昼「休み」は昼休み労働
食品工場で働いていたときのこと。
うつ病が寛解してドクターストップ明けの
初めてのお仕事が食品工場のライン作業だった。
仕事の内容も職場の近さも労働条件も特に問題なかった。
仕事上で会話する程度の人間関係もトラブルもなく
なんなら楽しい会話だってしたつもりだった。
・・・
しかし問題は昼休みの過ごし方だった。
私にとって昼休みは営業職の領域だ。
やることが山積みだ。
これはある日の出来事。
キンコーン
悪夢のチャイム。
お昼休みの始まりの合図。
五感をフル回転させながら様子を伺う。
まずは①把握からだ
・全体の人数、本日の欠席者の有無
・グループ相関図及びボスと隠れボス探し
・情報屋と裏切り屋の見極め
・被害者もしくは退職間近の人柄と特徴
把握が済んだら
②自身のキャラの設定、位置付けを
自身の体力と気力と持続可能かの見極めながら
慎重に行わなければならない。
(おっとSDGsだぜ)
③身を固めたところでいざ出陣。
キャラの近く、さらに席が空いている場所に
座らねばならない。
さらなる難関の④営業トークに関しては
地獄でしかない。
比較的話しやすいタイプの
お菓子配り屋は全てのグループに渡り歩き1クールの会話を挟むので
現場待機メンバーのメインの会話役にはならないことに注意。
そして比較的話しやすい大人しそうなタイプは
次回ターゲットにされる未来の被害者
もしくは裏切り屋の可能性が高いのだ。
危うい。
少し性格の悪そうな気の強い人、イエス
これが正解だ。
顔は性格そのものだ。
攻撃を受けるリスクを負ってでも
自身より少し強い人へのアプローチが生き残る秘訣だ。
ようやく顧客が決まった。
さて営業スタート。
しかし地雷を踏んだのだ。
毎週空いているかと思いきや
この1ヶ月は親の介護施設を探しに4回ほど
午前休をとった人が戻ってきたのである。
そしてそいつは隠れボス。
ボスと仲良しでありつつ情報屋かつ
見えないところで悪巧みだ。
近づいては危ない。
だから今回の座ってしまった案件は短期プロジェクトとして処理しつつ、
今後の方針をさらに詰めていく必要がある。
そんなことを思ったお昼休みという名の労働だった。