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往復書簡#1 オーケストラには匂いがある

まえがき

この「エッジのおうふくしょかん」は、ラーンネット・エッジのnoteの新企画。1通目は、スタッフのうっぢゅとなおちゃんのやりとりです。私たちが普段何気なく考えてることや面白かったできごとなどのちょっとした話題について書いています。
月に1通(1往復)ペースで続けながら、時々スクール生や講師などにも登場してもらうと楽しいかなと考えています。
どうぞご笑覧ください。
*イラストはスクール生(中3)のFKくんに描いてもらいました

なおちゃん to うっぢゅ

うっぢゅ様

往復書簡、スタートはわたしからということで、あまり深く考えずに筆をとることにします。この1ヶ月の出来事でも思い出してみようかな。春休みあたりから…

春休みは、東京の音楽高校に行っている娘が帰って来ていたので、一緒にいくつかコンサートに行きました。印象的だったのが、小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトの「こうもり」と、劇団四季の「オペラ座の怪人」。    たまたま“オペラ”つながりの観劇が続いたのでした。

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXVIII 喜歌劇「こうもり」
https://ozawa-musicacademy.com/program
劇団四季「オペラ座の怪人」
https://www.shiki.jp/applause/operaza/

演奏会後に感想などを色々シェアするのも楽しいひとときですが、面白いなと思ったのが「オーケストラには匂いがある」という話(ちなみに、オペラ「こうもり」はオーケストラが演奏し、ミュージカル「オペラ座の怪人」は、オーケストラ部分に演奏音源が使われているという違いがありました)。

始めは、生のオーケストラ演奏と録音とでは全然違うね、やっぱり生演奏がいいよね~という話をしてたんです。「でも何が違うんやろ?」「音量じゃないよね、それでいえば録音の方が大きかった気がするし」「なんか、風がなくない?圧がないっていうか…」「オケだと演奏してる人達の動きがあるから空気が動くとか?」「演奏してる人から出てるエネルギーか?」

とりとめなく話してる中で「オーケストラには匂いがあるねん」という話になったのでした。わたしは「匂い」にはノーマークだったので、「あ~、…そうなんかな?」という感じだったのですが、そういうのもあるらしい。風や圧、エネルギー、匂い…って、人がいるだけで発する何かで、わたしたちはそういうのを丸ごと感じて受け取ってるんだなぁと思ったりしました。ちなみに、「こうもり」も「オペラ座の怪人」も、観た後めちゃくちゃ元気になりました。

…特に結論もありませんが、今回はここまで。よかったら、うっぢゅの最近の出来事など教えてください。

うっぢゅ to なおちゃん

なおちゃん様

「匂い」ねー。M(なおちゃんの娘。エッジ卒。もう高2!)は鼻でも観ているんだね。

バイオリン奏者として、いわゆる知覚センサーの精度が磨かれているのは想像できるけど、そもそも使ってるセンサーの数さえ違うんだね。こういう話を聞くと、今度は自分も「匂い」に意識を向けて観劇してみようかなと思うから、世界を広げてもらった感じがします。逆にMには、鼻をつまんで鑑賞してみてほしいと思いました。

最近の私はというと、コンサート(手嶌葵、石橋英子)に行ったり、映画(ザ・バットマン、カモン・カモン)を見たり、家から校舎に自転車で行ってみたりしながら、それこそ、この数年オフになっていたセンサーを徐々に再起動しながら、身体性を取り戻そうとしています。

あと、この5月初旬は、家で育てているガジュマルさんの剪定の時期でもあります。剪定というのは、若い枝葉が育ちやすいように、伸びすぎた枝葉を切るという作業なわけですが、文字通り、人や組織の成長について思い起こされる瞬間で、毎年それなりに逡巡します。若い枝葉のために古い枝葉を切ると言えば単純なのですが、その古い枝も去年は新しい枝だったわけだし、今もその枝から新しい葉が出ていたりして。だからといって子会社を作り続けるわけにもいかないし、そう都合よく神の手は働かない以上、まあ、結局ひと思いに切るんですが。若い枝葉を含め、樹木全体のためになると自分に言い聞かせる今日この頃です。

初回はこんなところかな。もしよろしければ、読んだ方から感想とか、こんなテーマで書いてほしいというリクエストをいただけるとうれしいかも。エッジ生の往復書簡の回があってもいいかもね。ではまた次回。


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