マガジンのカバー画像

高校教師

13
思い出すと、ちょっと胸が痛むお話しです。 事実を元にしていますが、人物名は全て仮名、固有名詞もフィクションです。 書き出したら長くなりそうなので、マガジンにしました。
運営しているクリエイター

記事一覧

骨折からの帯状疱疹とか体重減少

私のnoteを読んで下さっている皆さま、いつも応援とお祈りをありがとうございます。 2023年12…

リリコイ
7か月前
19

Missing Piece~「高校教師⑫」

陣馬の冬は早い。 静かに降り続いた雪が、今朝は朝陽を浴びて光っている。 時折、雪でしなった…

リリコイ
1年前
11

知らせない時間~「高校教師⑪」

その日は朝から居間に座ってテレビを観ていた。 いや、テレビを観るふりをして、サッシ窓越し…

リリコイ
1年前
10

No Strings Attached無条件の愛~「高校教師⑩」

「学校内ではもう少し慎重にしてくれないと困るよ!」 米倉は、喫茶店の椅子に座るなり語気を…

リリコイ
1年前
10

仮面新学期~~「高校教師⑨」

二学期の教室には、頬杖をつく女生徒が増える。 リリ子も米倉を思い耽ることが多くなったが、…

リリコイ
2年前
8

大人の筋書き~~「高校教師⑧」

リリ子は玄関のドアを開けると、米倉を招き入れた。 前もって、ファミレスから電話を入れてお…

リリコイ
2年前
10

秘密の選択~「高校教師⑦」

冷房を気遣ってくれる米倉に、大人と付き合うとはどういうことかを改めて知った。 返事をしようと横を見ると、米倉の眼差しがすぐそこにあって戸惑った。 それは、米倉の車に乗った時にも感じたことだ。 いや、ロージナで向かい合うようになった時から、次第に縮まる距離を意識しては、学校では見せない顔をお互いが見せ始めていた。 リリ子は米倉に、寒くはないと伝えようとした時に、会場の照明が開演5分前の合図として点滅した。 「さ、始まるぞ!」 米倉はそう言うと、リリ子の腕を少し強く掴んでか

密度~「高校教師⑥」

リリ子は会場の席に身を沈めると、大きく深呼吸をした。 隣りの米倉は、「ハムレット」のプロ…

リリコイ
2年前
13

垣根の向こう側~「高校教師⑤」

リリ子は朝から落ち着かなかった。 夏休みも終盤に差し掛かった頃、米倉から観劇へ招待された…

リリコイ
2年前
22

トルコ桔梗~「高校教師④」

米倉は、妹の入院する病院の駐車場でしばらく考え込んでいた。 先週、妹の主治医から言い渡さ…

リリコイ
2年前
20

ロージナ茶房~「高校教師③」

茹だるような夏休みが始まった。 級友たちは、進学塾の夏季講習でねじりハチマキの毎日を過ご…

リリコイ
2年前
20

視線の先~「高校教師②」

高校は、調布基地に隣接した新設校だった。 基地発着の騒音防止から、全校に二重の強化ガラス…

リリコイ
2年前
23

小論文~「高校教師①」

若気の至りと言うには、あまりに残酷な恋愛をしたことがある。 いや、真面目なお付き合いだっ…

リリコイ
2年前
18