蜂蜜と遠雷 に想う
3年ごとに開催されるピアノコンクールを舞台に音楽を描き切った青春群像小説。って、この映画見たことあったんだった。でも全然印象が違った。
音楽家をテーマにした映像は好きでよく見るんだけど、音楽が流れない小説って、なんてうつくしいんだろう・・。
びっくりした。芸術に触れた感覚が残った。
装丁のうつくしさはこれを物語っているのかなぁ。
映像で音楽が流れると全部それに感情が持っていかれる。
それはそれでいいけど、音楽が流れない小説の描写は響くところが全然違う。
音楽の世界って本当に感性。研ぎ澄まされるところまで追い込まれる世界。
「天才」と表現される特定の人は、誰かが目を付けたからに過ぎないって思ってしまう。
もっと自由で良いと思うけど、やっぱり音を表現できる天命みたいなものはあるっぽい。
コンクールで勝ち抜く意義、音楽を取り戻すこと、
好きを貫きたい気持ち、音を聴けばわかってしまう誰かのこと、
家庭環境、劣等感、悔しさ、悲しさを無視できない日々に
幻想を見るように光を見つけていくコンテスタントは、みんな凛としていた。
神に選ばれるかどうかはわからないけど、
ピアノは、弾く人を選んでいると思う。
やっぱり誰でも弾き続けることができるわけじゃない。
その才能はとてもうつくしく、大切に守られる価値がある。
音楽家の才能は受け継がれるし、一緒に連弾した時間はかけがえのない宝物。
久しぶりに本物のピアノの音を聴きたい気持ちでいっぱいです。
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