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ネガティブ感情を伝える


感情を我慢していませんか?


社会的な大人のふるまいとして、感情的な態度はネガティブな印象かもしれませんね。

私自身も、男性が多い業界に身を置いているからなのか、
感情 <<<<< 理性!!!
という立場を取ってきました。

ただ、心理学を学ぶようになり、感情の素晴らしさを知りました。
感情を効果的に伝えることができれば、相手に安心感や暖かさを与えたり、共感を呼ぶなど前向きなコミュニケーションが取れるようになります。

一方で、ネガティブ感情に操られて間違った使い方をしてしまったばかりに、人生が壊れるなど大変危険な側面もあるのが感情のやっかいなところ。

ネガティブな感情はみな等しく備わっています。なぜなら、生命の危険を察知するためにネガティブな感情は必要だから。
お腹が空いて不快に感じるのは、飢餓による生命の危機を防止するため。

ネガティブ感情は生きていくために必要なものですが、ネガティブ感情の対処には、正しい知識が必要です。

アンミカさんのようなポジティブモンスターは、ネガティブを解毒してポジティブな行動や発言に変換する方法を知っているのです。
(アンミカさん大好き)

前回は、ネガティブ感情で誤った表現を行わないために「感情で言葉を作らない」
そして、感情に言葉をあてはめる「感情ラベリング」を考えました。

コミュニケーションの場面では、感情ラベリングの次は、”必要であれば”相手に感情を伝えるという段階となります。”必要であれば”が、ポイントです。

この記事は、「感情が制御できない原因」「ネガティブ感情を伝える」として考察します。

▶この記事を書いた人

1)感情が制御できない原因


感情と自分を切り離すための具体的な方法や意義は、以前記事にしました。

では、そもそも感情をうまく扱えなくなるのはなぜでしょうか。

■アクティングアウト

アクティングアウトとは、感情を冷静に言語化できず、衝動的に行動に変換することを言います。(心理学用語)

怒りの感情で言葉を作って、人を攻撃することもアクティングアウトの一種。感情を後先考えずにストレートに行動化することを続けていると、それが癖となってしまいます。

では、なぜアクティングアウトが起きるのか。
それは、感情を自身のココロで受け止めることができないからと言われています。感情を抑制して無かったことにすることでなく、受け止めるです。

『心の器』とも表現されますが、あらゆる感情を自身で抱えるためには丈夫な心の器が必要です。
心の器がもろい状態だと、感情が器に収まらず、溢れてしまいます。
この状態では、感情に直面することが出来ず、感情を回避する目的でアクティングアウト(行動化)していると考えられています。

前回からの一連の考察は、このアクティングアウトから脱して、内省で感情を扱えるようになるためのアプローチです。

感情調節障がい(情動調節障がい)

感情が制御できない原因として、感情調節の重度な困難さを抱えている場合、感情調節障がいの可能性も考慮すべきです。

感情調節障害の症状は、極度に涙もろくなる、怒りが爆発する、あるいは物を破壊したり投げつけたりするなど、行動の爆発、自己または他者に対する攻撃性、自殺すると脅すなどである。
注意欠如多動性障害、自閉症スペクトラム障害、双極性障害など精神疾患のある人にみられることがある。

Wikipedia抜粋

幼少期の人間形成の段階で、自分の感情体験にラベリングしてくれる養育者がいなかった場合や、感情を出したが故に虐待された経験がある場合に陥ってしまう症状です。

感情調節障がいは、専門の治療を必要としますので、今回の考察では対象外として考えています。

2)ネガティブ感情を伝える


感情のアクティングアウトを回避し、受け止めてラベリングすることができた場合、次のステップは”必要であれば”相手に感情を伝えるとなります。

ネガティブ感情を効果的に伝えることができれば、自分の主張を理解してもらったり、相手とポジティブにつながることができるようになります。

事例として、アクティングアウトとの違いを見ていきます。

①主張を補強する(パートナーに家事の不満を伝える場合)

  • (主張)私はあなたを大切に思っているし、お互いに協力していきたい。

  • (事実)食べたあとの食器を食卓に置きっぱなしにされている日が多くなった。

  • (感情)正直、置きっぱなしの食器を見るたびに大切にされていないようで悲しくなるの。

▶(アクティングアウト)
  食べたあとの食器を洗うぐらい、なんで出来ないの!?

②相手とポジティブにつながる(帰宅が遅い子に向けて)

  • (感情)最近、帰りが遅いから体調も心配だ。

  • (事実)寝るのも遅くなっているから朝が起きれなくて、朝ごはんの量も減ったでしょう。

  • (主張)たまには、家族とゆっくり話しながらご飯食べない?

▶(アクティングアウト)
  こんな遅くまで何していたの!?

③自身のココロのバランスを取る(挫折の経験に対して)

  • (事実)試験に落ちたのは、頑張りが足りなかったところもある。

  • (感情)今回ダメだったことは悔しいし、傷ついている。

  • (主張)前向きに励ましてくれるのはありがたいが、しばらく一人で考えていいかな。

▶(アクティングアウト)
  うるさいよ、放っておいてよ!

いかがでしょう。
ネガティブ感情を伝えることによって、ココロの交流ができること
を実感いただけると幸いです。
一方で、ネガティブ感情で非難する言葉を作ったアクティングアウトではどうでしょうか。
相手から反発が起きることがたやすく想像できます…。

素直に対等に冷静に感情と主張を伝えることで、相手を嫌な気持ちにさせずに済みます。
また、自分自身も状況や感情を打ち明けられたことに対して、満足感を得るのではないでしょうか。

『アクティングアウトを手放して、素直に対等に冷静に感情を伝える』
これが出来るようになると、多くのコミュニケーションエラーは回避できると考えています。

最後に、”自身のココロのバランスを取る”ことについて、補足します。
これは、失感情症とも関係すると言われています。

失感情症とは感情を失うわけではなく、感情をうまく出せなくなること
感情は無くなっていないので、ネガティブ感情を表に出せずに、本能的に別のことで気分を解消しようします。
その結果、摂食障害や依存症、心身症やうつ病に発展することがあります。

感情を効果的に表に出すことは、自身の健やかな生活にとっても必要なことなのです。

■あとがき


質の良いコミュニケーションのために、ネガティブ感情を伝える視点で深堀りしました。
一方で、冒頭に記したとおり”必要であれば”相手に感情を伝えるとして、反対に、ネガティブ感情を伝える必要がない場合も考察する予定でしたが、今回は辿りつかず…。無念。

また次回に考察していきます。
よろしければ、またお付き合いくださいませ。

最後までお目通しいただき、ありがとうございました。

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