ポジティブのエッセイ 前編:「存在してはならない感情」
雨の日は少し苦手だ。
雨が降ると、せっかくネガティブな思考の坩堝に陥っていても、水を差された気分になってしまう。鬱屈の原因はただの雨と低気圧で、悪天候に影響されているだけの馬鹿みたいに思えてしまうのだ。違う、違う、僕の感情は決して不随意なものじゃない。このもやもやとした厭世感は、深刻で、退廃的で、堂々と陽の下を歩いている健常者どもには理解できない心の闇に根差していて……。
みたいなことを言ったら苦笑いされるだろうか。冗談として流され、明るい話題へ軌道修正されるのが関の山だろ