未経験ひとり人事が立役者!地方IT企業の社員人数を25倍にした4つの採用成功のコツ
こんにちは。learningBOX広報PRの佐藤です。私たちは、eラーニングに必要な学習管理システム「learningBOX」を開発している兵庫県たつの市のIT企業です。今回のnoteは、地方採用についてのインタビューです!
learningBOXの採用実績を公開!
3名からスタートしたlearningBOXですが、今や社員数70名以上に拡大しています!兵庫県たつの市は人口減少が続く中、当社には青森、神奈川、埼玉、秋田など全国各地から転居して入社してくれるメンバーもおり、たつの市の地域創生にも少なからず貢献しています✨
2021年は30名もの採用ができています。そしてこの3年間では54名採用し、そのうち29名(53%)がエンジニア職!ちなみに、当社は基本的に新卒採用は行っておりませんが、2022年に新卒入社したインフラエンジニア1名と、2020年に学生アルバイトとして入社し今年社員化になったバックエンドエンジニア1名も在籍しています。そして、現在の当社従業員の約6割がエンジニア職で構成されています(以下グラフ参照)。
私は前職の人材会社でキャリアアドバイザーをしており、採用に苦戦している企業の話はよく耳にしていたので「兵庫県の小さな地方IT企業で、さらに本社は基本出社スタイルなのに、なぜエンジニアもデザイナーもその他職種も継続的に採用ができているのか?」とかねてから興味がありました。探ってみると、そこにはある立役者が…!
企業成長に採用は必要不可欠。エンジニア採用をはじめ、様々な職種での採用難が叫ばれている昨今、兵庫県たつの市の小さなIT企業が継続的に中途採用ができている秘訣は何なのか?今回はlearningBOX急成長の立役者である採用担当者に直撃インタビューしました🎉
急成長の立役者は未経験ひとり人事
はじめまして。learningBOX採用担当の福本直子です。兵庫県姫路市出身で姫路を離れてもすぐに戻ってくる、姫路が大好きな姫路っ子です。休日は家でゲームしたり漫画読んだり料理したり穏やかに過ごしてますが、会社の部活ではボルダリング部、筋トレ部、登山部の部員で意外とアクティブです。家庭菜園も好きです。
大学時代は商学部経営学科で経営について学び、その後紆余曲折あり、発酵菓子職人の道へ。その後、飲食店舗のコンサルティング業にいそしむ最中にSaaSに出会い、IT企業への転職を決意しlearningBOXへ。入社当初はマーケティングチーム所属でコンテンツ制作や展示会運営などを経験し、営業企画を経て、人事・採用担当になりました。
中小企業の採用って、広報、マーケティングを進めないと母集団は全然集まらないんですよね。まずは、そこの理解を徹底しました。待ってるだけでは当然求人応募は来ないので、採用成功している企業をリサーチし、採用広報、採用マーケティングについて調査を進めました。
そして、2021年7月頃にはWantedlyをスタートさせ、募集投稿は1週間おきにブラッシュアップ、ストーリーは候補者さんが欲しい情報の記事を月1本出す、という目標を掲げました。ひとりなのでゴリゴリなKPIは立てません。継続しなきゃ意味がないし、スピード重視じゃなくて2~3年後を見据えて情報を蓄積していき、1か月に30人くらい応募をしてもらえるような継続的な運用を意識していました。
その効果もあり、当初から一番安いプランで運用していますが、2023年現在ではWantedly経由での応募、内定数が圧倒的に多いです。
ちょうどこの時期、様々な要素が重なりました。採用サイトのリニューアル、Wantedlyの運用開始、採用媒体は9つ(無料媒体含む)を運用、プレスリリースでは様々な情報を発信していました。さらに、代表のX(旧Twitter)でエンジニア向け発信を継続的に行ってくださり、以前に比べて格段に当社からの対外的な発信量がアップしたことが重なったことで相乗効果が起こり、候補者さんにもフレッシュで勢いのある情報が届けられたことが主な要因ではないかと感じています。
同時に、企業口コミの整備も行いました。今や転職活動ではクチコミ参照が欠かせない時代となってきています。企業口コミはより当社とマッチした人材確保のため、企業情報をオープンにし、また企業のブランディング向上の為のツールの1つになると感じています。
