ふとしたはずみ

だいたい海の近く、ときどき都会。 いろいろ曲がり角なお年頃。 気ままな身辺雑記です。

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最近の記事

おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #10

実家をたたみ終えて 両親の住み替えを終えて、1年半が経った。 住み替え後の半年ほどは母の体調の波が激しくヒヤヒヤしたが、 今ではすっかり新居での生活にも慣れ、体調に波はありつつも 両親は自立して暮らしている。 あいかわらず父は回遊魚のように連日出歩いているし、 母も体調の良い時はひとりで街中まで気分転換に出かけている。 交通至便な環境のせいか、むしろ以前より活動的になくらいだ。 実家をたたんだからと言ってこれで終わりというわけではない。 両親の体力や機能の衰えと共に介護

    • おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #9

      売却までの道のり 少しでも早く経済的な安心を得られるように、 不用品の処分や引越し準備と並行して 不動産売却に着手した。2月下旬のことだ。 父名義の土地を勝手に売却することはできない。 両親には売却に関する一切の権限を私に委任することを 事前に了承してもらった。 まず、いくつかの不動産一括査定サイトを利用して、 複数の不動産会社(我が家の場合は8社)から 机上査定を取り寄せる。 各社の査定額を一覧表にして、 最高額を付けた会社と最低額を付けた会社を除く。 残りの6社の査

      • おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #8

        引越しとリスク回避 移転先の新居は実家から徒歩15分くらいにあり、生活圏もほぼ重なる。 とはいえ、前述したように長年住み慣れた環境を変えることは 高齢者にとって大きなストレスとなり、認知症を発症するリスクがある と聞く。 一軒家からマンションへの住み替えだ。床面積はこれまでの1/3程度。 設備やレイアウト、すべての勝手が変わる。 普通なら契約後すぐに引っ越すところだろう。 しかし、相手は後期高齢者。 しかも2名だ。 リスク回避のため慣らし期間を2ヶ月ほど設定し、 3月末に

        • おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #7

          物、もの、モノ 実家には複数の大型家具もあるし、物量も多い。 家族が長年暮らしたのだから、当然と言えば当然だ。 家を手放す前提なので、最終的には業者に不用品処理を依頼するしかない。 ただ、多少なりとも物量を減らしておかないと費用に跳ね返る。 そこで、両親には  新居に持って行く必要最低限のもの、大事なものだけを抽出する 残りを「不要なもの」と「判断がつかないもの」にわける 「不要なもの」のうち可能なものは譲渡や売却、寄付を行い、 それ以外は自治体のゴミ回収に出す

          おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #6

          突然、押された背中 何の変化もないまま2022年の師走を迎えた。 両親は体調に波はあるものの、実家で今まで通り自立して生活している。 さいわいにも当たり前の日常が続いていて、 介護や住み替えはどこか他人事だ。 一方の私も時間を見つけては高齢者施設の検索をしているが、 どれも「帯に短し、たすきに長し」でコレと言ったものは 見つけられていなかった。 2025年頃に国民の5人に1人が後期高齢者となると言われている。 当然、受け入れ先となる高齢者施設も混み合うだろう。 介護と住

          おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #6

          おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #5

          今の住まいと次の住まい 一番慎重に行った項目は、実家の扱いと住み替えの意思確認だ。 実家は東京23区内の一軒家。 パッと見は綺麗ではあるけれど、築50年近い家屋である。 床や壁の傷みなど老朽化も著しい。 両親の身体機能がさらに低下すれば、 庭の手入れなどの維持管理が困難になるうえ、 階段や段差が凶器と化すこともありうる。 転職を機に都内を離れ、隣県の郊外に賃貸住まいの私。 実家までは電車で片道2時間。 ときどき両親の顔を見に行く程度なら許容範囲のエリアだ。 車があれば便

          おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #5

          おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #4

          いざ、ヒアリング 両親へのヒアリングは何回かに分けて行った。 両親一緒に聞く項目、個別に聞く項目、 どれも反応を見ながら少しずつ段階を踏みつつ、 答えやすい内容から具体的な内容を確認する。 例えば、加入保険の確認なら 「どこの保険会社を使ってる?」 「どんな保険に入ってるの?」 「保険証書を見せてもらえる?コピーしてもいい?」 といった具合だ。 相続に備えて、ローンなどの債務の有無も確認する。 債務があると、その債務まで相続することになるからだ。 「定年の時に完済してあ

          おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #4

          おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #3

          いよいよ、いざという時の対応をどうするのか(どうしてほしいのか) 両親からヒアリングすることになる。 けれども「死」や「介護」を前提としている話だけに切り出しかたが 難しい。 両親だって兄弟姉妹や友人の訃報に接する機会が多くなっているので、 いずれ自分にも回ってくることはわかっている。 しかし、いざ自分自身の話となると、あまりいい気持ちはしないだろう。 お互いに落ち着いて話し合うために、客観的な数字や事実を混ぜることに した。 期間の目安 厚生労働省の簡易生命表によると、

          おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #3

          おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #2

          両親との距離感を決める ほとんどの親は「子供に迷惑はかけたくない」と口では言うだろう。 私の両親も例に漏れず同じことを口にしていた。 「それなりに対応するくらいは備えてくれているのだろう」なんて 何の根拠もなく私も呑気に構えていた。 余裕があるとは言えないまでも、慎ましくそれなりに両親が生活を 送っていたからだ。 しかし実際は、両親が自立して生活できているからこそ何とかなっている、という方が正しいかもしれない。 「介護」を前提に準備すべきことが明確になったことで、 これま

          おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #2

          おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #1

          おひとりさまのひとりっ子です。 両親(後期高齢者)が元気で自活できているうちに実家をたたみました。 これから検討しようとしている方にとって、少しでも参考となれば。 To Do の洗い出し いつぞやの連休。 数ヶ月ぶりに実家に帰る。 「ただいま〜」 「おかえりなさい。よく帰ってきてくれたわねぇ。」 母の笑顔に迎えられ、あれやこれやお互いに近況を報告する。 当時すでに両親は後期高齢者(80代半ばにさしかかる父と70代後半の母)。 年相応に忘れっぽくなってはいるし、言葉が出

          おひとりさま・ひとりっ子による実家のたたみ方 #1