【フェムテック】今急成長中のフェムテック市場・フェムケア&フェムテックの市場規模
最近「フェムテック」という言葉をよく聞くようになりました。フェムテックとは、女性のお悩みを解決する商品やサービスのことです。
今回はフェムテックの概要や注目される背景、市場としての成長性なども解説していきます。
フェムテックとは
フェムテックとは、「Female（女性）」と「Technology（技術）」を掛け合わせた造語です。学会などで明確に定められていませんが、フェムテック協会においては以下7つの領域を対象としてます。
・月経、生理の悩み
・不妊・妊活
・ウェルネス（女性特有疾患）
・セクシャルウェルネス
・女性のメンタルヘルス
・妊娠・産後
・女性の更年期
これら7つの領域における健康課題を解決する商品やサービスが、フェムテックと呼ばれるものです。
女性の辛い状況を周囲に伝えやすくなるように改善する動きや、女性の活躍を推進する動きも含め、フェムテックと呼ぶことがあります。日本においても、ここ2～3年で大きな盛り上がりを見せています。
フェムテック市場の規模
フェムテック市場の規模は2019年に18.75億ドルになり、積極的に投資が行われるようになりました。特に医療系のスタートアップがどんどん誕生しはじめたのが、このころです。2020年になると、フェムテックを代表するスタートアップが世界でも数多く登場し、産後のケアやセクシャルウェルネス（身体的・精神的・感情的・社会的な観点から見て、性に対して健やかであること）などのジャンルの規模が大きくなっていきました。
2027年に市場規模は2019年の3.2倍、2037年までには400億ドルを超えるといわれています。
株式会社矢野経済研究所
矢野経済研究所のデータによると、日本のフェムテックの市場規模は2019年で約574億円、2021年で約635億円ということです。そして、2025年には2兆円規模になると予想されています。
「フェムテック」が注目されるようになったのはなぜ？
日本におけるフェムテックの注目度向上には、いくつかの要素が影響しています。
新型コロナウイルス感染症の影響
気軽に病院に行けなくなり、自身の健康状態を見直す機会が増えたことで、フェムテックへの関心が高まってきたと言われています。
フェムテックのアイテム、吸水ショーツは以前から日本に存在していましたが、多忙な女性にはなかなか利用されていませんでした。
しかし、リモートワークの普及により、吸水ショーツの利用機会が増え、これがフェムテック普及の大きなきっかけとなったとされています。
色々な企業がフェムテック領域に参入
日本では2020年をフェムテック元年と称し、吸水ショーツが火付け役となりました。
その後、ベンチャー企業が次々と登場し、2021年以降、大企業も積極的に参入し始めました。
その中でもユニクロの参入は大きな話題となりました。
また、GUやスリーコインズなどでフェムテック商品が取り扱われ、2022年にはイオンがフェムテック専門店「byeASU（バイアス）」を開設したことで、日常品を購入する場で手軽にフェムテック商品を入手できるようになりました。
これが社会への大きなインパクトとなったとされています。
ジェンダーに対する意識の変化
SDGsの普及に伴い、その一つである「ジェンダー平等を実現しよう」の一環として、フェムテック事業の推進が見られるようになってきました。
さらに、2021年の流行語大賞にフェムテックのノミネートや、日経トレンディがフェムテックギアという言葉を取り上げたことも、これらのムーブメントを後押しする要因となりました。
フェムテックの今後の課題
プライバシー保護
性別という大変センシティブな悩みを取り扱う特性上、情報の漏洩によって心に深い傷を負ってしまう方が現れる事も考えられます。
そのため、プライバシーの保証は大きな課題と言えそうです。
フェムテックという名前
そもそも「フェムテック」という名前が「Female」＝「女性」を現すとして、トランスジェンダーの排除と捉えられてしまうのでは？という指摘の声も出て来ています。
男女二元論とつながる事を不安視する見方もあり、どのような位置づけで広まって行くか、広めて行くかも課題になりそうです。
社会的な受容
社会的な受容性が低い事で、事業として活発化する機会が減ってしまいます。
商品の品質の安全性や、信頼性の明確な基準が確立するまでは、起業家からの投資を受けづらいからです。
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