頭のいい奴ってどんな奴だと思う?
高校生の頃の話だ。
世界史の先生があるとき、授業でこんなことを言った。
「頭のいい奴って、どんな奴だと思う?」
シーンと静まり返る教室。
先生は、誰かが発言するのを待っているわけではなかった。
「それはなぁ。」
40代後半くらいの男の先生だった。もう、名前は忘れてしまったが、この時、先生が話してくれた内容はよく覚えている。
「点と点をつなげて考える事ができる奴だ。」
世界史というのは、世界の歴史を勉強する学問だ。
例えば、ある年にイギリスで起こった出来事を考えてみる。
なんでイギリスでこんなことが起こったか?
それは他の国でこんなことが起きていたから。
イギリスで起こった出来事は点だ。
他の国で起こったことも点だ。
でも、その点と点をつなげて考えると、「どうしてこんな出来事が起こったのか」がわかる。
物事は点だけ見ていてはだめだ。点と点をつなげて考えないといけない。
*
たとえばの話。
ある疑問点や悩みをずーっと抱えていたとする。
ふとしたことをきっかけに、
「あ、あれってこういうことだったのかも」とか
「あの悩みもこれで解決できるかも」とか
気づくことがある。
問題や悩みでなくても、
「本質は一緒かもしれない」とか「あのことにも応用できそうだ」とか
アイデアがピン!と沸くことがある。
それは誰かとの会話からかもしれないし、本を読んで得た情報からかもしれない。
一見、何も関係性がなさそうなことでも、つなげてみると答えが見つかる事ってある。
頭の中で「点と点がつながった」時、視界がパーッと開けてくる感じがある。頭がすっきりしたような感覚がある。
先生が言っていたことってこういうことなのかもなぁ、と思う。
そして、「いま私、ちょっと頭いい奴になってる?」とひとりほくそ笑んでしまうのだ。