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料理家さんのエッセイに想う

レストランのシェフを経て料理家になった高山なおみさんのエッセイ集。どの短編にも料理が出てくる。

あらためて料理ってあたたかいな~と思う。料理を作ろうと思うところから、キッチンに立って調理の工程での音や湯気、食材の旨みが引き出されていく良いにおい。全部あったかい。

楽しいときも嬉しいときも、やめるときもすこやかなるときも、料理の存在ってかなりの頻度で隣り合わせな気がした。

本に出てきた手の込んだ料理や、レストランシェフの経験ならではのレシピ集が本の最後にある。人生のさまざまな場面でどんな料理を考えてきたのかが伝わる本で、高山さんならではの料理家としての信念が伝わってきた。

ていねいで、細やかで、工夫を凝らした料理を作れるって本当にすごい。憧れるけど、私からするとこれは芸術に等しい。そんな中でも「ヨーグルトをぶっかけたシリアル」「ぶつ切りの明太子と輪切りの入ったタッパー」というのはすんなりイメージできたし、この描写にもちゃんと料理としての愛が入ってるんだな~と思った。

登場人物の気持ちに寄り添う料理の時間にものすごく癒された。料理って、誰かを想ってつくったものが五感に届いていくよね。料理家さんならではのエッセイ、私には新鮮ですごくよかった。


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