社内や退社したメンバーにも「より多くのコメントを集めたいと思っており、良い事も悪い事も正直に記入してください!」と呼びかけたところ、みなさん快く対応してくださり、様々な口コミが集まりました。
カジュアル面談でも「企業口コミでは残業ほぼなしってたくさん記載がありましたが、実際に話を聞いてみたら…本当にないんですね!」といったコメント等をいただくようになりました。
これまでコツコツ行ってきたオープンな情報発信の影響が、成果に繋がっていると思います。
ひとり人事がこだわる採用成功のコツ
1.learningBOXの採用担当としてではなく、一個人として会うこと
まず大前提として、私の主な採用業務・役割について簡単にお伝えしますと、媒体の選定から始まり、担当の部署にヒアリングして求人票を作成し、候補者さんの対応をしてカジュアル面談で正式応募まで繋げることです。そのため、カジュアル面談では「learningBOXの採用担当としてではなく、一個人の福本として会うこと」を意識しています。
learningBOX採用担当の福本として会うと「この人は当社に合うか」という目で見てしまいがちなのですが、それは正式応募後の面接担当者が判断すればよいと思っています。私の役割は、カジュアル面談で候補者の方に少しでも当社に興味を持ってもらってより多く知ってもらって、より魅力的に思ってもらい、正式応募まで繋げること。そのためにも「候補者さんが欲しい情報をもう全部あげたい!」という思いが強いですね。だから、一個人の福本として会う。そんなスタンスでカジュアル面談に臨んでいます。
2.カジュアル面談では積極的に質問をする
2つ目は「カジュアル面談では私から質問をする」ということです。現在では、正式選考の前に、相互理解の場としてカジュアル面談という手法が主流になり、進め方や流れについての記事もたくさん公開されていますよね。内容を見てみると「カジュアル面談では企業側は一方的な質問はしない」というスタンスが普通なようです。多くの企業は、カジュアル面談を候補者さんが「会社のことを知りたい」という希望で行う形式を採用しています。私はこの前提を踏まえつつも、質問をたくさんします!
もちろん、カジュアル面談は候補者さんを中心に質問に答えていくのですが、まず人として、自分に興味を持ってもらえてない人に興味を持つかな?と思いませんか?
私自身もカジュアル面談を受けたことがあるのですが、積極的に質問されない企業さまに対し、面談を通して「この企業を選ぼう!」という選択が生まれることはなかったんです。
自分のことを知ろうとしてくれてる、分かってくれようとしているというのは、人としてすごく大きなことだと思っているので、私の中では「相手に質問をする」というアクションは外せないです。
ただ、「カジュアル面談なので、言いたくないことは言わなくてOKです!」という前置きをしながら「私も〇〇さんのこと知りたいんですよ」と話をするようにしています。
ちなみに、「質問をして良い!」と胸を張れるのは、数字が証明しているからなんです。私の担当したカジュアル面談後の正式応募率は92%です。企業側から質問をしても問題ない!という根拠がここにあります(笑)。
私の中でのカジュアル面談は、相互理解の場であり、「惹きつけの場」でもあります。目的を明確にすることで、有効応募に繋げています。
3.会社より候補者 圧倒的スピード感
候補者さんをお待たせするということは本当にないです。かなりスピードを重視してます。私は会社より候補者さんを優先し、上司にも経営陣にもそのポリシーを伝えています。
こんな小さな地方の企業に候補者さんが興味を持ってくれているということだけで私にとってはすごくありがたいことで、そこに誠心誠意対応したいという想いがあるのです。
これには原点があるんです。私の採用対応をしてくれたのは、取締役でありプロダクトオーナーの森だったのですが、その森の対応がとても印象的でした。採用対応は、応募者管理、候補者フォローや入社対応もあるのですが、当時それらの対応の中で送られてくるメールはテンプレート文章なイメージでした。ところが、森はこまめな連絡と、送られてくるメール文からは形式的ではない気遣いが伺え、掲示した期日までに必ず連絡をくれる、という安心感のあるやり取りをしてくれたんです。その体験から、私も森のような候補者さんに寄り添う対応をしよう!と決め、それは現在も変わっていません。
