繊細の王様 ポップミュージックは何故かくも明るいのか
イギリスにXTCというバンドがいる(いた)。
フロントマンは、アンディ・パートリッジという。もうすっかり禿げてしまった。
この人は、ライブ恐怖症という理由から
長らく舞台で人前に立つ事がない。
では、とても陰鬱な曲ばかりか?
と言うと、まるで逆で
ポップの極みのような素晴らしい曲を沢山描いている。おまけに歌詞は捻りまくっている。
エルトン・ジョンの顔にポール・マッカートニーの才能が乗っかったような男
アンディ・パートリッジの人生は
踏んだり蹴ったりのようだ。
おまけに最近はどうもコロナにも罹ったらしい。
この人がつくった歌が、何故こうも明るいのか?
彼は悩んでいないのか?
いや、そうではあるまい
抱えきれないほどの人生の課題を背負った人が、
それらを手放そうとしてふと感じる身軽さ
あるいはせめて迂回しようと画策する浅はかさ
それが私なんだ(文句あるか)という居直り
これらが一体になって、ポップに昇華される
それはロックではなく、ポップである必要がある。必然、完璧であろうとする。
ポップスターはかなしい(エルトン・ジョンを見よ)。自分という人間は解散できない。
おどけた繊細な王様になるのだ。
がんばれ アンディ・パートリッジ
がんばらないようにがんばれ 繊細さん
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