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春のような温かさがいつもある学校に… その人の心に火を灯す君の選択は君の力に他ならない心の宝物174

🌷朝の廊下で


コロナ機の学校
朝の会の時間、校内を巡っていました。4年生の教室前の廊下で、小さな小さな綿ゴミを見つけました。ほとんど無意識に摘まみ上げました。直後、教室の中から、小さく「ありがとうございます」という声がかかりました。

開け放しの教室の後ろのドアから、最後列の席の彼が、神妙な面持ちで私を見ていました。続けて、
「僕にください」
そう言って、私の拾った綿ゴミを受け取ろうと、手を差し伸ばしてくれました。

「とんでもないことです。でもありがとう」
彼にお礼をお伝えはしましたが、朝の会の最中でもあり、申し出は固辞してポケットに入れました。そのまま歩みを進めましたが、心の中は温かい気持ちでいっぱいでした。

🌷その人の心に火を灯す君の選択は君の力に他ならない


彼の言動は、決して意外ではありませんでした。決して争わず、誰に対しても穏やかに、丁寧に接することができる。イラストが得意で繊細な人ですが、心の強靭さに支えられた優しさは、教室や休み時間の様子、時折交わす他愛ないおしゃべりを通じて、よく感じ取ることができました。

たまたま校長が廊下を通った。たまたまそのときにゴミを拾った、たまたまそれを目撃した。全て自分と直接に関わりはなく、そのまま見過ごせば、何事もなく過ぎていく。
朝の会に集中し、全ての「たまたま」が、全く眼中に入らなくてもそれはごく普通のこと。

しかし、君の優しさのアンテナは、私を捉えてしまった。私がさりげなく、小さな綿ゴミをつまみ上げた姿を捉えてしまった。
「どうしようか」
ほんの一瞬の逡巡や葛藤は、それはあっただろう。
しかし、ほとんど「迷いなく」と言えるほどの瞬間だっただろう。
私の些細な行動に、最大の善意を伝える行動を選び取ってくれた。

そんなあなたの優しさは、勇気は、強靭さは、伝えてくれた敬意は、君の6倍も長く生きている男の心を揺さぶり、火を灯してくれた。
君に感謝する。君を尊敬する。ありがとう。

そんな思いで、お伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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