今の時代、転職は当たり前だし、昔より転職は手軽になったかもしれないです。けれども、それでも人生の分岐点であることは絶対変わりなくて、そこを疎かにするような採用担当にだけは絶対なりたくないという想いがあります。だから、当社を受けることで候補者さんに嫌な思いだけは絶対してほしくないんです。
4.スカウトは媒体の特徴をつかみ、テンプレートにこだわる
今や採用業務のメインにもなりつつある、スカウト送付。当社でも採用者の約8割はスカウト経由です。現状、残念ながら中小企業における採用手法で「スカウトを送らない」という選択肢はないのではないか?とさえ感じています。
スカウトを最も効率よく進めることは、候補者さんのタイミングを把握する(逃さない)ことが一番だと思っていますが、その上で、スカウトはパーソナライズするのは当たり前で、私が特にこだわっているのは、パーソナライズ以外のテンプレートの部分です。
テンプレートにこだわる理由は、転職顕在層にも、潜在層にも影響を及ぼす部分であるからです。レジュメが充実していない潜在層に興味を持ってもらうには、テンプレートでいかに興味を惹くかがポイントになると思っています。なので、当社の特徴とマッチするテンプレートを媒体毎に何種類か準備しています。一部ご紹介すると、このような感じです。
・自己啓発欲が強い方向け
・ワークライフバランスを重要視したい方向け
・競技プログラミング大好き!という方向け
・地方で働くことに興味がある!という方向け
・現職では既に役職が埋まっており、高いポテンシャルを発揮できていない方向け
また、スカウトは媒体によって送る内容を変えています。例えば、大量にスカウトを配信することで効果が出る媒体は定型文をベースに少しパーソナライズする、レジュメが充実している媒体ではレジュメを読み込んだスカウトを送る、といった感じです。
パーソナライズをして送るスカウトはとても時間がかかりますよね。私はレジュメ読み込みからスカウトを送るまでを1人20分以内と決めているのですが、それでも時間内で送りきれない人もいるじゃないですか。1人20分以内の運用を全ての媒体にやってしまうと、費用対効果が悪くなってしまいます。
そのため、まず自分で媒体を使ってみてそれぞれの媒体の特徴をつかみます。例えば、媒体Aはそもそも開封率が低い結果となった場合は、まずはテンプレート配信で興味を引いてもらいメール開封をしてもらうという目標で送るパターンにしてみたり、媒体Bは開封率が高くレジュメが充実している媒体なので、しっかり読み込み1通送るだけで当社に応募してもらいたいという想いでそこはかなりパーソナライズして送る、という意識で取り組んでいます。
※補足
意識していることとして挙げた上記4つのことは、企業認知度やサービス知名度が高い場合は必要のないアクションかもしれません。採用担当は自社の特徴、立ち位置を理解し、自社にあった施策を組み、常にPDCAを回しながら候補者さんと向き合う必要があります。そこが採用担当としての面白さでもありますね!
採用担当者としてのやりがい、難しさ
嬉しいことは日々転がってるんですよね。採用計画がうまくいったときや、かなり想いを込めてお送りしたスカウトから反応があった瞬間、新規媒体を使うワクワク感、採用広報の撮影が最高だったとき…などなど。
そんな中でも特に印象的なことがありました。
人事もIT企業での就業も未経験で約4年目になるのですが、ひとり人事がスタートした当初は仕事を進めるうえでも全てに自信がなくて本当にこれでいいのか?という手探り状態でした。業務はたくさんあり、それらの業務が点でしかなかったんです。
それらの点が、私の中で線になった瞬間がありました。それは、立て続けに候補者さんからお礼のメッセージをいただいたことがきっかけとなりました。どちらも内定辞退となってしまった方々なのですが、
・「御社に惹かれた理由の1つは、カジュアル面談での福本さんの対応が素晴らしかったからです」
・「内定は辞退しましたが、カジュアル面談での福本さんの対応が忘れられず、感謝の言葉を伝えたいので面談を設定させてください」
とのコメントをいただいたのです。どちらも辞退となってしまい、採用担当の成果としては失敗かもしれません。それでも、候補者さんとの向き合い方や、業務の進め方は間違ってなかったんだなと私の中で点が線に繋がり、とても印象的な出来事でしたね。自信にも繋がりました!
採用広報活動に経営陣を含むメンバーの皆さんがすごく協力的なところです!いつも笑顔で対応してくださり本当にありがとうございます。これからも楽しんで対応してくださると嬉しいです!
当社の素敵なメンバーたちをぜひとも見てくださいませ!
もっと頑張りたいところ…というか、最近思うことは「採用活動の意義」の浸透の難しさですかね。当社だけでなく、スタートアップ企業ではひとり人事あるあるなのではないでしょうか。
ひとり人事の採用活動は鎖国状態になりがちで、日々の業務でいっぱいいっぱいになることもあり、採用活動の重要度がメンバーに伝わっていない企業は多いんじゃないかなと。例えば、「こんなに採用する必要あるんですか!?」とか言われてしまったり…。経営陣の想いには数年後を見据えた人事計画があるのですが、採用の理由がオープンになっていなくて社内では分からないことになっていることが多いのではないか、と感じます。
業務にも慣れ、自身に余裕と自信がついたこともあり、先日MTGにてこの内容を経営陣に共有したところです。これからはもっと経営陣を巻き込みながら、社内全体で採用活動を進めていくことができればと思います!
人にしかできない、人と向き合う業務を大切に
これまで、ひとり人事として面接以外の採用にかかわる業務を1人で行ってきました。エージェントに人材を紹介をしてもらうことや、ATS(採用管理システム)の導入・運用経験もなく、採用担当としてのSNS運用等もしていない状態です。まずはこれらの経験をしてみたいですね(笑)!
長期的な目標としては、生成AIと共存しながら、生成AIにはまだできない領域で採用担当として日々進化したいと思っています。
私たち採用担当が向き合っているのは「人」です。人との繋がりは、生成AIでどうにかなるほどそう簡単なものではないと日々感じさせられます。生成AIを利用しながら、効率化によって生まれた時間で、「人」にしかできない、人と向き合う業務をしていきたいです。
ひとり人事 福本さんから一言
この記事の依頼を受けたとき、「ごく当たり前のことしか言えないのですか、いいです…?」と佐藤に確認しました。佐藤はそんな私に「福本さんが当たり前にやっていることは、周りから見ると当たり前でないです!」と。
単純な私は「なるほど!!」となり、同じようにひとり人事で悩まれている採用担当の方や、地方採用でにっちもさっちもいかない!という方に向けて、この記事に挑ませていただきました。少しでもお役に立てば嬉しいです。
人生経験は豊富な年齢ですが(笑)、人事採用担当としてはまだまだ新米な私です。目まぐるしく変化する現代において、何歳になっても必要とされる人となるため、色んなことに挑戦し続けます〜!
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
さいごに
今回はひとり人事・採用担当の福本さんにインタビューさせていただきましたが、いかがでしたか?実は、私も福本さんのスカウトメールをきっかけに入社した人の一人です!当時の福本さんの神対応を思い出しながらインタビューしていて「なるほど!そういうことだったのか!」と納得と共感の嵐でした😍
現在、learningBOXではバックエンドエンジニア、インフラエンジニアなど多数の職種募集中です!「福本さんとカジュアル面談してみたい!」という方も大歓迎ですので、気になった方は当社Wantedlyをご覧ください🙌
実は、このnote記事をきっかけに、ウェビナー登壇依頼やメディア掲載など多方面において反響がありました!その内容について、以下のnoteにまとめていますので、併せて読んでいただけたら嬉しいです✨
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