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春のような温かさがいつもある学校に… 時には迷わず あなたの花を閉じなさい 〜心の宝物205

🌷彼女の行動律


山に囲まれた小さな学校
5年生の彼女は、何事にも懸命に取り組む人でした。挨拶に、掃除に、授業中の挙手に。周囲の状況が厳しいときでも、その姿は揺るぎません。

学校で一日を生活すること、のみならず、朝起きてから、夜眠りに着くまで、すなわち、人生を生きる一瞬一瞬が選択の連続であることを、折に触れ話すようにしていました。

選択なので当然迷うこと、迷ってよいこと。迷った結果まちがうことも大切な経験であること。迷ったときに、それが「自分や仲間の笑顔や成長を支えるか、損なうか」を考えることは、一つの尺度となりえること。そうして、後者を、面倒でも、値打ちある方向を選びとることを、「よき選択」という言葉で共有しました。全校に、同じ願いで、同じ言葉で語りました。先生方のフォローのおかげで、1年生も1年生なりに、日常を通して理解してくれていました。

彼女は彼女なりの理解で「よき選択」を自分の行動律にしてくれているようでした。

🌷時には迷わず、あなたの花を閉じなさい


運動会では、周囲が驚くほどの大きな返事でコールに応えました。授業で、誰一人手が上がらないような場面でも、迷わず挙手します。ノートには、丁寧な文字で学びの足跡が美しく記されています。

人間関係は決して器用に立ち回るタイプではなく、むしろ不器用でした。慌てず騒がず、どんなことにも手を抜かない。小学生ながら「愚直」という言葉が似つかわしい人でした。

そんな彼女の強靭な選択を、心から賞賛し、このとき伝えました。
しかし、それで終始しないように気をつけなければならないことも密かに決意していました。

賞賛が「条件付き承認」になってしまうことを恐れました。ほめることが彼女の枷になり、生き方を硬直させてしまうこと、その硬直を彼女自身が許せず、ジレンマや自己否定に陥る可能性がありえることを必ず心に置かなければならないことを先生方と話しました。

この後も、彼女はよき選択を積み重ね、6年生になって推されて代表委員長となります。
持ち前の行動力で全校児童の信頼を集め、春のような温かい学校を実現する原動力となりました。

卒業間際、あえて彼女にこう告げました。
「時には迷わずあなたの花を閉じなさい」

詳細はもう少し後に触れたいと思います。

このときは、彼女の強い意志とよき選択に、心から敬意をお伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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