![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154495600/rectangle_large_type_2_2216ff03014a2bbb8f5bb5e23065f80b.jpg?width=1200)
春のような温かさがいつもある学校に… ぼくがかわる だって だいじなことだから 〜心の宝物271
🌷朝の会で
コロナ機の学校
12月に入り、冬らしく冷え込む日が増えてきました。木々はすっかり葉を落とし、遊具にも真っ白く霜が降りる朝が続いています。
寒さが増すにつれ、体調を崩す児童が増えてきます。消毒等防疫行動が習慣化しているので、例年猛威を振るうインフルエンザは皆無でした。しかし、鼻水や体のだるさ、微熱等風邪の症状を訴える子は入れ代わり立ち代わり現れました。
同居家族も含め、そうした症状を示した子には自宅待機及び受診、検査をお願いしていました。間もなく冬休みでしたが、とにかく件のウイルスを学校に侵入させまいと、緊張感を緩めることはありませんでした。
いきおい、朝の会の係活動となっている「健康観察」に対する子どもたちの捉えも、コロナ以前と比較すると、非常に重く、真剣なものになっていました。
自他の命への関心の高まりは、コロナ機に深まった学びの一つでした。
ここ2年生の教室で、今朝も、健康観察が行われようとしていました。
🌷ぼくがかわる だいじなことだから…
このクラスでは、健康観察は「ほけんがかり」の仕事でした。ところが、この日は、肝心のその子が風邪症状で自宅待機となってしまい、登校していませんでした。
担任の先生は、そのことを学級の児童に伝え、「今日は先生が変わります」と伝えて、チェック表を手に取ります。
そのときでした。
「ぼくがかわります」と言って彼が席を立ち、進み出てきました。
外遊びが大好きで活動的な彼ですが、口数は多い方ではありませんでした。大柄で、日焼けした精悍な風貌と相まって、2年生ながら独特の存在感と迫力がありました。しかし、力任せに自分の思いを通そうとするようなところは少しもありません。
登校の坂道のはるか下から大きな挨拶を届けてくれたり、掃除では、仲間が苦労する思い机を軽々と運んだりと、気づきを実行する行動力を発揮し、仲間から信頼されていました。
「ありがとう。どうして代わってくれようと思ったの」担任の先生が尋ねました。
「だいじなことだから…」彼はにこりともせずにそう答え、先生からチェック表を受け取ると、
「○○○○さん」と、一人一人の顔を見ながらフルネームを読み上げ、
「はい。元気です」という返事と、ハンカチの所持を確認していきました。
「わたし、とっても感動しました!」
その日の放課後、担任の先生が最高の笑顔で教えてくださいました。
「だいじなことだから」
あなたのこの一言に、今、わたしたちが置かれている状況の厳しさが込められている。
同時に、この状況から学び、その厳しさを逆に生かして、心を広げるためのヒントも、君の言葉は教えてくれている。
欠席した仲間の仕事を自ら進んで引き受ける。これだけでも十分に立派なことだ。
あなたの中には、もっと強い思いがあったのだと思う。
その仕事の重みと値打ちを理解し、これは自分たちが、自分がしなければならないことだという決意が、コロナ機を、より安全に、より心豊かに生き抜こうとする決意と覚悟が、あなたの中に確かに根付いていたに違いない。
コロナ機をみんなで生きる。コロナ機だからこそ得られる学びを逃さない。
そんな学校をみんなでつくっていこう。
今日君が示してくれたように、私も生きていこうと思う。
そんな思いでお伝えしました。
かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで