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今日覚えたい文法

たかが de、されど de

皆さん御存知の通り、Alain Delon の出世作でもあり代表作でもある映画が「太陽がいっぱい」ですね。この映画のフランス語でのタイトルは « _____ soleil » なのです。
こっちはご存知ですか?

「いっぱいの〜、たくさんの〜」は plein de だから « plein de soleil » でしょうか。残念ながら少し違います。ほんの少しね。

plein de soleil ではなく « Plein Soleil » なのです。
太陽に関係していることは間違いないのですが、どう違うのでしょう。

辞書を引いてみましょう。

*plein de+無冠詞名詞
(話)たくさんの…(♦toutを添えて強調することがある)
Il lit plein de mangas.
彼は漫画をたくさん読んでいる
Il y a tout plein de monde dans la rue.
通りは大変な人出だ
Tu peux le garder, j'en ai plein.
それあげるよ,僕はいっぱい持ってるから

プチ・ロワイヤル仏和辞典(旺文社)

plein de の後に複数名詞(数えやすい名詞)も単数名詞(数えにくい名詞)も、どちらも使えることがわかります。
使い方は beaucoup de と同じと考えて問題はありません。意味は「たくさんの」と「いっぱいの」の違いと考えて問題はありません。ということは、ほとんど同じことを表していて、同じ場面で使えるということです。

Il lit beaucoup de mangas.
Il y a tout beaucoup de monde dans la rue.
Tu peux le garder, j'en ai beaucoup.

一方 plein soleil に関してはどのような記述があるでしょう。
探してみましょう。
ありました。

en plein(e)+無冠詞名詞
…の真ん中で,…の真っただ中で
en pleine rue 通りの真ん中で
en pleine nuit 真夜中に
en plein hiver 真冬に
en plein vent 吹きさらしで
être en plein travail 仕事の真っ最中である

プチ・ロワイヤル仏和辞典

なるほど。
ということは en plein soleil で「燦々と降り注ぐたっぷりの太陽の中で」のような意味なのですね。(「埃」はないのですね。←独り言です。「太陽と」ときたら「埃の中で」と言いたい世代です)

おそらく、この表現の最初の前置詞を省略したものが映画のタイトルになっていると思われます。

単純に太陽が出ていて明るいということではなく、映画の中で誰かがそんなシーンに中に身をおいている、というイメージができます。

de があるないの違いだけで、イメージする景色が違います。

「太陽がいっぱい」
「太陽でいっぱい」
見える景色が違います。

plein de soleil
plein soleil
(faire) le plein de soleil
すべて表現として成立しますよ。

使い分けは、辞書や表現集等で確認してください。
調べて、それを書き取って何度も口に出していってみるのです。

調べただけでは、いつの間にか忘れてしまいます。
復習の重要性を今朝実感したので、皆様にもお伝えしておきます。

ご参考まで


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