一時帰国中に読んだ本20冊を紹介します
日本に一時帰国中、心ゆくまで読書を楽しんでおります。ということで私が読んだ本をまとめます。今のところ20冊完読しました。
まとめると言っても一言コメントを添えるとかそんな感じです。本屋さんで立ち読みさせていただいた本は省き、購入(もしくは積読状態だったものを)してじっくりと呼んだ本たちです。
一時帰国中に読んだ本たち
『クララとお日さま』カズオ・イシグロ |早川書房
初カズオ・イシグロ作品。ずっと気になっていたところ、実家にあったので。
なんとも優しい言葉遣いで、取り扱っているテーマは割りと重ためだけど心がぽかぽかになりました。前半は語り口のせいか世界に入り込むのが難しかったけど後半一気読み、おすすめです。
『旅をする木』星野道夫|文春文庫
これからずっと大切にしたい1冊です。大自然と対峙している人の言葉にはなぜこんなにも重みがあるのだろうか。ほかの星野道夫作品も読む予定です。メモしておきたい言葉が沢山。旅に出たくなる本です。
『えーえんとくちから』笹井 宏之|ちくま文庫
妹におすすめされて読みました。インスピレーションが湧きでてくるような歌集です。言葉の力強さを思い知りました。瑞々しい言葉の表現、とても新鮮で何度も読みたくなります。目で読んで心で読んで声に出して音を聞いて。ぜひ作者の生涯を知ってから読んで頂くと更にグッとくると思います。
『なるほどデザイン』筒井 美希|エムディエヌコーポレーション
デザインを勉強している人は絶対おすすめされたことのある本だと思います。非常に分かりやすく読みやすく内容盛りだくさん。デザインって基礎が大事ですよね。パッと開けるので紙で買ってよかったです。
『西の魔女が死んだ』梨木香歩|新潮文庫
もっと早く読みたかった。私は祖母を3歳の時に亡くしているので本や映画の中の”おばあちゃん”というキャラクターに憧れのようなものがあります。それで『思い出のマーニー』が大好きで原作もジブリ映画も好きなのですが、『西の魔女が死んだ』を読んでいるときも同じような感覚になりました。そして私もいつか、ハーブに詳しくて庭仕事を愛している強くて優しいこんなおばあちゃんになりたい、と思いました。
『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン|新潮文庫
情景が浮かんでくるような美しい言葉で語られる自然。小さい頃色々なところへ連れ出してくれた両親への感謝の気持ちがふつふつと湧きました。そしていつか子供を持つことになったらまた読みたい、そして自然の近くで生活できたらどんなに良いだろうとしみじみと思いました。
『透明な夜の香り』千早茜|集英社
香りの描写がとても良いです、作中に出てくるハーブを使った料理やお茶もリアルに想像できて美味しそう。登場人物もそれぞれ個性的で癖があって面白かった。
『灯台へ』ヴァージニア・ウルフ|新潮文庫
初めてのヴァージニア・ウルフ。以前から彼女の作品はいつか読まなければと思っていたところ本屋さんでたまたま出会いました。帯の「小説にはこんなことが出来るのか。」という言葉に惹かれて。まさしく、こんなことが出来るのか!と思った作品。たったの2日間の出来事をこれだけ豊かに書けるのか?心情の描写がえげつない。視点がはっきりしておらず、且つ気づくとどんどん変わりながら展開していくのが面白かった。
今まで読んだことない表現方法の小説、これがヴァージニアウルフか…!
▼「なぜヴァージニアウルフを読むべきか。」というTEDの動画も是非。彼女の生い立ちや生涯、何が革命的だったのかを知れます。
『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』ジェレミー・マーサー|河出書房新社
パリに実在する私も大好きな本屋さんが舞台です。今でこそ観光客で連日大行列であまり行けていませんが、初めて行ったときの感動を今も覚えています。実際にある本屋さんで展開するフィクションなのでよりリアルに想像できて、また訪れたくなりました。
『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル|みすず書房
数年読むのを避けていて積読状態だったけど、気持ちが安定している今読もうと思いやっと読みました。読んでよかった。どういう状況でも希望を持つことの大切さ、生きることそのもの自体に意味があるというメッセージを受け取りました。
『ハリネズミの願い』トーン・テレヘン|新潮社
心配しすぎなハリネズミに途中嫌気が差してくるけど、私も気にしいな部分があるので時々同情する。そして不安に思うことが極端すぎて笑えてくる。
色々とハリネズミにアドバイスしたくなるが、それはたまに臆病になってしまう自分自身へそっくりそのまま言いたい。好き嫌いがすごく分かれそうな本だなとは思いました。
『悲しみよ、こんにちは』フランソワーズ サガン|新潮文庫
フランスに住んでいるんだもの。サガンを読まなきゃということで、買いました。衝撃でした。鳥肌が立って、寝る前に読んでいたのですが最期の行を読み終わったあとしばらくぼーっとして眠れませんでした。これを10代の時に書いたサガン、恐るべし。
『モンテレッジオ 小さな村の旅する本屋の物語』内田 洋子|方丈社
母にお勧めされて。ヨーロッパ(イタリア)×本×旅。好きなものしか出てこない。籠いっぱいの本を担いでイタリア中を旅した本の行商人たちの物語。それだけで読みたくなりませんか?
本書に出てくる山奥のモンテレッジオをいつか訪れたいです。本への愛しさが増し増しになります。こんな風に知的好奇心を持って人や街を訪ねて旅をするのはどんなに楽しいだろうと思いました。素晴らしい読書体験でした!
