ノスタルジーを補給したい
少し秋めいてきた季節の影響なのか、「ノスタルジー」に心が反応します。
マクドナルドのCM
月見バーガー 父と娘「わかってるよ編」
最後のキャッチフレーズが、また良いんです。
・・・ じ ん わ り ・・・
心の温度が上がる感覚がします。
この記事では、ノスタルジーの原理とその恩恵について考えてみました。
01 | ノスタルジーを感じる
”なつかし~”の気持ち。
何かのきっかけによって、過去の思い出が回想され、じんわりと幸福感をもたらしてくれる感覚ですね。
(ドーパミン的幸せ)
コトバンクの定義も参考に、ノスタルジーが成立するには、
「過去のポジティブな感情や思い出」
+
「空白の時間」
+
「呼び起こすトリガー」
が必要だと考察します。
■過去のポジティブな感情や思い出
ノスタルジーが脳裏に呼び起こす情景は「ビタースイート」で「セピア」感あるものが多いようです。
✓ 小学校の校舎や遊具(ブランコなど)
✓ 昭和感ただよう街並み など。
こういった情景を思い返すことで、自分を主役とした過去肯定の感情を呼び起こしていると言われています。
✓ 小学校の校舎や遊具
→ 無邪気に楽しく遊んだ(学んだ)幼少期の気持ちを想起
✓ 昭和感ただよう街並み
→ なじみ深い町との共通点で、心理的安全性(心地よさ)を体感
などなど。
「感傷」という感情は、「信頼」と「悲しみ」の混合感情と言われています。
「信頼」はポジティブな感情
「悲しみ」はネガティブな感情
このポジ+ネガ2つの感情が混じりあうとは、どういうことなのか。
それは「03| ノスタルジーと感傷」にて、まとめることにします。
■空白の時間
ノスタルジーには、時間的空白も必要となります。
ノスタルジーが連れてくる「過去のポジティブな感情や思い出」に触れていない時間のことです。
この空白の時間が長ければ長いほど、”なつかし~”の気持ちは強くなると言われています。
小学生だった頃の記憶や当時見ていたアニメに触れると、強度強めな”なつかしー!”のドーパミンを味わえるのはそのせいでしょう。
私の場合ですと、セーラームーン最強説あります。(萌え)
■呼び起こすトリガー
最後の要素である「トリガー」
ノスタルジーを喚起するきっかけとなるものです。
✓ 昔好きだった曲を聴いた
✓ 昔の写真や映像に触れた
✓ 旧友と会った
✓ 久しぶりに里帰りをした
こういったトリガーに触れたのちに、自身の中で”既知感”の探索が始まり、ヒットした思い出や感情が連鎖して召喚されるのだと思います。
02 | ノスタルジーの恩恵
では、ノスタルジーによってじんわりとした幸福感を得られるのはなぜか。
こちらを参考に、思考していきます。
(ノスタルジーを詳しく学べる良書です)
こちらでは、個人的ノスタルジーと社会的ノスタルジーに分けて解説がされています。
今回の記事で扱ってきたのは、「個人的ノスタルジー」
個人的ノスタルジーとは、過去の個人的な経験に基づいて懐かしさを感じることです。
本書では、個人的ノスタルジー = 心的タイムトラベル
と定義しています。
個人的ノスタルジーの恩恵で代表的なものをまとめてみます。
✓ 孤独感を低減 → 対人関係の絆意識が高まる
✓ ネガティブな事柄 → 心理的回復力(レジリエンス)を強める
✓ 退屈気分 → 人生の意味深さを考える時間に変換される
✓ 寒い日 → 室温を高く感じるようになる
上記の太字部分は、ネガティブな事柄です。
それらがノスタルジーによって、ポジティブに変換されています。
\ ネガティブの解毒剤 /
ただし留意が必要なのは、もともとネガティブ思考が強い方は、ノスタルジーによってネガティブ反芻状態となり、抑うつ傾向がより強くなる結果もあるようです。
ノスタルジー万能説とはいかないようですね。
03| ノスタルジーと感傷
ノスタルジーで想起される「感傷」という感情は、「信頼(ポジ)」と「悲しみ(ネガ)」の混合感情でした。
センチメンタルな印象がある感情ですが、今回の考察によって印象が変わりました。
これは個人的解釈となりますが、
感傷という感情は、過去の振り返りによって「自分で自分をなぐさめている」敏感な状態ではないでしょうか。
【悲しみ】孤独や自己否認:『うまく行かない自分は無価値だ』
⇓
【信頼】繋がりや自己肯定:『過去の幸せな思い出の延長に現在がある』
「過去の思い出の宝たち」を触媒にして、現在の自己否認を自己肯定に昇華させる過程の感情が感傷であると考えるに至りました。
【悲しみ】から抜け出せない感覚になったときには
【信頼】までたどりつくように
ノスタルジーを補給して、その恩恵を使ったアプローチが有効かもしれません。
機会を見つけて、自己検証していこうと思います。
■あとがき
最近、子どもに「さわやか3組」の動画をyoutubeで見せました。
♬サン、サン、サン、さわやか3組~♬ のあれです。
(同世代へ伝われっ)
こちらも強度強めのノスタルジーで、子ども”そっちのけ”でドーパミンの高揚感を堪能できました。
きっと同世代の皆様の脳内では、あの曲が無限リピートし始めたことでしょう。ふふふ
ところで、冒頭に触れたマクドナルドのCMからも分かるように、ノスタルジーは、商業的に利用されることも多いですね。
長くなりましたので、次回考察していこうと思います。
よろしければ、またお付き合いくださいませ。
最後までお目通しいただき、ありがとうございました。