「性はグラデーション」の祖?第三の性ヒジュラー
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私はコルカタ の街角でヒジュラー を見かけると、すすんで「祝福 」を頂くようにしている。
彼らを避けるインド人も多い。ヒジュラーからお金を巻き上げられた経験や、汚らわしい特異な一味だと思っている人も多いからだ。
幸い、私はヒジュラーを嫌いになるような出来事は、今のところない。
ヒジュラー?
ヒジュラーは男性でも女性でもない「第三の性 」をもつ人と言われる。大抵はインド人女性と同じ服装をしているが、胸板や骨格が女性ではない…というところで気付いたりする。
セレナ・ナンダ によると、ヒジュラ―の定義はこんな感じだ。
1.慶事を執り行う者(半陰陽 か、去勢 した男性)
2.女性のアイデンティティをもっている
3.性的不能
そして、彼らは、ヒジュラーのコミュニティーに所属している。
私が「日本では生まれつき半陰陽の人なんていないよ」と、言うと、インド人の同僚がハハッと笑って「それは生れた時に手術するから、知らないだけだよ」と、言った。
最近、日本でもインターセックス 、性はグラデーションというフレーズを目にするようになった。このフレーズを見るたびに、自分の世間知らず な発言を思い出す。
ヒジュラーは、その身でこの世に生き、苦行を重ねているため、とても強いパワー(シャクティ)を持っていると畏れられている。
だから、彼女たちからの「祝福」は、とっても強力。
そして、ヒジュラーを見ていると、ひとつの神像を思い出す。アルダナーリーシュヴァラと呼ばれる神様だ。
その姿は変わっていて、右半身が男性シヴァ神。左半身が妻のパールヴァティー女神でという姿。
神様も男女1対で完全となる…ということを表しているそうだ。
じゃあ、ヒジュラーは?
ヒジュラーこそ、男性性も女性性も兼ね備えた存在。神様に一歩近いパワーを持っている。
ヒジュラーの存在は
男性か女性かの二択にはまらない未熟な存在か?
いや、両方をそろえる完全な存在か?
…と、終わりなく、ぐるぐる考えさせられる。
半陰陽で生れてきた時。
性別を固定できる手術を受けられる幸せもあるだろうが、どちらでもない、そのままで生きられるコミュニティーが、紀元前から社会システムに存在するインドって、すごいなぁ…。
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