『針と糸』小川糸|毎日新聞出版
小川糸さんのエッセイ本です。私は心底エッセイが好きです、とくに旅エッセイが好き。小川さんのエッセイはこれが初めてで、お母さまとの確執にも焦点を当てていて、割りと重めな内容だなと感じる部分も。何といってもドイツでの穏やかな生活やその経験によって変わった価値観など、共感する部分も多く、1人旅欲が出てきます。
『ポエトリードックス』斉藤 倫|講談社
最近詩に興味があります。これは数年前に買って積読だったもので、読みました。本書で紹介されている詩を読んだ時の私の所感と登場人物たちのそれとが割りと違ったので、あれ?私はこの詩を理解できていないな、と少しへこみました。が、色々な詩に触れられてよかったです。
『移動する人はうまくいく』長倉 顕太|すばる舎
唯一?の自己啓発・ビシネス系。海外に住んでいる身としては、自分の行動を肯定されているような気がして自己肯定感が少しだけ上がりました。自分自身、移動体質の人間だなと思いつつ、いつかは田舎の家で広いガーデンを持って、そこで毎日野菜や植物を育てて猫と暮らしたいという矛盾した夢もあり、十年単位での長期人生計画を考えるきっかけにもなりました。
『紙の動物園』ケン・リュウ|早川書房
7篇の短編集です。1番初めにあるのが本のタイトルにもなっている「紙の動物園」というお話で言葉通り涙腺が崩壊しました。この短さでここまでドカンと感情を揺さぶられたことはあっただろうか。
『最終飛行』佐藤賢一|文藝春秋
あのサンテグジュペリの半生を描いた長編小説です。読む前にレビューを漁っていたところ、「前半部分でサンテグジュペリが遊びほうけていて、元々彼の作品が大好きだったのに嫌いになりました」というようなレビューを見て、私は嫌いになりたくない!と読むのを遠ざけていました笑!
結局読み終わって、更に好きになりましたサンテグジュペリ。
『モネのあしあと』原田マハ|幻冬舎文庫
上野であったいるモネ展に行った際に父が購入していたので借りて読みました。モネの人生や印象派が生まれた時代背景、当時のパリの様子などとても詳しく書いてあります。もし、ジヴェルニーのモネの家に行く機会があれば是非読んでいただきたい本です。同じく原田マハさんの『ジヴェルニーの食卓』と一緒に。
『他社の靴を履く』ブレイディみかこ|文春文庫
「あなたは共感力が高いね」と何度か言われたことがあったり、ここ数年流行っているMBTIタイプでもやはり「共感力」の高さを特徴として挙げられていました。なので割と共感力は親近感があり分かったつもりだったのですが、全然そんなことはありませんでした。
日本語ではエンパシーもシンパシーも共感力と表現することが多いですが、実は細かい定義は違うんですね。新たな学びです。人と関わりながら生きていくこの社会で「他者の靴を履く」ことは大切だと常々思っていますが、それと同じくらい自己をしっかり持って自分自身の人生を自分で歩くことも大切だなと改めて感じました。
読みきれなかった積読たち
ここからは、まだ読めていないが次に読もうと思っている積読たちです。いくつかはフランスに持っていこうと思っています。
『フーテンのマハ』原田マハ|集英社文庫
大好きなマハさんの旅エッセイ。映画「男はつらいよ」好きとしては、タイトルから買わずにはいられませんでした。フランスも出てくるので楽しみ。
『ハロルドフライのまさかの旅立ち』レイチェル・ジョイス|講談社文庫
元々は今年日本でも公開になっていた映画が気になっていたけれど、原書を見つけたのでまずは本から読もうと思い購入。映画版も観ようと思います。
『百年の孤独』ガブリエル・ガルシア=マルケス|新潮文庫
日本の本屋さん、どこに行ってもめちゃくちゃ推していたので買わずにはいられず。かなり難解で途中で諦める人も続出だと聞きましたが、読むのが楽しみです。つい先日Netflixでも配信が始まったそうなのですが、ネトフリを観る前に本書を読み切りたいと思っています。出来るかな。。
『ギリシャ語の時間』ハン・ガン|晶文社
言わずと知れた今年のノーベル文学賞受賞者ハン・ガン氏の小説。
本屋さんに彼女の作品が沢山おいてあるのでどれから読もうかと悩んでいましたが、帯の「この本は、生きていくということに対する、私の最も明るい答え」――ハン・ガン」という言葉にめちゃくちゃ惹かれてこちらから読もうと思います。
そしてamazonを見ていたら「日本の読者には『ギリシャ語の時間』か『すべての、白いものたちの』を最初に読んでほしい」とあったので仰せの通りそういたします。
『植物は〈知性〉を持っている 20の感覚で思考する生命システム』ステファノ・マンクーゾ|NHK出版
一応植物療法士なので植物関連の本はやはり読みたくなります。植物への知的好奇心はこれからも続いていきそうです。
『坂の上の雲』司馬遼太郎|文春文庫
以前ドラマを見ていましたが原書は読んだことがありませんでした。先日松山で坂の上の雲ミュージアムに行ったこともあり、長い道のりですが1から読もうと思っています。
『長い旅の途中』星野道夫|文春文庫
星野道夫さんのエッセイがとても好きだったので、もう1冊買ってみました。こちらは星野さんが撮った写真も収められていて今から読むのが楽しみです。こういう本は旅行中に読みたくなる本です。
以上です。長々とお付き合いいただきありがとうございました。もしこの記事を読んでくださっている人でおすすめの本があったらぜひ教えていただけると嬉しいです、ジャンルは問いません。