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ていねいな『文書大全』に想う
雑な文章を、ていねいな文章に。と書かれた帯を読んで緊張してしまった。ことごとく自分の間違った文書の書き方を指摘され、落ち込んでしまうと思ったから。
しかしこの本を読み進めていくと、とてもやさしい本だと思った。読み手を想うとは具体的にどういうことなのか、届けたい気持ちがスムーズに伝わる技術を学びながら、文書をたいせつにする本だった。
いつでも誰でも発信できる時代だからといって、何でもかんでも垂れ流し、いつまでもアップデートしないままの文書を通じてコミュニケーションを続けることは無責任だ。
読み手を想うことは、ていねいであること。文書にも空気があり、それを整えていく作業を諦めるのはもったいないことだと感じた。
文章で好感度は作ることができる。文書でTPOをわきまえない人だと感じられたら、チャンスを逃してしまう。
そして、本当の気持ちがどこにあるのかもすごく大事。文章を通じてどんな行動をしてほしいのかを伝えるために、まず相手の立場で具体策を考える必要がある。配慮のある文書を書くためには、読み手の立場でどんな気持ちになるか想像できる人でなければならない。
文書には人柄が現れてしまう。この本は、今までの文書を通じて自分がどんな印象を与えていたかをまず認識し、技術を学ぶことで文書を通じて自分をアップデートすることにつながるものだった。
この本を読んで、間違って使っていた言葉や言い回しも多く、調べることを怠っていたことに気づいた。厚さ 4cmにも関わらず、ほぉ、へぇ!!え!?と言いながらあっという間に読み切った。勉強が面白いと思う時の感覚がよみがえった。文書辞典として机の上に設置した。まずは自分の文章を変えることで社内チャットの雰囲気もより良くなる気がする。
最後に、実はこの本を読みながら1つだけ安心したことがあった。
それは、私が本を読んできたということ。
正確な日本語でわかりやすい文書を書くことはできていないが、間違った例の文章や言葉遣い、わかりづらい言い回しを読んだ時に、ちゃんと違和感があったのだ。
編集者を経由して出版された本は、正しい日本語で、伝わりやすい文書でできている。ずっと本を読んできた私を褒めてあげたい。
改めて。
ぜひみなさんも、本を一緒に読みましょう。
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