝えたい、知ってほしい。
そんなときは、写真とともに文章を添えて、それをSNSにアップする、ということも最近では、ごく当たり前になってきています。
特にこういった華やかな内容が多いのは、やはり写真をメインとしたSNS、Instagramですよね。
ですが最近、このInstagramに関して気になるお悩みを耳にすることがあります。
それは、「Instagram」を開くと、心がつらくなる。という言葉。
カウンセリングのご相談者さまはもちろん、日常的な、ちょっとしたおしゃべりや愚痴のような会話でも、本当にここ最近、耳にすることが増えてきました。
確かに、Instagramの投稿をみてみると、旅行先の綺麗な景色だったり、何周年記念デート、とか、家族のイベント写真だったり。
本当に、HAPPY感あふれる投稿が多かったです^_^。
通常のメンタルの状態で眺めている限りは、なんてことのない、”誰かの幸せな日常”でしょう。
眺めていても、「わあ、よかったねー」とか、「おめでとう!」とか、そういった感情でいいねボタンを押すこともあるでしょう。
でも、もしこれが仮に、自分自身のメンタルがどん底!みたいなときに見てしまったら……。
結構つらい、というのはわかる気がします。
でもこれは、本当は、あなたが悩んだり落ち込んだりする必要は全くないんです。
承認欲求の表と裏、ポジティブ面とネガティブ面を知る
ご存知の方も多いお話かと思いますが、人には「基本的な欲求」が5つあります。
これは、アメリカの心理学者のアブラハム・マズローが定義づけたもの。
「人間の欲求の階層は5段階に分けられる」ということでピラミッド型の階層としてあらわしたものになります。
基本的欲求には、一番下の最低限のものとして、食べたい、寝たい、という「生理的欲求」があります。
それから、命を脅かされない安全な場所にいたいという「安全の欲求」。
その上に、社会の一員としてどこかに所属したり、他者からの愛情を得たいという「所属と愛の欲求」。
そして、この上に「承認欲求」、最上階の5つめの階層に「自己実現の欲求」がきます。
SNSでみんなに「いいね」されたいという欲求は、この4番目、上からふたつめの「承認欲求」にあたります。
これは、なにかしらの集団内において、価値ある存在だって言うふうに認められたうえで、尊重されたい、というような欲求でもあります。
まずは、承認欲求を持ち、満たそうとすることのポジティブな面に光を当ててみます。
承認欲求は、名声や地位、立場、もしくは状況を誰かから羨ましがられたり、賞賛されたりすることで満たされるもの。
これが満ちたりる、ということは、他の4つの欲求も自然と叶えやすくなる、といえます。
例えば、美味しい食べ物、飲み物、広くてセンスの良い、綺麗な家。
それから、仕事面での成功や経済的な成功。
それを通して、自分自身の夢を叶えること。
こんなふうに、いろいろなことが連動してきます。
賞賛を求め、受けることが仕事や自分磨きでのモチベーションにつながったり、それで結果を出すことで褒められてさらに頑張れる、そんな良い流れです。
これが、承認欲求のポジティブ面、おもて面です。
では、承認欲求の裏面にあるのは、何なのか。
承認欲求は基本的に「他者、自分以外の誰かからの評価」というもので成り立っています。
ですから、あまりにそこに依存してしまったり、やる気が出る出ないをそれによって左右されてしまうと、どうしても、誰かの基準に振り回されて生きざるを得なくなってしまいます。
自分自身がどう思うか、どうありたいか。
そんな「自分軸」よりも、他人にどう思われるか、という「他人軸」が自分の行動や、生き方の基準になってしまうわけです。
ですから、この〈承認欲求の強さ〉と〈他人軸で生きるか自分軸で生きるか〉という問題、それから〈自尊心の高低〉というのは、かなり密接に連動しています。
もともと、必要以上に承認欲求が高い方は、家族からの愛情を十分に受けられなかったために、評価の基準を他人に求めざるを得なかった、というタイプの方も少なくないと考えられています。
ですから、思ったよりも他人からの評価が受けられなかった、というだけでも、劣等感や不安感に苛まれる、なんていうことも起きがち。
そしてこれは、発信する側だけではなく、「そういった投稿をみてどう感じるか」という〈見る側のこころの在り方〉にも同様に言えることだと思います。
これが、承認欲求の裏面、ネガティブ面です。
こうしたことを理解したうえで、SNSの画面、もう一度、よく見てみてください。
〈演出ありきの投稿〉と〈実像〉は違うことへの想像力を♡
実際のその人の実像、仕事面での活躍ぶり、貢献度などとは違って、SNSにおける承認欲求ということに限って言えば、これは、自分でどのようにも〈演出〉できるものですよね。
むしろ、その演出力や、ストーリーを描く力こそが、発信しているご本人の満足度を左右している、ともいえます。
ですから、もし見ている側の方で、メンタルの持って行き方に悩まれている場合は、こんなふうに考えてみてください。
その発信者さんの投稿に対して……
「すごい、私はこんな世界を持っていない、羨ましい!」という感情ではなく、「とっても素敵な演出をされてるな、頑張っているんだね、素敵だよ!」
そんなふうに思って、投稿を見てみるのは、いかがでしょうか。
つまり、演出された〈投稿の雰囲気〉と、その方の〈実像〉は切り離して考えてみる、ということです。
みんながみんなではないかもしれませんが、一見キラキラした毎日を送っているように見える方であっても、その裏では自分と同じように思い悩んだり、苦しんだり、迷ったり、そんなふうに生きていたりします。
そういったことへの想像力を働かせてみると、いいかもしれません。
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