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春のような温かさがいつもある学校に… 自分で決めたゴールに向かって 〜心の宝物129

🌷上げた視線の優しさと強さ


コロナ機の学校
4年生の教室は今朝もにぎやかでした。もうすぐ朝の会の定刻。「はじまるよ」と声をかける子はいるものの、まだまだ自分事ではないようです。

司会を担当する子がおずおずと前に出ました。しかし、大半の子は、まだおしゃべりに興じています。

そんな中でも、姿勢を正し、優しく強い視線を、前に立って所在無げな仲間に向けている子は確かにいます。その中の一人が彼女でした。

🌷自分で決めたゴールに向かって


元気な学級にあって、彼女は決して口数多く前に出るタイプではありません。しかし、その意志の強靭さはいろいろなところで表れていました。一人で担当する人目のない掃除場所を、気持ちも手も緩めず黙々と取り組んでいます。給食当番も、広い目配りで、自分の担当を終えた後も、仲間の仕事を手伝いながら、早く、安全で、確実な配膳を、静かに、しかし力強く支えていました。

市内のクラブで水泳を学んでいて、選手として精進を続けています。この年は中止していましたが、翌年再開した水泳授業では、見事なフォームのクロールを見せてくれました。
それらを通して、決して誇ることがありませんでした。

そんな彼女の頑張りを、お父様にお伝えしたことがありました。喜びと共に、少し頑張りすぎていないか心配だともお話ししました。
お父様は、私が若い日、勤務した学校のサッカー部のエースでした。
「大丈夫ですよ。家ではずいぶんブラックですから。そこは私がしっかり引き受けています」
かつては精悍で強靭なフォワードでしたが、今は堅実なゴールキーパーのようです。少しふっくらした苦笑いは、頼もしく優しい父親のそれでした。

あなたの判断力、決断力と粘り強さがどこから来ているのか、わかった気がします。どうかこれからも、自分で決めたゴールに向かって、全力で、水を切ってください。ボールをけり込んでください。
みんながあなたを支えていますよ。でも、休みながらでもいいからね。

そんな思いで、お伝えしました。

かけがえのないあなたへ。
素敵なきらめきをありがとう。
出会ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
どうか、ありのままで。
どうか、幸せで。

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