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心がクサクサしたときは、ギュッてしたいし、ギュッてされたい!

ちょっと嫌なことがあって、仕事の疲れも出た金曜の夜。
寝る前に、夫にじゃれつく私。

「ねぇねぇ」

でも、するっと交わされる。

「もう寝なさい!」とぴしゃりと言われた。
部屋を出ていく夫。電気も消される。

「いじわる!ねぇねぇ、お母さんのことなぐさめてや」

横にいた息子に声をかけると、ふわっと息子の手が私の口にあたった。

「わ!そこ口やよ!」
「あれ?頭やと思った」

部屋の中は真っ暗。
息子は私の頭を撫でてくれようとしたらしい。

「ねぇ、ギュウしてよ」
「いいよ」

ぎゅうううううって抱きしめる。
5歳の息子はまだまだ小さい。可愛い。

数秒抱きしめた後、離れてゴロンと横になった。

「ここで寝よっと」

息子は、私と1歳の娘の真ん中に身体を納める。
うつ伏せになって、うずくまる。

「なんか変な気持ちがする」と息子。
「どんな気持ち?」
「ちょっと寂しいような、悲しいような、緊張するような」

母親の、ちょっと暗い気持ちを感じとったせいかもしれない。
もしくは、いよいよ明日に迫った、表現会への緊張があるのかも。

「へぇ、ケンにしては珍しいね」

そう言って、もう一度抱きしめた。
今度は息子の腕が、私を挟むような形になった。

「わ、髪の毛が、髪の毛が」
「あれ?ごめん。お母さんの髪の毛じゃまやね」

息子の顔に私の頭が当たっていたようだ。
頭を少し下げる。

「ふふふ」

二人で笑って、もう一度抱きしめる。

「ちょっと体浮かせてよ」
「なんで?」
「ケンの腕、お母さんの下に潜り込ませるから」

今度は息子のほうから、ぎゅううううって、抱きしめてきた。

「お母さん、ありがと」
「どういたしまして」



心がちょっとクサクサしたときは、
ギュウってしたいし、ギュウってされたいよね。

大人も子どももそれは一緒。
安心するし、ちょっぴり元気にもなれる。
パワーチャージ。

甘えた母親でごめんよ、息子。
ありがと。

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